屋敷
目の前にそびえ立つ立派な屋敷。
イメージとしては、ホワイトハウスのような建物である。
広大な庭に、噴水、プール。
アメリカの大統領顔負けの、豪邸である。
「ここは、どこなんだ?グロチウスの家か?」
「ふぉふぉふぉ、こんなどでかい家など持っとりゃせんわ。知り合いの家じゃよ。」
愉快そうに笑うグロチウス。
まず、日本から出たことのないレンヤにとって、こんなに広大な敷地と、庭、どでかい家をははじめてみた。
門まで歩くのすら大変そうだ。
「そろそろかの?」
「なに…」
レンヤの言葉は最後まで紡がれることはなかった。
ドゴン!
鈍い音がなり、レンヤとグロチウスの地面が、陥没した。陥没した底には、無数の鋭利な槍のようなものがみえる。
ヒュン!
今度は、狙いすましたかのようにナイフが飛んできた。
この、落とし穴もナイフも全て、グロチウスにより、空中浮遊と魔力壁によって無効かされた。
こうしてる間にも、罠が次々と起動していく。
ナイフの次は、魔力の帯びた鋭い葉っぱ。気の根っこによる、しなる鞭のような攻撃。庭にある石像の兵士は動き始めこちらに向かってくる。
グロチウスが、手を前におもむろにふると、魔力の波動とも言うべき波が、360°に広がる。
すると、今まで止まなかった攻撃が、止まった。石像は、そのまま前に倒れ砕けた。
「ふぉふぉふぉ、なかなか面白いアトラクションじゃの。」
「何のために門があって、その門の前に呼び出し鈴があると思ってるのよ。」
「久しぶりじゃの、マヤ。」
「全然久しぶりじゃないわよ。先週会ったばかりでしょ?ボケにしても、酷すぎるわよ。」
「相変わらず辛いのう。」
この時、レンヤだけはマヤという女性がいることに、声をかけられるまで、気づいていなかった。
「あら、あなたが誰かといるのはめづらいしいわね。弟子でも取ったの?」
「うむ、そうじゃ。」
「意外ね。まあいいわ、用があってきたんでしょ?入っていいわよ。」
おもむろにその女性は、指を動かすと、破損箇所や罠が自然と戻っていく。
{ついてきて。」
マヤというじょせいのあとについていく。やはり屋敷の中は、外見と同じくらいきれいで、豪華な内装になっている。真っ先に目に入るのは、大きく高級そうなシャンデリアや時計、鎧の置物だ。
屋敷の中を通り、廊下の突き当りから、温室に来ている。木々に囲まれた部屋にとおされた。
「それで、私に会いに来たということは、何か頼みごとがあるんでしょ?」
「うむ。まずは、自己紹介が先だの。この小僧が、今代のゲートキーパーで名を、夕神 レンヤという。今日から儂のでしじゃ。」
「こんにちは、グロチウスの弟子になった、レンヤです。」
「そう、この子が今代のゲートキーパーなの。私は、マヤ。フロスト・フォーレストのマヤ・シーカンズ。マヤって呼んで。」
「はい、よろしくお願いしますマヤさん。」
「わしと対応が異なるのが気になるが…、まあいい。マヤに頼みたいのは、この子の戸籍を作ってほしい。」
「なるほどね。いいけど、少し時間がかかるわよ?」
「うむ。ちょうどいいから、ここで少し魔法の鍛錬をしていくから、時間は気にせんでも大丈夫じゃ。」
「それは構わないけど。服とか、生活必需品ぐらいそろえてあげなさいよ。」
「そうじゃな。」
「じゃあ、レンヤ君。一緒に街に行こうか。」
「あ、はい。」
流れに流されるまま、今後の予定が決まっていく。




