新人の扱い
今日は2話投稿します。
「俺は、トレイブ、ここの雑用を任されている。」
胸を張って名告る姿からは、なんとなく必死感が伝わる。
左右に無言で立つ二人はオルクとリオットと言うらしい。
ここ辺境で、雑用専門なんて・・・評価はお察しだ。
「お、俺たちが!いわくつきのお前達の面倒を見る!感謝しろ!」
声を張り上げるが、裏返っている。
「ハイハイ。感謝します。ありがとうございます。」
適当に合わせながら後ろをついていく。
振り替えると、俺の後ろには4人が並んでついてきていた。
急に素直になってるんだけど?!
「早朝の散策は良い気晴らしになるな。」
「身体が鈍ってますからね。」
なんて話し合っている。
俺は脱力した。
俺は眠いよ。
二日連続、寝不足で倒れ込みそう。
ヘロヘロになって到着した先は食堂では無かった。
建物の脇にある、屋外調理場。
井戸、水瓶、作業台、倉庫らしい小屋。
人の気配はない。
「ここは?」
エリアスが口を開いた。
「厨房だ。」
「・・・・厨房?このような不衛生極まりな・・・。」
「わ~!!!黙れ。まず口閉じろ。」
契約が発動したのか、エリアスの口が閉じられた。
黙っても、笑っているように見える。
アルカイックスマイルってヤツだろう。
ちょっと不気味だ。
「ここで何をすれば良い?」
今度はバルドが口を開いた。
「察しが悪いなぁ。雑用だ。ガルド大隊長に言われたろ。」
バカにしたような声色。
「大隊長は?」
「前線だ。しばらく戻ってこない。」
俺の黒歴史を知らない人がいないのは有り難い。
でも、場を取り仕切る平等な人がいないのは辛い。
「何をしたら良いですか?」
嘆く俺に反して不思議なやる気を四人は見せた。
意外・・と呟くと
「私達は贖罪の為にきています。どんな業務でも、喜んで。」
・・・・高尚な事を言う。
言うんだけどさ。
「たとえ、このような不浄な所でも・・・。」
一言多いんだよ。
トレイブは一瞬青筋たてたけど、速攻俺がとりなして何とかなった。
親指をくいっと立てて水瓶を指さした。
「取りあえず、水くみだな。」
「わかりました。」
「・・・・。」
言うと同時に、シオンとルカが指を空に突き出した。
「やっ!やめ・・・。」
2人の指から煌めきが流れ出る。
淀みなく、絡み合い、やがてそれは俺の目から見ても惚れ惚れするような魔方陣となって浮き上がった。




