↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『小銭稼ぎをこよなく愛する貧乏貴族、四人のエリートに人生を狂わされる』 ~楽して生きるはずが、なんでこんなことに~  作者: 佐藤なつ
任務開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/19

洗礼

「おきろぉ!」

バァン!

怒鳴り声と大きな音。

飛び起きたと同時に、ボキッという音がして、身体が沈んだ。

衝撃が身体を襲う。

「いてぇ・・。」

受け身を取ったが充分ではない。

打った所を庇いながら周りを伺う。

まだ、薄暗い。

視界の端に、足の折れた寝台が横倒しになっているのを認めた。

もわんと舞い上がるホコリに咳き込んだ。

「まだまだ寝てんのか?新人が!」

「ホコリで死んでんじゃねぇ?」

ドカドカと無遠慮な足音。

床が揺れ、複数人の下品な笑い声が近づいてくる。


・・・あぁ、俺は・・・辺境に来たんだった。

魔獣討伐の最前線に。


これは、新人いじりの洗礼だ。


バタンバタンと乱暴に窓が開け放たれ、冷たい朝の風が吹き込む。

「眠気覚ましに新鮮な空気をどうぞ。」

「お目覚めは如何?子爵様?」

「朝食をご一緒にいかがですか?」

言葉は丁寧。

態度は最低。


首根っこを掴まれて、引きずられ外に放り出された。

地面に叩きつけられ、冷たい土の感触が背中に伝わる。


蹴られるかもしれないと丸まって身を守る。

が、何も来ない。

恐る恐る顔を上げると、三人の男達が固まっていた。

視線の先には、俺の部下四人。

何故か全員揃っている。

早朝なのに、隙の無い・・・整った服装。


場違いな程の上位貴族様感が醸されている。


元、王子様のエリアスが口を開いた。

「どうしたのだ?」

その、口調。

完全に上の人間からの下問だよ。


三人は我に返ったように動き出した。

その内の一人が前に出て、

「これはこれはようこそいらっしゃいました。王子様?」

慇懃無礼な言葉と態度で頭を下げた。。

ニヤニヤついた笑みがイヤらしい。


だけども、一瞬、目が泳いだように見える。

バルドが、エリアスを庇うように前に出た。

「挨拶の仕方が違う。朝は・・・。」

なんと指導が始まった。

ルカも出る。

「まず、名を名告るべきです。」

相手も俺もドン引きする。

何で指導返し?

シオンは後ろで何かを呟き始めた。

指先が光っている。

「待て!」

俺は慌てて立ちあがり、間に割って入った。

「お、俺たちは新人なんだ。話をまず聞こう。」

部下を宥め、相手に向き直った。

「なにぶん、まだ慣れていないので、ご容赦下さい。」

揉み手しながら、へこへこ。

身についた小物ムーブがイヤになるが、どうしようもない。

部下に軽蔑されるんだろうなと思ったら案外、エリアスが、

「それもそうだな。」

と、納得した。

すると、他三人も引き下がった。


相手も、それ以上は深追いしてこない。

けれど、へたれなんてバカに出来ない。

高位貴族の本気指導、マジでビビった。


「こ!今回だけだぞ!ついてこい!」

と、言って歩き出した。


今日も早朝から活動する羽目に・・・。

俺は、全然眠れていないのだ。

寝不足で倒れそう。


けど、この後、本当に何度も倒れ込むとは思いもしなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。