56. 午前5時30分
56. 午前5時30分
午前5時30分
外は暗いが雪があるおかげで少し明るい。
目覚まし時計をセットした訳ではないがみずきは自然に目を覚ました。
みずきの両親はまだ寝ている。
みずきは起きて顔を洗い着替えて外出の準備をする。
みずきの家から自転車で20分程した所に海がある。
みずきは高校を卒業してから古臭い田舎にいた頃夜明け前に海の所の砂浜にきていた。
みずきは砂浜の座りイヤフォンでよく「夜明けの孤独」の歌を聴いていた。
みずきは歌を聞きながら鳥の鳴き声や海の音、潮の風を肌で感じていた。
みずきにとって一種の精神安定剤のような物だった。
みずきは久しぶりにあの砂浜にでる。
自転車だと20分ぐらいで着くか外は雪が降っているため歩く事にした。
みずきは1時間ぐらい歩き砂浜についた。
鳥が鳴いている。波の音が聞こえる。 潮の匂い、風が吹く。
みずきは手を伸ばし、息を5秒吸い5秒はいた。
寒さもあり息は白い。
ここの景色は変わらない。
みずきは久しぶりに場所に懐かしさを感じた。
みずきは浜辺に座り持ってきたイヤフォンを手にする。
耳には「夜明けの孤独」が流れてくる。
~♪
人間は過去を変える事は出来ない。
過去を背負って生きていかなければならない。
時には休んでいいけど
一歩を踏み出す事ができなければ前にはすすめない。
誰かの助けをかりるのも時には必要だ。
けど最終的には自分の力で何とかしなければならない。
そんなメッセージが込められ歌であるとみずきは思った。
そして
みずきは夜明けの孤独で考えた。
みずきは田舎の景色は好きである。
みずきは田舎の音のない音は好きである。
でも
みずきは私の家族の空気はあまり好きになれないと帰省して改めて思った。
家族の誰かが嫌いという訳ではない。
家族の言葉では言い表す事が出来ない何ともいえない空気又は雰囲気は苦手である。
みずきは十数年前家にいるのが嫌で、
この古臭い田舎にいるのが嫌で
都会に出た。
十数年たって改めて夜明けの砂浜にいる。
昔のみずきと今のみずき
その気持ちに変わりはないと改めて思った。
親から離れ、田舎から離れ、一人で都会の街に出た事に後悔はない。
みずきは暫くぼ~っとしていた。
暫くして持っていたスマホを手にし時間をみた。
時間は午前7時頃になっていた。
夜明け前から当りは明るくなってきて少しずつ人がちらほら。
みずきは歩いて家に帰る事にした。




