43話
1週間ぶりです。
...待ってて下さった方、申し訳ありませんでした。
其処はいったい何処だろうか。
白...ただ、ただ、真っ白な空間だ。
其処は障害物もなければ、壁も、天井すらない。
ただ、白い空間。
........そんな場所に二人はいた。
ーーーー「待ったかしラ?」
ーーーー「...まぁ、三日くらいは待ったな」
悪いわネ、と言いながらも全く反省していない様子の女性に男性は軽く苛立つ。
「昔も言ったよな?遅刻はせめて一日までだって」
「はァ、どれだけ昔のこと言ってるのヨ。それって300年以上前のことでしョ?そんなの覚えてるわけないじゃなイ」
女性は頬を膨らませ、そう主張する。その仕草を見た男性の視線は絶対零度を帯びていたが...
........ここまでの会話で既にお気づきだろうが、この二人は人間ではない。
普通の人間が300年以上も生きていたら怖いです。
この二人こそ...いや、“二柱”こそ人類の『原型』、「創造神:アダム」「創造神:イヴ」である。
なんかちょっと語尾がオカシイ方がイヴです。
「あッ、そういえば今代の勇者クンはどうかしラ?えぇっト...そうそウ、100代目勇者だったかしラ」
「まあ、良い調子ではないか?あの様子なら今代の魔王レベルならなんとかなると思うが...」
そウ、と呟くイヴだが既に上の空である。そんなイヴにこめかみを押さえながらも話を進めるアダム。
「で、な?要件だが...」
「アオトーーーーアオトクンでしョ?」
出鼻を挫かれて早々にやる気メーターが減少を続ける中、なんとか気力を保つことに成功したアダム。
「...知っているなら話は早い。あのぶっ壊れ野郎をなんとかしなくてはならなーーー」
「あのコ...殺すノ?」
「........................」
さっきから全文言わせてもらえないアダム。中々に不憫である。だが、今はそんなこと言ってられない。
「...何故か、聞いてくれるか?」
「拒否ヨ」
「...(泣)」
「ちょッ、冗談ヨ。冗談。だから泣かないでェー」
~10分後~
「...ぐずん。話を進めよう」
「え、えェ...」
さっきまでのシリアスな雰囲気はどこへ行ったのか...涙目で鼻声のおっさんとかダレ得な展開ですが話を進めるそうです。
「...アイツは危険だ。この世界...いや、神界までも影響を与える存在はこれ以上放置するわけには行かない。だから...」
「殺す、のネ」
イヴの反応を見て、満足そうにうなずくアダム。なんとも切り替えが早いことです。
「...私は反対ヨ」
「どうしてだ?」
「だってェ...お・き・に・い・り★だもノ」
嗚呼、またか...と空を仰ぐアダム。その表情には、どこか諦めが含まれているようでした。
「なぁ、お前も分かって発言しているんだよな?」
「........何をヨ」
「アイツが神になる可能性について、だよ」
「勿論、ヨ」
「...そうか、ならいい。俺は忠告したからな。後はどうしようがお前の勝手だ。好きにしろ」
冷たく、突き放すような声でそう言ったアダムはまるで急ぐかのようにせかせかと部屋を出る準備をしている。
「どこかへ行くのカ?」
「あ"ぁ"?『闘技場』だよ。テメーが遅れたせいで巻きで行動しなきゃ行けねーんだよ。巻きでな!」
あぁ、そうとうイラついてますね。部屋で待つこと三日間。ストレス溜まってそうですものね。
「...あァ、そういえばお前。国王なんてものやってたナ」
「そうですぅ~、国王の仕事等々が忙しいんですぅ~。お前みたいなニートと違ってね!」
「そうカ、がんばレ」
「........自分から煽っといてなんだが...お前、一発殴っていいか?」
「えいッ!」
「いってェッ!?なんで俺を殴った!?」
「...なんとなク?」
「お前も分からないんかぁぁぁい!!」
「...逃げるが勝チ?的ナ?ドロン!」
「逃げるなぁぁぁ!...逃げ足早ッ!?」
「...あっ、勇者洗脳したの忘れてた...まあいい。俺も、好き勝手やらせてもらうとするか」
誰もいなくなった部屋で、一人アダムの呟きだけが虚しく反響した。
△▼△▼△▼
闘技場、一年生の部最終戦。
「ふぅ~リラックスリラックス...」
あー、緊張するなー。大勢の人に注目されるの苦手なんだよな...エリックはその辺どうなのだろうか?
「アオト...殺す。アオト...殺す」(ぶつぶつ)
あっ、見聞きしちゃいけないものだった。あんな目ぇ血走らせた勇者なんて見てないからダイショブダヨ!呟いてる呪詛なんてキコエナイヨ!
ふっ、俺は空気が読める男なんだよ。...別名、臆病とも言わなくもなくない。
まぁ、人にはデリケートな場所があるからネ!あんまり触れないようにしてあげよう。気遣いもできる男なんだよ?誰か誉めてくれてもいいんだよ?
「きゃぁ~勇者様~!頑張って~!!」
「エリックゥーー!頑張れよーー!!!」
「ふっ、私が認めたライバルだ。負けるわけないさ...」
...エリック人気だなぁ(他人事)
........あれ?俺の応援まだ?
「ねぇねぇ、アオトって誰?」(ひそひそ)
「えっ知らなーい。ダレソレ?」(ひそひそ)
「ふっ、どうせ運で勝ち上がってきたのだろう。私のライバルが圧勝だな」(ババーン)
................知ってた。
ってかさっきから最後の人なんなの?なに?ライバルとか、そういうイベントあったの?えっ、純粋に羨ましいんだけど。
ハッ!?そうだ。俺にはウェンディがいるっ!ウェンディ~。どーこー!?
...いない。俺の超高性能イヤーでも聞き取れないって、どれだけ遠くにいるの?うえー、ポテンシャルさがるわー。テンション駄々下がりだわー。
『決勝戦です!...Eクラスのアオト選手!対!Sクラスのエリック選手ですっ!』
『『『わぁぁぁ~~!!』』』
さすが、最終戦だけあって盛上り方が今日イチだ。
『ま・さ・か、ここまでEクラスの選手が勝ち上がって来るとは誰が想像したか!小さな体躯で並みいる強者を残酷に、圧倒的に勝利することからついた二つ名は『血まみれの妖精』!優勝したらきっとフードも取ってくれるでしょうっ!』
『『『................』』』
おい、なんで無言なんだよ。誰かナニかしゃべれよゴルァ。
『対するはSクラス!エリック選手ーー!!華麗な剣技と美麗な魔術からなる闘いは、戦闘ではなくまるで舞踏会を見ている様っ!!ついた二つ名は『王子』!!
(...あれ?前置き意味なくね?単純にカッコいいから王子でよくね?舞踏会の流れ必要だった?)
甘いルックスで卒倒する女子が大量です!是非、今回もカッコいいのを期待してますっ!!』
「きゃーー!頑張ってーー!!」
「勇者様ーー!こっち向いてー!!」
「王子ー!!一生着いていきます!!」
........よし、すまんエリック。顔面崩壊まで勘弁してくれ。どうせすぐに治る(治す)んだから大丈夫でしょ。
『お二人には安全上の問題のため、此方の腕輪を付けてもらいます。この腕輪は致命傷の攻撃を一度だけ身代わりで防ぐ効果があります。この腕輪が壊れた時点で負けとします』
そんなアナウンスの途中に黒ずくめの大人が二人入ってきて俺とエリックに腕輪を渡す。
...あっ、俺の腕輪投げた。ちょっ、届かない...おりゃっ!........よし、取ったぜ。うーん、ちょっと大きめだけど...あっ、使用者のサイズに自動調整されるのね。便利。
なになに、鑑定してみよう。
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『猛獣の腕輪』
➡使用者の魔力回路を擬似的に切断し、身体能力も著しく下がる。また、使用者の魔力を瞬時にすべて吸いとる。吸い取った魔力は使用者から一番近い人間へと譲渡される。
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...いや、勘弁してください。
これ、『魔物使い』の魔道具じゃん!こんなもの渡すなし。
...なんだ?この感じ。
「あ、れ...?体...怠いな........」
........あ、魔力枯渇。
『それでは........レディーーゴーーーーー!!』
圧倒的なまでの不利な条件の中、アオトの退学を掛けた闘いが始まる。
誰も、裏で神が介入しているとは知らずに。
「はぁ、出し惜しみなんてしてる場合じゃないな。...悪いな、エリック。ーーーーーーーーーーーーーーーー本気で行かせてもらうっ!!」
アオト「...遅くない?」
作者「...すみません」
アオト「毎日投稿じゃなかったの?」
作者「...マジ、すみませんでした」
アオト「こんなんだから伸びないんだよ?」
作者「...返す言葉もございません」
こんなやり取りがあったとかなかったとか。




