エリアスとルカ
呆れて、エリアス、ルカ組を見に行くと、信じられない光景が。
皿はピカピカ、周りもピカピカ。
何を言っているかと言うと、皿洗いを瞬速で終わらせて、周囲を高圧水流で掃除しはじめたようだ。
今も、エリアスが指示してルカがやってる。
どんどんピカピカになってく。
レンガがえぐれない程度の高圧水流って素晴らしいコントロール。
なんで人間にはその心遣いが与えられないの?
「作業、止めて。人間が濡れてるから。」
オルクとリオットは腰抜かしている
「またですか?」
ルカは、やれやれと言う感じ。
それは、俺の台詞だ!
怒りにまかせて、叫ばなかった自分を褒めてやりたい。
オルクとリオットはふんわり仕上げを受けて、完全に折れたみたいだ。
でも、トレイブさんが頑張る声が聞こえてきた。
見てみると、薪割りさせてる。
シオンは木っ端にしているから、魔術禁止!なんて叫んでる。
悲痛な叫びだ。
バルドが斧を持ち、目にも見えない速さで割り始めた。
常人の速さではない。
トレイブさんは命令したのにアワアワしている。
「トレイブさん。ですから、彼らとは常識が違うんですよ。野菜はこう切るとか。どのくらいの大きさとか。そもそも食べているものが違いますから・・・ね。」
ささやくのと同時に斧が壊れた。
バルドの速度に耐えられなかったようだ。
刃先が飛び、トレイブさんの前に突き刺さった。
「ひぃっ!」
「仕方ないな・・。」
バルドは何と手刀で薪を割り始めた。
手が光っているから、身体強化しているんだと思うけど・・・。
規格外すぎる。
トレイブさん限界を迎えたようで、へなへなと座り込んだ。
ライフはゼロになったようだ。
「だから、言ったじゃないですか。庶民の常識が通じないって。」
俺は心底トレイブさんに同情した。
俺は、取りあえず、すべてを諦めた。
竈に薪を入れ、火を起こす。
鍋に水を入れ、湯を沸かし始めた。
シオンは不思議そうに見ている。
・・・見ているだけ。
エリアスとルカは設備を確認して、旧式具合を批評し始めている。
視察に来たお偉いさんみたいだ。
言いたい事をグッと飲み込んで、俺は一人作業をした。
みじん切りに・・いやペースト状になった野菜達を元に、スープを作った。
回収時に綺麗に洗って洗って更に細かくなったみたい。
潔癖かよ!
味は塩だけ。
他の調味料はない。
トレイブさんに聞きたかったけど、放心してたからどうしようもない。
何とか、スープが完成。
出来上がったが、皆自由に行動している。
もう、運んでしまおう。
「運ぶぞ!」
と、声をかけて俺が鍋を抱えると、バルドだけが、
「手伝おう。」
なんて言って軽々と鍋を持ってくれた。
イッケメェン。再び胸がキュン。
・・・・じゃなくって、なんで手伝いなんだよ!お前らの仕事だよ!!
でも、言う気力が無かった。
俺はへたれだ。




