祝福のスープ
食堂に入ると、既にパンが並んでいる。
香ばしい焼きたての香り・・・はない。
保存の利く黒パンを並べている人たちがいる。
彼らは俺たちを嫌な笑みを浮かべた。
「スープは出来たか?次はパン作ってもらうからな。」
なんて言ってきた。
それ絶対無理なヤツ。
心の中で絶望していると、食堂に人が集まってきた。
ニヤニヤ半笑いのヤツが多い。
あぁ、俺たちのこと知っているんだな。
嫌な気持ちになる。
スープ皿を持って並ぶ奴らに俺がスープを注ぐ。
湯気ごしにチクリと厭味を言われたりする。
「お子ちゃまのお世話大変だねぇ。」
とか、
「これから雑用宜しく。」
とか、ニヤニヤ。クスクス。
一々、相手にしていられない。
突然、ルカが
「貴方達は!食事の前の祈りを捧げないのですか?」
なんて言い出した。
空気が凍った。
ここでは祈りなんていらない。
やっている暇ない。
食事は栄養補給する場なのだ。
説明するとルカは悲壮な顔をした。
「なんて心が貧しいのでしょう。」
嘆き、声を震わせる。
食堂に、喉を詰まらせ、噴き出し、鼻で笑い・・・。
色んな反応が渦巻いた。
ルカは動じない。
哀れみと慈愛の眼差しで食堂を見渡し、突然祝福の言葉を口にした。
なんか、ピカッとした。
スープが・・。
「スープにバフかけんなよ!」
ルカは不満顔だ。
ミレイユは炊き出しの時にやってたって言う。
誰?あぁ、あの女か。
お前はミレイユじゃないし、ここは炊き出しじゃない。
説得して、速攻、元に戻させた。
契約してて本当に良かった。
狸・・いや違う、本部長に感謝した。
それでも、スープを注ぐ度に、祝福の言葉だけ呟き続けた。
可哀相な人たちへの思いを込めています。
「もう、止めて。」
話通じなすぎて、泣きが入った。
そこにエリアス、ルカ組が入ってきた。




