第7・5節 乗馬の練習
古田家の近くにある馬小屋で乗馬の稽古が始まった。
古田:「乗馬に使う道具は、とうらく、手綱、鞍、鐙、鞭の5つです。馬の顔にかかった部分をとうらく、とうらくから背中へ延びた紐が手綱、馬の背中に載っているものが鞍、足を掛ける鐙、そして、馬を走らせるためにつかう鞭です。馬の操作としては、乗る、降りる、歩く、止める、曲げるあたりが出来れば良いでしょう。」
古田は、実際に馬を動かしながら説明を続けた。
古田:「歩く速さには、常歩、速歩、駈歩の三段階があります。常歩は、馬がゆっくり歩く状態です。速歩は、このように体が上下に揺れられる程度の速さです。場合によっては、お尻を上げたり下げたりします。」
古田は鞭を叩き、馬を軽く走らせて戻ってきた。
古田:「これが駈歩です。利休殿が馬を走らせることは、まずありませんので、駈歩は不要でしょうね。まずは、鐙に足をかけ、鞍に乗る所からしましょう。」
私:「よろしくお願いいたします。」
古田は右手で馬の手綱を押さえながら、左手で器用に、鐙に足を掛けた私の体を押した。
おかげで、私は思ったよりも簡単に馬に乗ることができた。
古田:「良い感じです。では常歩で歩かせてみましょう。両足の踵で馬のお腹を軽く蹴って下さい。」
私:「こうですか?おっとっと、馬が動き出しました。」
古田:「では、馬を止めてみましょう。手綱を両方同時に引いてください。」
私:「止まりました。意外と簡単ですね。」
古田:「そう言ってもらえると、助かります。では一度、馬から降りてみましょう。片足を鐙から外し、両足が揃ってから反対側の足も鐙から外します。馬の背の方に体を反らせて反動をつけ、馬からやや離れた位置に飛び降ります。手綱は離さないようにしてください。あまり近くに降りると、馬に足を踏まれる可能性がありますので、注意してください。」
私:「右足を鐙から外し、両足を揃えて左足を鐙から外す。左右の足を馬の左側に垂らし、体を反らせて飛び降りる。できました。」
古田:「良いですね。ではもう一度、馬に乗ってみましょう。今度は手伝いませんので、一人で乗ってみてください。馬が動かないよう手綱と一緒に鬣も引きます。片足を鐙に掛けて、鞍壺、鞍の前の部分に付いている突起ですが、この鞍壺を持って、片足で大地を蹴り、鐙の高さで両足を揃えてから、足を大きく上げて馬体を跨ぎます。鬣を離して、両手に手綱を持ち替え、馬に腰かけます。このとき、鐙の高さを確認してください。必要なら鐙の高さを調整します。乗ってみてください。」
私:「こうですか?」
古田:「乗る時に馬が動くと危険ですので、もう少し、手綱を強めに握ってください。では、何度か乗り降りしましょう。」
その後、何とか速歩で馬を曲げられるようになった。
古田:「だいぶ上達してきましたね。今日はこの辺にしておきましょう。お昼になりましたね。食事にしましょう。午後は、書道の練習です。昼過ぎに来られる細川殿が指導します。」
私:「ありがとうございました。次は書道ですか。大変ですね。」
この作品は「YouTube(
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)」にも掲載しています。




