18話
アオト、異世界である“レスト”にて、魔王討伐...討伐というか潰した。物理的に。必死に証拠隠滅をしている際、魔王の知り合いと思われる魔人に見つかる。そして、魔王の居場所を聞かれるが...
「カミラストスさん...?うーん、会ってませんねぇ。お役に立てず申し訳ないです...」
これでもかっ!ていうほど申し訳なさそうな顔をする。ふっ、これでばれることはないだろう。
サッ.........
「ほぅ、これを避けるか......」
「...いきなり何ですか?斬りかかるなんて失礼じゃないてすか」
「ふんっ!ワタシに嘘をついておきながら失礼とは。よく言えたものだ」
ありゃ、ばれてる。それにしても危ねえな...いきなり“抜刀術”使ってきやがったぞ。気を抜いてたせいか、避けきれなくて髪が何本か逝っちゃったよ...
「何を根拠にそんなことが言えるんですか?」
「ワタシは『審議の邪眼』を持っている。貴様が付くような低レベルな“嘘”など騙されるほうが難しいってものさ」
......邪眼か。いいな。格好いいじゃん。
「で?魔王様は何処にいるのだ?」
ギクッ
「...向こうにいますよ。嘘はついていませんからね」
「ふむ。...では、魔王様はご存命でらっしゃるか?」
おい。コイツ、絶対分かっててやってるだろ。この性悪女め。まぁいい。魔力も結構回復したことだし、復活させてこよう...ということで、ささーっと......
「おいおい、何処へ行こうってんだい?」
「いやー、ちょっとお花を摘みに...」
ブチブチッ
「ほれっ、花だぞ。良かったな、摘みにいく手間が省けて」
「......ありがとうございます」
...あれ?詰んだ?これ詰んだの?
いや、最悪の手段でこのまま戦闘を...鑑定。
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名前:カラミティ
年齢:??? レベル:830
適正職業:邪神
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...よし。取り敢えず土下座だ。DO⭐GE⭐ZA。
うん、これは無理。死んじゃう。
ズザザザザーー
「ふむ、いきなりなんだ?」
「も~しわけ御座いませんでした!!」
どうだ?許してくれるか?
「ということは貴様が...」
「はいぃ...落ちた所にちょうどいらっしゃったので...」
「あぁ、さっきの轟音は貴様が落ちてきた音だったのか。その後すぐに魔王様の魔力が消えたなぁ~とは思ったが...」
やばいよぉ...どんどんカラミティさんの顔が怖くなっていくよぉ...
「おい」
「はい」
「...魔王様は生き返るのか?」
「えっ?何でそんなことまで...」
「いいから答えよ」
なんだろう?また、邪眼かな?便利だなぁ...
「えぇーと、生き返ります」
「やれ」
「はい」
すたすたと、邪神様と魔王様の亡骸のところまで移動。その間、じ~~~っと見られました。なんだ?惚れたか?
ハッ!?この横から感じるジト目は...なんだろう。癖に...なんてもないです。
「ここです」
「これはまた...これはまた派手にやらかしたな、貴様。
まぁいい。よくあることだ」
よくあるのっ!?大丈夫なの魔王様!?
勿論、このツッコミは口には出さない。だって原因俺だし。なんか言ったら殺されそうだし。
でも、でもでもちょっとだけ.........闘ってみたい。負けるとは理性ではわかってる。でも、感情は別だ。俺は、コイツと殺し合いたい。体が、血が、そして魂が叫んでる。“こんな強い奴中々いないぞ。さぁ、殺ろうぜ”と。だが、今殺り合うと、確実に俺が死ぬ。“今じゃないんだ”と、必死に理性で押さえ込む。
ふぅ、禁断症状から抜け出せたよ。
「---おい、聞いているのか?さっさと魔王様を生き返らせてくれ。じゃなかったら......」
背中に、ゾクリと鳥肌が立つ。なんて濃厚な殺気だよ。あ、ちょっ、まて。禁断症状が...禁断症状がぁぁぁ!
「殺すわよ?」
「かかってこいよゴルァ!やってやろうじゃないか、アァン?」
ふぇぇえぇん!乗っちゃったよぉぉぉ!でも、大事なことは忘れない。
「あっ、その前に“死者蘇生”だけやらせて下さい」
「あっ、お願いします」
ペコリ
ペコリ
うん。互いを思いやる気持ち、大事。
魔王に手をかざして...
ぱぁぁぁぁ っというエフェクト&目映い光りと共に、魔王の体が再生されていく。とても幻想的である。
肉団子のようだったそれは、だんだんと人の形を作っていき、最後に子供程の大きさになる。
幻想的な光の中から出てきたのは...女の子であった。可愛いです。特徴的なピンクの髪をツインテールにし、ちょっとタレ目気味な可愛らしい目。小ぶりな鼻に、薄いピンク色の小さな唇。それはどれも芸術品のように完成された美しさであった。
うん。可愛い(結論)。
「魔王様~~~!!」
「きゃっ!......カラミティ様!?」
「心配しましたよぉ~~」
「...ごめんなさい。私、また死んじゃったのね」
「いえいえ、今回はあの人間(?)が悪ぅございますよぉ」
......ハッ!?ここは天国か?あっ、違った。残酷な現実だった。はぁ、百合百合な空間が広がってますなぁ...俺もあそこに入り...いやいや、俺は紳士だ。イエスロリータ、ノータッチなのだ。てか、なんで魔王様全裸なの?あ、俺が服ごとあんなの(肉団子)にしちゃったのか~。イヤーワルイコトシチャッタナー。
「キャアー!人間がいますわ!お父様達の恨み!ここで晴らさせて戴きます!」
「いえ、魔王様はあの人間に殺されたので恐らく無理かと」
「あれま、そうだったの...」
いや、あれまって...
「えぇーと、急に空から落ちて来たりして申し訳御座いませんでした」
「...カラミティ様?これは本当に人間ですの?ちょっと態度とか容姿とかいろいろ私の知ってる人間と違うのですけれど...」
「容姿は関係ないだろ!?容姿は!」
チクショウ!遂に魔王にまで“お前不細工だなww”とか言われたんだけど!
「魔王様、これでも列記とした人間ですよ。...ちょっと容姿はアレですけど」
「......ぐずん」
「まぁまぁ、元気出して下さい。その~。アレですよ。アレ。よく言いますよ。顔だけじゃないって」
「...すんっ、すんっ、邪神、魔王!覚えておけよ!必ず、ひっく、殺しにいくからな!」
うわーーーーん!
泣きながら何処かへ飛んでいくアオト。しかし、誰も着いていく者はいないし、ましてや慰めてくれる人なんて誰もいない。何故ならぼっちだから...
恐らくそう遠くはない未来、こういうことは何度もあるだろう。今後アオトはコレにどう立ち向かうのか、当面の課題はここであろう。
(絶対に強くなってやるぅぅ~~!)
心に誓うアオトであった。




