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ギフテッド 大きなコンドル

「皆揃ったな。では出発する」


 アルカ先生の一言で一行は屋敷を出た。ノールダムまでは険しい山をいくつも超えて、徒歩では数ヶ月を要するらしい。一人ひとり転移魔法を使って4回往復する手もあるが、帝都までの転移トンネルとは違い大きな魔法の痕跡が残ってしまう……別の方法でノールダムに向かうという。


 ミスルの街を出ると鬱蒼うっそうとした深い森に入った。帝国領内では滅多に見られない魔獣や魔物がいるらしい。見るからに何かが出てきそうである。


「アルカ先生、これ街道なのですか?」


「滅多に人は通らないからね。道は私が作ったが整備されてない〜昔は2日位かかったが、この道作ったから半日くらいで抜けられる。そして日が落ちる頃には目的地へ着くから」


「そーですか……アルカ先生ともお別れになりますね。とっても寂しいです」


「またすぐに会えるさ。シオリはノールダムでちゃんと勉強しろよ。様々な学校行事があるから、時間があったら観に行く」


「約束ですよ!」


 シオリのノールダムへの旅はこれで終わりを迎える。旅を共にしたお姉さん方とも一旦お別れ。思えば遠くまで来たものである。


 昼を挟んで更に深い森へと入っていく。街道からは外れて進むと木々が一層高くなり道はない。更に進むと……大きな絶壁が顔を出した。断崖を進むと、洞窟がある。


「カナタ、久しぶりだな。ここに来るのも」


「カイル様に聞いたことあるけど、ギガントコンドルにとって4年って私達の10日くらいって。それなら忘れてることはないね」


 洞窟の横に大きな鳥の巣みたいなものがある。その横で話をしていたときであった〜大きな物体が空を覆う。シオリは腰が抜けそうになった。


「ミーミーちゃん!」


 大きな翼を持った鳥、アルカ先生に飼いならされているのか……凄い! カナタ様も鳥の首の所を撫でている。


「よーし、みんな乗るぞー」


「この猛獣に乗るのですか?」


「ヒナコよ、この子は猛獣でも魔獣でもない。ミーミーちゃんって名前のギガントコンドルだ。仲良くなると何も言わなくても目的地まで運んでくれる、賢いコンドルだ」


 シオリは大きな鳥の目を見た。何故か鳥もシオリを見ている。別に何かを話かけられてる事もないが、翼の肩のあたりに乗って欲しい、という感情が湧き上がってきた。


「アルカ先生、この鳥……いやミーミーちゃん、肩に乗って欲しいみたい…………」


「そうか。そうしてあげてくれるか? シオリ、ミーミーちゃんは首のところ撫でられるのが好きだから、飛んでるときは撫でてやってくれ(笑)」


 アルカ先生は嬉しそうに話す。そしてシオリはミーミーちゃんの肩に乗った〜大きい! フカフカの布団に包まれているみたい。


「アルカ先生……あの、飛行中に落ちたりしませんか?」


「大丈夫だよ、もし落ちてもミーミーちゃんが助けてくれるから だよなカナタ(笑)」


 カナタ様は笑っている、落ちた事があるらしい。



 全員がミーミーちゃん乗った。シオリは肩に、その他は背中に。


「よーし、みんなちゃんと掴まって! ミーミーちゃん、じゃあお願いね♡」


 アルカ先生がそう告げるとミーミーちゃんは大きな翼を広げた。そして急上昇する〜目も開けられない。凄まじい風と寒さ、シオリは咄嗟に保温魔法を自分にかける〜そして目を開けた……そこは大空、前方には山々が連なり、ふと後ろを見るとミスルの街が小さく映る〜シオリは感動した。



△△△△△△△△△△△△△△△



「マリア先生、予定だとそろそろでしょうか」


「そうねアルカやカナタとは4年ぶりかぁ。再開したらとりあえず女子会ね! マルンとミルも強制だからっ!」


 アルカから連絡がきたのは2週間前、ギフテッドを2人連れてくるという。レベルは……会ってからのお楽しみだそうだ。


「アルカ様が連れて来るギフテッドはマリア先生のクラスにしておきました。4月からの新入生はレベル高そうで期待持てますね」


「いい時期に学園長に就任したわね(笑)」


 マルンは紺のスーツスタイル、今までとは違ってスカートの丈も長い。ボーイッシュな髪型でメガネをかけている、獣人の血を引いているので背は小さい。4月からこのノールダム女学院の学園長に就任するが、まず格好から入っているようだ。


「だって、13歳が入学してくるってことは……そういう事でしょ(笑)」


「そうですね」


 今年の新入生は飛び級で13歳が7名も入学してくる。その他、年齢不詳で凡そ13歳という生徒も含めた特別クラスをマリアは受け持つことになっている。


「マリア先生、学園長、来ましたよ。あの鳥(笑)」


 ミルが報告に来た。4年前結婚してから幸せ太りをしてしまい、抜群のプロポーションは影もないが少しふくよかに見えても可愛い。事務長のみならず学生寮の寮母もしていて、この学園の事情に明るい。


「ミルがこんな体型になったこと、カナタはどう思うかしら(笑)」


「それは言わないでくださいっ! まあ体型崩れても……旦那様がいる私は勝ち組ですからっ(笑)」


 それは間違いない。今度のアラサー女子会で結婚してるのはミルだけである、はず。


「さあ、おむかえの準備をするわよ!」

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