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積まれた木箱の中身は、釘やロープやまだ未裁断の革や布だったり、調味料や酒だったり……村で使っている消耗品だった。
村が定期的に配達してもらっている物だが、新たに加わった傭兵たちが加わったこともあって、少々消費するペースが増えている。
もちろん、あの村だけでも十分稼げているそうだし、購入する資金が足りなくて困っている……なんてことはないんだが、だからといって大量に貯めこんでいるわけでもない。
ある一定量を切ったら街から購入する……って方法を採用しているんだが、最近は消費ペースが増えたことでその購入頻度も上がっているそうだ。
街はすぐ近所ではあるが、それでも大量に物資を積んで街道を移動するのはリスクがあるし、ビーンズ家としては頻度は元に戻したい。
だから、貯めこむ量を増やして購入する頻度を下げたい……となったらしい。
その際に、基準点も上げるそうだが、物資の総量を増やすことでコントロールをするし、どちらも問題ないそうだ。
ちなみに……元々は傭兵たちの物資は外の拠点に保管する予定だったんだが、ちょこちょこ魔物や獣が襲ってくるため、それらも村の中に保管しようとなって、それなら一緒に村の備蓄として処理しよう……となったのが直接の原因だ。
肉体労働をする健康な男性が十何人も増えたんだし……どうしてもこれまで通りと行かないのは当然だろう。
一緒に処理してもらえるのは、それだけ傭兵たちと村との距離が縮まってきた結果だとも考えられるが、この問題をどうにかしないと、また逆戻りしかねないし、早急に対処してくれるのは助かるな。
この消耗品類が馬車二台分あって、一先ずそれを引き上げる基準分に充てるそうだ。
村の管理問題になるからボクが関わることはないが、倉庫代わりに使えそうな建物は村にはいくつもあるし、そこに丸ごと突っ込んでしまったら処理も楽だろう。
まずは村の備蓄用の消耗品類をチェックし終えて、今度はオオカミの方の道具が並べられた場所に移動する。
「……随分色々と揃えたんですね」
品類だけを見るなら、要はケージやブラシや爪や牙などの手入れをする飼育道具だったり、栄養補助の食品だったりなんだが……イヌやネコのような小さなペットとはわけが違う。
そして、家畜とも当然違う。
栄養補助の食品は……子供くらいなら入ってしまいそうな袋とサイズこそデカいが、まぁ……内容は理解出来る代物だ。
何でも、軍馬や家畜……そして、あのオオカミと同じで従魔として扱われている魔物用としてビーンズ家の商会が扱っている品物を持って来たそうだ。
好みや合う合わないの問題はあるから、必ずしも全部が全部使えるかはわからないが、一先ずそちらに関してはどれも理解出来る物ばかりだ。
問題は飼育道具の方だ。
軍馬や家畜や魔獣や……力が強い生物を対象にしている物だからなのか、とにかく一つ一つが仰々しいというか作りがゴツイ。
ケージは組み立てられておらずパーツに分けられているままだが、人間用の牢屋よりも頑丈そうなパーツばかりだ。
力を考えたらそうなるのも仕方ないのかもしれないが……こんなものも取り扱っているんだな。
檻は四畳くらいの大きさで鉄棒と鉄板で組み立てられるようだが、そこにさらに外側を木の板で囲うことで、周囲の視界を遮ることが出来るそうだ。
デリケートな獣でもリラックス出来るように考えられている。
他の道具も実績がある物ばかりなんだろうな。
ボクが一つ一つを手にとってはじっくり観察していると、後ろから祖父が声をかけて来た。
「どうかな? 私はまだ君のオオカミを見ていないが……一通りウチの商会で評判の高い物を集めたつもりだよ。使い物になりそうかな?」
「うーん……ボクもオオカミがどんな暮らしを好むかとかわからないし、なんとも……」
折角の好意なのに申し訳ないが、こればかりは実際に使ってみないとわからないよな?




