泉の王
小さな生き物たちはノフスが嫌いだった。
そしてその子どもも、シェラから生まれた奇妙な生き物たちのことも。
シェラの産んだ命は、影のように揺らめいてとても生き物とは思えなかった。
その事をヴィトアに話すと、ヴィトアはシェラとノフスに小さな生き物が怖がっている事を素直に伝えに行ったのだった。
しかしそう言われてもどうしようもない。
ノフスが悩んでいたある日、泉がブクブクと泡立って巨大な男の上半身が現れた。
それはシェラの双子であり、今まで気づかれなかった子であった。
シェラの子どもたちは彼に懐いていたので、ノフスは彼を水の王とし、シェラの子らの統率を任せた。
そしてヴィトアに小さな生き物を任せ、二つがなるべく折り合って暮らせるように取り計らったのだった。
アルスはそれまで、自由であった者どもを纏め混沌の中でも秩序と理を与えた。
それは時がくれば死ぬ定めであったり、死の際は泉に還ること、オドアの約束と同じように彼らにも求めた。
そして小さい生き物が、オドアに還り生まれてくるのはそのままにして互いに良き友であることを呼びかけた。
シェラの子どもたちは、小さな生き物たちが困らないように、今までの暴風や水を返して遊ぶのをときおりに抑えた。
ヴィータの風に合わせて白い氷の粒を降らせてみたり、暖かな雨を送ったり、大きな水たまりの寄せては返す穏やかな波を与えたりした。
その心休まる場所を見てノフスは空に帰ると地上を見守る事に決めた。そしてその温かさが永遠に続くことを願った。




