地竜
始まりは一つの胎。
生まれたものは長く永い体を横たえると、大地となった。暫くして寂しくなると、大地の皮膚が少し盛り上がり、小高いコブができるとそこから同じような、しなやかで柔らかいモノが生まれる。
それは大地の子どもであり、最初の生き物であった。
まだ寝ていたいモノが埋まっていると、その体は徐々に硬くなり、いつしか大地の皮膚を突き破ってオドアの上の方に伸びていく。
そうすると決まって美しい花をつけ、最後は甘そうな匂いのする実になったのだった。子どもたちは喜んでそれを口にし、木となった子もそれを見て嬉しがった。
いつしか木の下には四つ足の生き物がやってきて住むようになっていた。見知らぬ来訪者に子どもたちは喜び、歓迎した。木の実は彼と彼の子どもたちのために残すことにしたので子どもたちは長い空腹にも耐えられるようになっていった。
けれどそれも長くは続かない。
空腹は限界に来て、何より四つ足の子どもたちはどんどん増えていった。その頃には色んな生き物が寄り合っており、これは良くないと話し合うようになった。
始まりには終わりがあったと一人が言うと、そうだそうだと声が上がる。
だからオドアの子は、増えすぎた命を刈り取る役目を担うようになった。そうして食事にもありつけた。今まで仲良くしていた隣人の命を奪うことはつらかったが、隣人たちは喜んでその命を捧げたのだった。
そうして過ごすうちに、それが当たり前となった。そして今では、言葉ではなく心として受け継がれる。けれど、悲しいかな。オドアの子の牙は鋭く、体に刺さる痛みは恐怖として刻まれるようになってしまった。
それでも一部の心身深い者たちはそれがどんなに素晴らしいことか、いまだに覚えている。




