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B world  作者: 新井正一
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帰還

最後の階段は、数分で下り終えることができた。

爺さんの言っていた通り、この広場の真ん中にポツンと、白い光を放つオーブが置いてある。

オーブの置いてある台の下の地面には、大きな魔法陣が描かれている。


「ここか、にしても近づいていいのかな?」


周りにもモンスターは現れづ、先ほど戦ったばかりの巨人も自分がラスボス的なことを言っていた。

しかも、罠だとしたら露骨すぎるほどにしっかりと書かれた魔法陣。今の自分ではどういう効果があるかわからない、高度な魔法陣なためより一層、警戒心が上がった。


「はぁ、爺さんもっとちゃんと説明しといてくれよ。仕方ない、か。」



周りには階段らしきものは感じず、また新たに階段が現れる様子もない。

覚悟を決め、魔法陣の上に足を踏み出す。


ピカーーーー


「うっ…」


床の魔法陣に呼応してオーブが輝きだす。その光は次第に部屋のすべてを飲み込み、レンヤの視界からオーブ以外の壁も天井もすべてが消えた。

周りも変化しているのだ。



(やあやあ、修練のダンジョンのクリアおめでとう!いやー、人がここのダンジョンに訪れるのは何年ぶりだろーな。)

「誰なんだあんた?」

(僕かい?僕はここの持ち主ってところかな、今代のゲートキーパーくん。)

「…!?」


突如目の前に現れた、白い光でかたどられた人の形をした何か。


(うんうん、いい反応してくれるねー。ま、僕にかかればこの世界のことなら、何でも知ってるからね。僕の耳にはいろんな情報が集まってきちゃうんだ。)

「なら、俺が帰るにはどうしたらいい?」

(今の君が帰ったところで、何ができるんだい?確かに君は魔力量が圧倒的に多い。でも、魔力の量が多いのと、多くの魔力を操るのとじゃ、意味合いがまた変わってきちゃうよ?事実、表で君の帰りを待っている爺さんには、実力は遠く及ばないだろうね。)

「ああ、確かにそうかも…」

(そうかもじゃない、そうなんだよ!それに、この世界できちんと実力をつけておいたほうがいいよ。この世界は、向こうの世界よりも人口は多いし、広い。戦闘能力も、たった一人で戦争の明暗を決めかねない実力者もたくさんいるのさ!)


頭の中に流れ込んでくる映像。

そこには、圧倒的不利な人数の兵士を従え、理不尽なほどの暴力という猛威を振るう男。

大地が、空が悲鳴を上げるほどの魔力の嵐とでもいうべき力を使う、賢者とでもいうべき雰囲気を纏う老人。

圧倒的力や、魔力をまとい、火を噴き、地面を砕く最強の生物、ドラゴン。


これをみて、普通の人は恐怖に身をすくめてしまうのだろうか?

だがレンヤは、この映像を見て、この圧倒的実力者たちに自分の全部をぶつけたい、そう考えていた。


「ああ、確かに心が躍るな」

(だろ!君は話が分かる!僕に似てるのかもしれないね!)

「やめてくれ。」

(ははは、まぁいいさ。君はこれから迎える激動の時代の、歯車にくみ込まれているんだ。この世界でメインキャストにふさわしいかが最初に問われる。そして、最後に立っていたものがいがたら、そいつこそが、この世界の主人公となれる。つまり、人だろうが、魔族だろうが、ドラゴンだろうが、種族は問わないのさ。求めるのは強さだけ!)


レンヤは、白い人の形をしたものと似ているか?の質問の答えにNOと答えた。しかし、いま、この瞬間二人の施行は確実に、同じだ。激動の時代、英雄の戦い、表面だけ見ればかっこいいと思うかもしれない。しかし、実際はどれほどの犠牲が出るかわからない戦争、もっと言えば、殺し合いなのだ。しかし、その内面も含めて、この二人?は、目を輝かせこの激動の時代を想像している。


(君は世界を旅し、仲間を、部下を手に入れ運命に身をゆだねろ!そうすれば、運命の流れは君中心に流れ出す!)

「結果的に、俺はより強くなれるのか?」

(ああ、ただ死ぬかもしれない。過酷な毎日が待っているかもしれない。死んだほうがましと、思うかもしれない。でも、そのすべての要素が君を強くする!さぁ、どうする?)

「ああ、この世界を旅するさ。」

(死ぬかもしれないよ?)

「いや、俺は死なねぇ。そして、俺は強くなる。」

(いいね、期待どうりの言葉だよ。そんな君にこれは、プレゼントだ。)


レンヤの目の前に本が現れる。5冊の本だ。


「これはな…

(さぁ、話はこれでおしまいだ。君の運命に、未来に幸あらんことを!ディスペル・リバース!)

「ちょ、待てって…


光が再びレンヤを包む。

視界が真っ白となり、徐々に真白だった世界に色付けがされていく。


「ふぉふぉふぉ、だいぶましになって戻ってきたようじゃな。」

「ああ、なかなかな修練だったよ。」

「そうか、今日は帰って寝るといい。」

「…」


そういってきた道を帰り始めた、爺さんの背中に修練で使えるようになった属性のバレットすべてに雷を纏わせ発射する。続けざまに、巨大な鉱石で固められたバレットも打ち出す。


「ブラックロック・レールガン」


ドゴォン

大きな音とともに、大地がえぐれ形を変える。


「…」

「懲りないのう、そこじゃないここじゃよ。」

「ああ、知ってる。」

「…!?」


レンヤは、声が聞こえると同時に、トラップの魔法を発動。

確実に爺さんが、トラップにかかった。


「ほう、成長したのう」

「ブラックロック・レールガン」


ドゴォ

あたりに舞うのは、土や、岩のかけら。


「手ごたえあり…!?」

「ふむ、なかなかじゃな。」


煙の中に立つ人影。


「冗談にしても、笑えなさすぎだっ…!?」


その光景を最後にレンヤは気絶した。

今回は長すぎました。

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