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「幼馴染がグイグイ来るけど、お前もどうせフリなんだろ!」  作者: 替玉 針硬


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4/7

第4話「幼馴染にめっちゃ絡まれた」

彩葉の指示の下、影山くんに話しかけまくって、嘘しかないクズ男アピールをしまくったことで影山くんが何故か本気になってしまい、俺から彩葉を奪う宣言をしてから数日。


影山くんが俺を一方的にライバル視し、突っかかってくるようになり、さらに彩葉に話しかけているようになり、彩葉と影山くんの仲や現彼氏である俺と立場など、いろいろな事が噂となっている今日この頃。


ぶっちゃけ、俺は影山くんからのライバルアピールを軽くあしらいつつクズ男ムーブをキメていたのだが、彩葉により俺が"自分の女を奪おうとしている男がいるのだからもっと喧嘩腰にならないとクズ男失格"という意味不明な指摘を受け、こちらも自分の彼女を取られないように影山くんとバチバチ、謎の対決をしまくる羽目になっている。


なんというか、彩葉と別れた後の俺のイメージが最悪じゃない?もう再起不能じゃない?大丈夫これ?両親に相談して転校させてもらおうかな?ねえお父さん、突然会社から転勤を言い渡されたりしないかな?しないか。しないね。


「はあ…」

憂鬱な気分を隠しきれずにため息を漏らし、そのまま机に突っ伏した。


「…アキ、アキってば」

天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。

誰だ俺のことを呼ぶのは。

大体、『アキ』なんて誰の了承を得てそんな馴れ馴れしいあだ名で呼んでくるのはどこのどいつだ。そんな呼び方をしていいのは真由希くらいだぞ。


「ねえアキ、無視しないでよ」

「あ、マ…カミヤ」

「私、そんな名前じゃないんだけど」

「かみまみた」

マカミヤ真由希ちゃんでした。

あの疎遠になった過去回想なんだったの?ってくらい普通に話しかけてくるんだけど、一体どうしたんだろうかこの幼馴染は。こっちは気まずくて仕方ないんだけど。


「どうした?なんか用か?」

「…ちょっと、話があるの」

「あー、場所…変えるか?」

「…うん」


と、言うことでいつもの屋上階段の踊り場…に来たんですが、今回は彩葉じゃなくてまさかまさかの真由希が話の相手。


「そ、その…話って?」

「アキ、私"知ってる"の」

知ってる?果たして、真由希は何を知っているんだろう。ちょっと考えてみよう。


1.影山くんが彩葉にお熱なこと。


2.俺はラーメンの麺の硬さはバリカタが好みだということ。


3.替え玉する時はあえてカタくらいにしておくと、バリカタに近い食感になるってこと。


4.俺が密かに推しているアイドルの写真集の発売が決まったこと。


5.俺が中学時代、疎遠になるまで真由希のことを好きだったこと。


うーん、やはりこの中で有力なのは2か3だろうか。1に関しては周知の事実になりつつあるし、わざわざ言うまでもなかろう。

2か3であれば、真由希なら親同士の会話からもしかしたらそんな情報を仕入れているかもしれない。

4だったら恥ずかしいな。親にもそのことは伏せている。机の引き出しの中に推しがグラビアで登場している週刊誌をこっそり隠していいる程などで、その情報が流出しないように心がけてはいるのだが…。

まさか、5のパターンもあるか?いやないだろう…う、うーん


「アキと薬院さんの"本当の関係"。知ってるの」

「へ?」

完全に予想外だった。いやいや、なぜ知っている?どこで知った?俺たちの会話が盗み聞きされていた?いやそんなことをするほど真由希が暇なヤツだとは思えない。


「えっと…何の話?言ってる意味がよくわかんないんだが…」

とりあえず、死ぬほどすっとぼけてみた。さて、真由希はどう動くか…?


「別に隠さなくていいよ。私、薬院さんに聞いたんだ」

「…へ?」

流出経路、予想外すぎた。あの人なにしてんの?やりたい放題なの?

はい、というわけで真由希のお話を聞くことに。


「…アレ、ホントなのかなあ」

アキとクラス1の美少女と呼ばれるくらい人気のある薬院さんが付き合っているということをどうしても信じられない!

いや、どうしても信じたくないのかも。信じたくない!私の方がアキのことを好きなはず!薬院さんよりずーっと先に、私の方がアキのこと好きだったんだから!


ただ、アキと薬院さんの様子をよく見てみると、あまりイチャイチャしている様子がない。

付き合いたてのカップルって、周りの目なんて気にせずイチャイチャするもんなんだと思ってた。なんでもっとイチャイチャしないの!?アキはそういうことに興味が無いの!?それとも、アキはそういうことに興味はあるけど薬院さんの方が…なの!?薬院さん、アキに冷たいんじゃないの!?もっとアキに優しくして!!なんなら代わりに私がアキとイチャイチャしてもいいんだけど!?いやそんなことしちゃダメだよ、何考えてるの私は!


でも、アキと薬院さんってなんだかカップルにしてはおかしい点が多い気がする。

昼休みは二人でお弁当を一緒に食べてるけど、全然会話してないし、会話してるにしてもお互いへの好きが溢れ出てる会話も全然してないみたい。


付き合って何年も経つカップルなら、別にそれもおかしくないと思う。けど、アキと薬院さんが付き合い出した…と言い出したのは最近になってから。1年の頃は会話してるところなんて見たことない。話しかけられはしなかったけど、アキのことはずっと見てたもん。


アキに直接問いただすのは…難しい、かな。中学のあの時以来、私はアキにうまく話しかけられない。アキから避けられているような気がするし…。


だから私は、薬院さんに本当にアキと付き合っているのかを問いただすことにした。


「薬院さん、ちょっと話…いい?」

「ええ、構わないわよ」

「…ここじゃちょっと」

「あら、そうなの?では、場所を変えましょう」

薬院さんは、屋上の階段の踊り場に私を連れて行った。なんでここなんだろ?


「…ここ?」

「燦斗くんが私と内緒の話をする時なんかによく利用している場所よ。ここなら人もあまり来ないし、大丈夫よ」

薬院さん、アキとここでナイショの話してるんだ…ナイショの話ってなに?教室では言えないようなことってコト?なに、いやらしい話!?さ、最低!アキのバカ!変態!


「燦斗くんの名誉のために補足しておくけど、人には言えないようなわいせつなトークをするためにここを利用している訳じゃないわ」

「べ、別にそんなこと思ってないよ!」

ど、どうしてわかったの…!?この人、エスパーか何かなの!?"みやぶる"使えるの!?いや、そんな訳ないか…。


「…じゃ、じゃあどんな話してるの?」

「あら、気になるの?燦斗くんが私とここでどんな話してるか、気になる?」

「べ、別にそういうわけじゃ」

「あら残念。素直に話してくれたら教えてあげたのに」

むむっ…なんか、薬院さんのペースにのまれてる気がするんだけど、気のせいかな?


「それで、話って何かしら?」

そ、そうだった。本題に入らないと!


「薬院さんとアキって本当に付き合ってるの?」

「…あら、あなたにはそう思えない?それとも、そう思いたくないのかしら?」

「…そう思えない、だけだよ」

「あらそう。ちなみに、どの辺がそう見えなかったのか教えてもらえる?今後の参考にさせて頂きたいの」

「え、え…?昼休みに一緒にご飯食べてる時に会話なさすぎなとことか、学校から一緒に帰ってる時とかに手繋いだりイチャついたり全然しないとこ、とかかな」

「…私たちのこと、よく見てるのね。いや、燦斗くんのことをよく見てるのかしら?」

「な、なッ!?そんなんじゃ…」

「自分の気持ちに嘘つく必要なんてないのよ。私たち、本当は付き合ってなんてないんだから」

「…へ?」

「私たち、本当は付き合ってないのよ」

「へ!?どういうこと!?付き合ってないの!?」

「だからそう言ってるじゃない」

「な、なんでそんなこと…アキを騙してるの!?」

「いいえ、燦斗くんからも了承は得ているわ。こうなったきっかけから説明すると…」

薬院さんから教えてもらった内容、正直何を言っているのか分からなかったけど、アキは薬院さんの目的に渋々協力させられてることがわかった。

それも、アキの薬院さんへの好意を利用してるってことでもないみたい。

つまりは、アキは薬院さんのせいで変なトラブルに巻き込まれてるってコトだった。


「…ということで、薬院さんから教えてもらったの」

「アイツ何してんだマジで」

なに勝手にベラベラ喋ってんの!?自分が秘密を暴露するのは良いのかよ!なんなんだよ!!


「あら、ちゃんと目的あってのことよ」

「い、彩葉!?いつからそこに」

「あなたたちが一緒に教室を出ていったのが見えたから尾行て来たの」

「ナチュラルに怖いことするのやめろ。で、目的って?」

「高宮さんにも、私が影山くんとくっつくために協力して欲しいの」

「「へ?」」

「あ、アキ…薬院さん何言ってるの」

「知らん知らん怖い怖い」

ということで、真由希もこのトラブルに巻き込まれてしまうのであった。本当にごめんな、真由希…。

別サイトに掲載していた続きをこちらに投稿し忘れていたので、今更ですが……

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