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銀の大地ー神話・伝承群ー  作者: すけろくこぞう
ロンラディム神話
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黒蛇の訪問

 黒蛇は幼くして蛇たちを束ね、オドア(大地)に変わってノフス()に進行を止めるようにお願いしに行った。

 最初こそ聞き入れなかったノフスであったが、意図せず生まれた可愛い息子の願いとあれば聞かないわけにもいかず。


 こうしてノフスの侵略は止んだのだった。


 それからオドアと和平の契りとして婚礼の儀を交わし、期せずしてノフスはオドアの夫となった。

 義理の息子のマヴィナとソルスラは決して認めなかったが次第に慣れると以前のようなノフスとの諍いはなくなったのだった。


 ノフスは新しい家族たちに不思議な宝を分け与え、鷹には詫びの品として美しい白銀の石を与えた。

 お返しにマヴィナは彼の左目にソルスラは彼の右目となって、オドアはそのささくれだった表層の1つをノフスに渡した。


 ヴィトア()は息子のヴィータ()を彼の元に遣わせて、ノフスは快く彼を迎え親睦を深めた。

 功労者である黒蛇には皆から称賛が与えられ、母であるオドアに蛇たちの王という意味のアディムの名を賜った。

 そして父からは無償の愛と共にアディムの一族たちに特別な力を与えた。


 それは遠く離れても父であるノフスが彼らを見守っているという証であり、同時に彼らがノフスの手先であるという意味であった。

 アディムの瞳にはその日から黄色い星が宿り、その目は遥か遠くまで見通した。

 そしてその先はいつもノフスに繋がっており、父の温もりは必ず側にあるのだった。


 ヴィトアが心配していたよりもノフスはずっと温厚で、一度懐に入って仕舞えば情深く接する2つの顔を持つ者であった。

 オドアを襲ったときとは打って変わって、何処までもなだらかなその海は、底知れぬ色と同じくらいに広い心がある。


 大鷹ヴィトアの深い智慧にノフスも関心し、この2人はいつからか友人だった。


 しかしヴィトアの息子ヴィータと他の鷹たちはそれを良く思わず、その背に乗る住人たちも不満そうであった。

 もちろんヴィトアはそれに気づいていて、なんとか宥めようと説得をしていたから誰も手を出したりしなかったが、ヴィータの爪は鋭く光ったままであった。



 またノフスには他に子どもがおり、それが大口の化け物ビグと闇夜の翼のディアンであった。

 ディアンの子どもは烏と呼ばれ忌み嫌われもしたが、中々茶目っ気に溢れヴィトアには劣るが物知りでもあった。

 ビグは仲間意識が強く、ノフスに忠実であったため父が決めたことに逆らいはしない。


 つまりこうしてオドアに平穏がやってきたのだ。

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