表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アリスはくじけない!  作者: 青木紅葉
第四章・活動するぞ! 群狼戦士団!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

222/241

222

 戦闘から一旦距離を取れと言われたボクは、門の側まで下がって来た。


「アリス団長、武器はどうされますか?」


 リチャードたちとの会話は距離があったから聞こえなかったようで、従者がいくつかある籠を指して、次の武器は何にするかを訊ねて来た。


 ちなみに、元々彼が持っていた籠は一つだけだったんだが、ボクが彼から武器を供給されていることを知った向こうの隊が、こちらに予備の武器を置いて行ったため、今では四つも並んでいる。


 見たところ同じデザインの武器ばかりだし、騎士団の支給品ってところかな?


 性能も大差ないだろうし……どれを選んでも変わりはなさそうだ。


 ともあれ、従者の言葉にボクは首を横に振った。


「少し離れて休んでいろって言われたんです」


 ボクはそう伝えると、門すぐ横に歩いて行く。


 西門と……と恐らく東門も、主要な街道と繋がっているから人の往来も多いし、それに相応しい頑丈な造りになっているが、北門は西門に比べるとずっと地味な造りになっている。


 だが、門を保護するためなのか、庇のようなものは設置されている。


 高さは……五メートルちょっとくらいかな?


「ふぅ……ほっ!」


 呼吸を整えると、ボクはその庇に飛び乗った。


 無断で街壁に飛び乗るのは流石にマズいだろうが、ここくらいなら別に構わないだろう。


「さてさて……?」


 ボクは少し背伸びをして、魔物との戦闘が繰り広げられている場所に視線を向けた。


 先程までは街壁側で戦っていたが、少しずつ街壁から離れて草原の方にズレて行っている。


 その指揮はリチャードが執っているみたいだ。


「戦い方を変えるみたいだけど、どういう意図なんだろう?」


 止めを引き受けていたボクが離脱した影響はあるのかもしれないが……開けた場所で戦いやすそうなのに……。


「うん?」


 リチャードの隊とは別の、重装備の隊の騎士たちが距離を取っていることに気付いた。


「さっきまではもっと狭い範囲で戦ってたのに……むしろこっちが本来の戦い方なのかな?」


 確かに突撃をするなら、速度を出すために加速する距離がある方がいいだろう。


 先程まではボクがメインで倒していたから、リチャードたちと一緒に魔物の足止めを行っていたからな。


「……お? 一体倒した」


 そのまま眺めていると、突撃をした騎士の一人が大型の魔物の胸を槍で貫いていた。


 大型はそのまま後ろ向きに倒れていき、そのまま起き上がらない。


 仕留めたんだろう。


「アリス団長! どうなっていますか?」


 従者の彼が下から戦況を訊ねて来た。


 戦場が遠ざかっていくことで、地上にいる彼からは状況が把握出来なくなっているんだろう。


「今、もう一つの隊の人が一体倒しましたよ。距離を取ってから突撃してるみたいです!」


 彼に説明をしながら、見たままを口にしただけで何の解説にもなっていないことに気付いた。


 よくよく考えると、人が戦っている姿をまともに眺めるのは、以前エリーゼ様が襲われた際に近くの村の建物の上から見たのと今回で二回目だし、集団での戦闘の勉強もしたことがないから、人に伝えるための知識を持っていない。


 それに、距離が離れたことでだんだんボクも見えなくなってきている。


 街壁の上からならともかく、ここじゃそろそろ限界が……。


「ん?」


「どうかしましたか!?」


「アッチ……見えますか? 何かが走って……」


 ボクはリチャードたちが戦っている場所から西に離れた草原を、黒い何かが走って来ている。


 速いし……大きいし……アレは……。


「アレは……オオカミですよ! あの大きさは魔獣です! 戦いに引き寄せられたか!?」


 従者が慌てた様子で伝えて来る。


「コレを避けるために森から離したのにね……まぁ、一頭だけならマシなのかな?」


 ボクは庇から飛び降りると、従者の下に向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ