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24話

 「さぁ、第二ラウンドといこうか。簡単に潰れてくれるなよ?」


 「限界突破」(ボソッ)


 アオトが限界突破を使用する。瞬間、アオトが踏み込んだ地面が爆ぜる。

 まるで一つの星のように一直線に向かってくる。


 「グガッ!」

 

 突っ込んでくるアオトをいとも簡単に弾き返す邪神。やはり、ステータス以前の問題で邪神とアオトでは“力では”圧倒的な差がある。


 「チッ...一筋縄じゃ行かないか」


 ズザザザァァっと、着地と同時に地面を滑り、邪神と対面するアオト。その顔には、少々悔しさが浮かんでいる。やはり、力で負けたのが悔しかったのであろうか...


 「あの筋肉...羨ましい...」


 違った。邪神の筋肉に惚れてるだけだった。

 アオトの新たな性癖も露出したところで、アオトは“ある事”を思い付く。


 「...そーだな、面白そうだな。よし、ちょっと頑張るか...」


 なにやら楽しそうである。さっきの悔しそうな顔とは違い、不敵な笑みが浮かんでいる。

 ふぅ、と一息ついて、また邪神に突っ込む。


 「ググガァ!」

 「ハッ、弾くだけで芸が無いな!」


 間髪いれずにドンドン突っ込むアオト。地面を滑り、邪神を踏み台にし、さらには大気さえも蹴って邪神に攻撃する。


 「ハハハハ!着いてこれないかっ!?さぁ、どんどん踊れ!」

 「グギギギギギ...」


 邪神は悔しそうにしながら必死にアオトを追いかけている。......やはり、アオトの煽りは種族間すらも超越して頭に来るのだろうか?邪神はすでに感情が爆発寸前である。


 このままいくと、邪神が憤死しそうになったそのとき、邪神に変化が起きた。


 「...グギガ?ガガガガァァァァ!!」

 「ふぅ、やっと捕まったか。ふっふっふ、お前のその表情を見れただけでも儲けもんかな?」


 ...邪神が動かない。否、動けないのだ。

 邪神は今起きたことを正確に理解しているのか、どこか恨めしそうな顔でアオトを凝視している。


 どうやって邪神の動きを止めたかって?そんなの簡単です。

 『魔法創造:剛鉄糸』を使いながら邪神に突っ込んで、邪神の回りをクルクル回る。そうすると勝手に邪神を縛れるから、一気に邪神から離れる!そこまでいけば、もう勝ったも同然。今までゆるふわで漂ってた糸が邪神の体を拘束します。

 ねっ?簡単でしょ?


 「おいおい、そんな顔で見るなよ。別に邪神に見られて興奮する性癖なんて無いからな?」

 「グギァァァァァァ!!!」


 スパッ


 それは、切断音だ。

 何を切ったか?もちろん、邪神の首です。


 「----ッ!!!」


 声にならない声で鳴く邪神。それを見ているアオトはどこか楽し気だ。


 「これで分かったか?次喚いたら...殺す」


 アオトさん、それもう死んでますぜ。

 残念、切断面に首を着けると...あ~ら不思議。首がくっついて元どうり!

 はい、邪神の再生で遊んでみました。


 「あ~、面白い事考えちゃった。このまま徐霊したらどうなるのかなぁ?」


 ニヤニヤしながらアオトは邪神に語りかける。

 邪神逃げてぇ!超逃げてぇー!!


 因みに、邪神は基本的に幽霊と同じ系統だ。世界中の『邪気』が、集まって出来たようなものだからね。『邪気』は、怨みだとか憎しみ等の“負のオーラ”が集まったものだ。

 稀に、元々高位の魔物が人系の人種をある一定の数値まで殺しまくると“存在進化”により、邪神になることもあるらしい。中々レアだ。

 

 そんな訳で、邪気の塊である邪神を徐霊するとどうなるかと言うと、理論上は邪気に取りつかれる前の姿に戻るという。ふむ、興味深い。


 アオト.邪神.徐霊.やってみた 検索


 「魔法創造:神の審判!!」

 「グギァァァァァァ!!」


 パアァァァァァァ


 おーおー、これは凄いな。邪神が身に纏っている“負のオーラ”がどんどん浄化されていく。中々綺麗じゃないか。


 「グゥゥゥ...ギァァァォァ!!」


 もっとも、邪神は苦しそうだけどね。

 凄いペースで浄化が進む。邪神は、悶え苦しんでいるが気にしない。くっ、これも人類のためだ...すまな(以下略)


 ~30分後~


 「グギュュ...グギァァ...」

 「...なんか、ごめん」


 30分もこんなのを見てると流石に邪神に同情してきた。うんうん、可愛そう。ダレガヤッタンダロウナー?

 

 「グ、ギュ、ガ......」

 「あっ、死んだ。マジか、変化しないじゃん。誰だよあんな嘘っぱちこいた奴」

 

 どうやらアオトの理論はハズレたようだ。

 あれだけ暴れ回ってた邪神だが、何とも呆気ない最後であった。


______レベルが上がりました______

______レベルが上がりました______

.....................

..................

...............

............

.........

......

...


 久しぶりにこんなにレベル上がったな...


 「がぁぁぁっ!?」


 邪神を倒した後の感傷に浸ってたアオトたが、猛烈な痛みがアオトの体を蹂躙する。戦場だった場所に仰向けに倒れ込む。

 そこでアオトはやっと気付く。


 「ヤベェッ!まだ分離してなかった!

 体いってぇぇぇぇっっ!!」


 さらに、限界突破の代償としてアオトの意識が遠くなる。気絶するも、『魔法創造:合体』を行使したまま戻すのを忘れていたので、体が細胞レベルで分解されそうになる。

 気絶➡痛みで覚醒➡気絶➡痛みで覚醒......

➡痛みで覚醒➡気絶。

 何回繰り返しただろうか。アオトは決死の覚悟で魔法を唱える。


 「ま...魔法、創造:分離!!」


 刹那、アオトの体は黒と白の障気に包まれる。

 黒の障気と白の障気はしばらくアオトの体の上で行ったり来たり、混ざったり分離したりを繰り返していたが、漸くアオトの体の中に入る。瞬間、アオトの髪の毛は白く染まり、瞳の色も薄い金色に戻った。

 

 「くがっ、はぁはぁはぁ...し、死ぬかと思った...」

 『全くだ。細胞の深いところまで混ざっちまったからな...危うく死ぬとこだったぞ』


 アオト、ギリギリ生還である。


 「そー言えばステータスどうなったかね?」

 『見てみるか』


 いつもの簡易版でお送りします。

______________________


名前:アオト


年齢:18


レベル:781


適正職業:孤独者(アイソレータ)

______________________


 「なぁ、俺思うんだけどさ...」

 『あぁ、言ってみろ。多分俺と考えてることは同じだ』

 「じゃあ、一斉に言うか」

 「『せーの!』」


 「『強くなりすぎじゃね?』」


 ......二人の思いは同じだった。まぁ、結局二人ともアオトなので当然と言っちゃ当然なのだが。


 「そろそろ向こうの世界に帰るか...」

 『そうだな、ここで出来ることは大体した気がする』


 「てかさ、戻るなら体何とかしないと...」

 『...?どーいうことだ?』

 「だって向こうではまだ2年しか経ってないんだよ?なら、俺の年齢は14才じゃないとおかしい訳だ。それに髪の毛とかその他もろもろ...」

 『“白”!小難しい話は頼んだ!暫く冬眠するわ!』

 「おぃぃぃぃ!!自分だけ逃げるなっ!!あっ、魂の接続切りやがった...どうするんだよぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉ!!」


 ...こうして、アオトは帰郷することにした。

 

 約束の日まで、後1年。

やっとです!やっと修業編が終わりそうです!


後2~3話で修業編を終わらせて、学園編入ります。


今後ともこの作品をよろしくお願いしますm(__)m

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