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利休になった日  作者: shoundo
第4節 正客
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第4・10節 茶入と仕覆と茶杓の拝見(正客)~真竹について~

古田は()の横に茶道具を3つ出し、建水(けんすい)を持て退席したので、私は細川に道具の持ち方と拝見の仕方を聞いた。

細川:「道具の前ににじって行き、仕覆(しふく)の底を持って左手に載せ、茶杓の櫂先(かいさき)が斜め左上になるようして、仕覆の上に載せ、左手の親指で挟みます。右手で茶入の胴の部分を持ち、席に戻ります。左から、茶入、茶杓の順にヘリ(うち)上座(かみざ)に置き、最後、仕覆を右から左へ打ち返して、茶杓の左へ置きます。ヘリ内に置く時、仕覆の紐の結び目、打留(うちどめ)と言いますが、茶杓にかからないよう注意してくださいね。」

私:「茶入・茶杓・仕覆の順に左から置く。こうですね。」

細川:「そうです。次客へ次礼をしてから、茶入を正面のヘリ外に移動し、茶入の全体を見てから、蓋を手に取り、表・裏と拝見します。蓋を茶入の右横に置き、茶入を手に取って拝見します。茶入は上から順に、口造り・(こしき)・肩・胴・腰・(すそ)畳付(たたみつき)と見ます。茶入に蓋をして、最後にもう一度全体を見て、次客との間に置きます。」


私は、茶入の蓋を取り、茶入は茶碗を見る時と同様、あまり持ち上げず、傾ける程度に見た。茶入を細川へ送り、茶杓の拝見方法を聞いた。

細川:「茶杓もまず全体を見ます。茶入同様、両手で扱うのですが、これは節のある茶杓なので、節より手前を持ちます。左手に載せ、右手の指で下の方を持ち、右から左に回す感じで拝見します。櫂先(かいさき)・節・切止(きりどめ)などが見どころです。櫂先を上にして置き、最後にもう一度全体を見て、次客との間に置きます。」

私:「この茶杓は、前回の茶杓と違って全体に黒っぽいですが、竹の種類が違うのですか?」

細川:「実は、竹は同じ真竹(まだけ)です。茶杓には実竹(じっちく)・真竹などが使われます。江戸時代以降だと孟宗竹(もうそうちく)やシボ竹などで作られた茶杓も出てきます。前回の茶会で用いた茶杓は白竹で出来た(そう)の茶杓です。白竹は、真竹を油抜きして日光に(さら)して乾燥させたもので、白っぽくなることからこの名があります。同じ真竹でも、竹の状態で、寂竹・染み竹・染み胡麻竹・筋竹・煤竹・胡麻竹・白寂竹など様々な呼び名があります。今回は煤竹を使用しています。」

私:「煤竹ですか。白竹とはだいぶ違いますね。」

細川:「煤竹は、囲炉裏の天井部分の竹が、長い間に煙で燻され、煤が竹に付着したものです。この茶杓は、後に裏千家十一代家元の玄々斎により筒が作られます。」


私は、茶杓をじっくり見てから細川へ送り、仕覆の拝見方法を聞いた。

細川:「両手をついて仕覆の全体を拝見した後、仕覆の緒を両手で持って、裏返さずに拝見します。この細い糸で輪になった部分を(つがり)と言いますが、ここは、拝見時には触らないでください。最後、拝見が終わったら、底を持って置きます。」


私は、仕覆を拝見し、細川へ送った。

細川が拝見を終え、仕覆を打ち返して横に置いた。

左から仕覆、茶杓、茶入の順に置いてあった。

細川:「さて、道具を亭主に返すのは、正客の役目です。そこで、茶碗同様、出会いで返します。まず、詰と正客は、共に古田殿が道具を出したところまで進みます。道具の持ち方をよく見ていてください。仕覆の底を持って左手に載せ、茶杓の櫂先が斜め左上になるようして、仕覆の上に載せ、左手の親指で挟みます。右手で茶入の胴の部分を持ち、正客と出会います。では利休殿、にじって来てください。」


私は、最初に古田が道具を置いた場所の手前まで移動し、細川と斜めに向き合った。

細川:「詰の膝前に、右から順に茶入、茶杓、仕覆を置き、正客に道具の正面を向けて、正客の膝前に、同じく右から順に茶入、茶杓、仕覆と置きます。詰は、この時点で席に戻ります。正客は詰が置いたように、亭主に道具の正面を向けて、最初に道具が置かれた位置に、同じく右から順に茶入、茶杓、仕覆と置き、正客も席に戻ります。」


いつの間にか戻っていた古田に次の手順を確認し、由緒などを聞き始めた。

私:「大切なお道具ありがとうございました。お茶入のご由緒は。」

古田:「本能寺(ほんのうじ)(へん)の後、焼け跡より私が拾い上げ繕った、勢高肩衝茶入(せいたかかたつきちゃいれ)でございます。」

私:「お窯元(かまもと)は。」

古田:「唐物(からもの)でございます。」

私:「お仕覆(しふく)裂地(きれじ)は。」

古田:「白茶間道(しらちゃかんとう)でございます。」

私:「お仕立(おしたて)ては。」

古田:「私、古田でございます。」

私:「お茶杓(ちゃしゃく)のお(さく)は。」

古田:「利休殿でございます。」

私:「ご(めい)は。」

古田:「一期(いちご)でございます。」

私:「ありがとうございました。」

古田:「合格です。」

私:「よし!」


この作品は「YouTube(

https://www.youtube.com/watch?v=S3SExBJSXQM&list=PLH33wsaeFCZWhaiIBx24yNxr-fPINhaRS&index=41

)」にも掲載しています。

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