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「……朝だっ!」
目を覚ましたボクは小声でそう呟きながら、ベッドからスタっと飛び降りた。
窓を開けて外を覗くと、もう薄っすらと明るくなってきている。
天気もいいし、この分ならすぐに明るくなるだろう。
「……おや?」
微かに外……裏庭の方から声が微かに聞こえて来た。
決して大きな声で喋っているわけではないようで、聞いただけでは男女もわからないくらいだが、エリーゼ様がわざわざ裏庭でここまで聞こえるような声で喋るかっていうと……そんなことはないだろう。
ってことは、ジェイクたちか。
「昨晩はあれからどうなったのかは知らないけれど……今日も真面目に訓練に出て来ているみたいだね」
昨晩書庫から戻って来る際に廊下で会ったジョンの様子を考えると、一昨日同様にひと悶着あってもおかしくはなかったんだが……流石に連日はなかったかな?
何にせよ、やる気があることはいいことだ。
ボクは軽くベッドを整えると、机の上に置いていた仮面を手に取って部屋を後にした。
◇
「……あれ? なんか増えてない?」
裏庭ではいつものジェイク一派が集まっている……と考えていたんだが、確かにジェイク一派はいるものの、彼ら以外にも何人もの新顔が集まっていた。
何を話しているのかはわからないが、ジェイクの前に集まって彼の話を真剣に聞いているようだ。
ジェイクと同年代らしき男性が二人に女性が三人。
誰だ?
「団長か……」
裏庭に入って来たボクに気付いたジェイクが、ボクの方を指して何かを彼らに向けて指示したかと思うと、彼らはこちらを向いて揃って礼をする。
「お早うございます! アリス団長!」
「あ……うん。おはよう」
こちらを向いたはいいが、すぐに頭を下げてしまったため顔はほとんど見えず、結局彼らが誰なのかわからないままだ。
「……誰?」
「ああ、アンタは別に覚えなくてもいい。俺の仲間で、訓練に一緒に参加したいってしつこいから連れて来ただけだ。邪魔にはならないから構わないだろう?」
紹介はしてもらえなかったが……何となく彼らが何者なのかはわかった。
何となく振舞いから真面目そうな雰囲気を感じるし、一昨日夜に広場で騒いでいた連中とはまた別のグループなんだろう。
「別に何かを教えているってわけでもないし、勝手に集まって体を動かしているだけだからね。好きにしてもらって構わないけど……怪我とかには気を付けてよ」
「わかっている。お前ら! 聞いたなっ!?」
ジェイクの声に、彼らは揃って「はいっ!」と返している。
早朝なのに元気なことだ。
またジェイクの下に集まって話をしている。
親世代からは過去の件もあってあまり評価は芳しくないが、何だかんだでジェイクは村の若者を纏めきれてはいるようだ。
ボクがその様子を眺めながらストレッチを行っていると、屋敷の裏口からエリーゼ様が姿を見せた。
服装は昨日と同じパンツスタイルだが、長い髪を後ろで一纏めにして動きやすそうになっている。
「お早うございます。アリスさん。……今日は新しい方たちも一緒なんですね?」
エリーゼ様もやはり増えているメンバーが気になるようで、こちらに声をかけながらも、彼らに視線を向けている。
「ジェイクの仲間で、邪魔はしないから訓練に参加させて欲しいって。構いませんか?」
「ええ。元々私は指導出来る身ではありませんからね。サラなら多少は新人の指導も出来るのですが……」
そう言うと、サラさんが利用している家に視線を向ける。
ボクもそちらを見るが……窓は閉まったままだし、起きている様子はない。
「サラは私の仕事の手伝いだけではなく、日中はヨーゼフとカイルの分も引き受けていますからね。休めるうちは休んでもらいましょう」
エリーゼ様はそう言って笑うと、同じくストレッチを開始した。




