表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
利休になった日  作者: shoundo
第5節 亭主
46/150

第5・1節 細川ガラシャ登場 ~お吟の人生について~

予定通り、細川邸に行くと外国人風の女性が現れた。

外国人風の女性:「利休様、お久しぶりでございます。いえ、初めましてでしょうか。私は細川ガラシャと申します。ですが、夫・三斎の前では玉子とお呼びください。」


初めまして?細川の妻が、千利休と会ったことがないなどありえない。

私:「お久しぶりです玉子殿。細川殿はいらっしゃいますか?」

玉子:「夫より聞いていた通り、良い反応ですね。まずはお上がり下さい。」


いろいろ警戒しつつ細川邸に上がり、細川玉子が家の奥に下がってから、古田と細川に事情を聞いた。

私:「玉子殿は、私のことを未来人と知っているようでしたが、何かご存知ですか?」

古田:「もうお気づきとは、さすがですね。」


細川は立ち上がり、手を叩き細川玉子を呼んだ。

細川:「玉、ちょっと来なさい。」


細川玉子が全員分の飲み物を持ってきた。

玉子:「どうぞ、煎茶(せんちゃ)でございます。」

古田:「これは湯飲茶碗(ゆのみぢゃわん)ですね。それに煎茶とは。」

細川:「煎茶は今から60年後、江戸時代に登場するお茶です。特別に用意させました。利休殿には、この方が飲みやすいでしょう。」


私が困惑していると、細川が説明をはじめた。

細川:「玉はこの時代の人物で、我々の味方です。私の作った装置のことをある程度は知っています。以前、未来に2名帰すことが出来たのも、玉のおかげです。」

古田:「実は、私が最初に出会った人物も玉子殿です。おかげで本当に命拾いしたと思っています。ありがたい。」

玉子:「古田様、もう何度もそのような。おやめくださいませ。照れてしまいます。」

私:「なるほど。それでは、あらためまして。初めまして細川玉子殿、千利休と申します。」

玉子:「初めまして利休様。ようこそ桃山時代へお越しくださいました。」

細川:「では、挨拶も終わったことですし、話を始めましょう。玉も座って下さい。」


細川は、いつものように長い話をはじめた。要約するとこうなる。

半月前の堺、自殺しようとした利休の娘・(ぎん)を玉子が保護した。

吟の正体は未来で10歳の子供。

未来で親に虐待(ぎゃくたい)を受け、自殺する気でいた。

利休と宗恩には、まだ知らせていなかったが、いつまでも秘密にできないと、

大阪から玉子と吟を呼び寄せ、京都についたのが昨日。

吟をどうするか、相談したいという。

なお、彼女が未来に帰る為に自殺する日は、来年の1月18日だとか。


古田:「未来に帰っても、このままだと問題ですね。何か対策しないといけません。」

細川:「宗恩殿にも、どのように話せば良いのか。そもそも10歳だと、この時代の歴史を勉強するのは大変です。来年まで桃山時代を生き残れるかどうか。」

玉子:「利休様にお願いです。宗恩様に、お吟様を細川邸で預かること承諾してもらいたいのです。」

私:「細川殿、宗恩に未来の事がばれないようにするには、どう言えば良いのでしょうか?」


細川は少し考え、こう切り出した。

細川:「未来人の事は伏せますが、自殺未遂の件は言いましょう。ただ、自殺の理由を夫の円乗坊宗円(えんじょうぼうそうえん)から逃げて来たことにすれば、千家以外で預かる方が安全だと、宗恩殿を説得できるのではないでしょうか。」

古田:「宗円殿は今どこに?」

細川:「実は、お吟殿を探しに出かけ、行方不明になっています。」

私:「では、宗円殿が現れたら、あなたは吟に嫌われたと言って、吟のことをあきらめさせましょうか?」

古田:「それは宗円殿が、かわいそうなのでは?」

細川:「いえ、案外良い案かもしれません。いろいろ辻褄(つじつま)も合います。史実では、お吟殿は関白様に見初められたものの、高山右近殿が忘れられず、関白様を暗殺しようとして失敗、自殺します。そこで、お吟殿は高山右近殿を追って京都に来たが、利休殿が右近殿には合わせたくないので、細川邸に入れた。とすれば良いのでは。」

私:「えっ、関白様の暗殺未遂ですか!」

細川:「はい、暗殺未遂です。そして、関白様の側室・淀の方様に暗殺を阻止されます。利休殿が切腹する遠因(えんいん)の一つです。玉は本物の細川三斎のことが嫌いです。切支丹(きりしたん)になったのもその為でした。ですが、私の三男・細川(ほそかわ)(ただ)(とし)のある事件をきっかけに仲直りします。利休殿、宗恩殿とは家庭内別居中とか。お吟殿の話題があれば、きっと宗恩殿と仲良くなれますよ。」

私:「ある事件?」

玉子:「とりあえず利休様、お吟様の件、宗恩様によろしくお伝えください。私が責任を持って育てますので。暗殺者として。」

私:「暗殺者?それで良いのですか、細川殿。」


細川は話題をすり替えた。

細川:「では、茶道の練習をしましょう。今日は利休殿には亭主をしていただきます。時間もだいぶ使ってしまいました。急ぎ始めましょう。玉、ご苦労様でした。下がって良いですよ。」

玉子:「はい。それでは利休様、失礼いたします。」

古田:「利休殿、練習を始めますよ。」

私:「はい。頑張ります。」


なんとなく納得できなかったが、細川が良いと言うのなら、たぶん良いのだろう。


この作品は「YouTube(

https://www.youtube.com/watch?v=702UnQHJrj4&list=PLH33wsaeFCZWhaiIBx24yNxr-fPINhaRS&index=45

)」にも掲載しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ