第1・3節 荷物置き場と待合
少し整理しよう。
フルネームは分からないが、気品のある男性は蒲生、学者風の男性は細川、お坊さん風の男性は池坊、人がよさそうな男性は古田、私を含めこの五人が秀吉に呼ばれたようだ。
細川は、この夢に関する情報を何か知っているようだ。
夢が覚める前にぜひ聞いてみたい。
そういえば、細川は、古田にも何か耳打ちしていたようだけれど。
襖が開き、吸出を持って割と武人風の人が入ってきた。
武人:「本日は、私、瀬田正忠が半東を務めさせていただきます。」
総礼し、しばらくして待合に通され、蹲踞で問題が起きた。
蒲生:「利休殿、どうなされた、手拭き(てふき)を貸して下さらぬか。」
さあ、困った。この時代の手拭きとは何を指すのだろう。
三客の古田織部が、横から手を出して、
古田:「お二人とも、こちらのさらしをお使いください。」
蒲生:「いやぁ、気が利きますな古田殿。」
私:「本当にありがとうございます。」
蒲生の動作を真似て、蹲踞で手と口をすすぎ、さらしで手を拭く。
蒲生、古田、細川の三人が、待合の刀掛に刀を掛けている間、池坊と2人になり、話しかけられた。
池坊:「先日、庭の花を全て切った上で、関白様を招いたとか。思い切ったことをなさいますね。何か、意図でもあったのでしょうか?」
一輪挿しには、どんな意図があったのだろう。
ここは、濁しておこう。
私:「ご想像におまかせいたします。」
池坊:「利休殿も大概にしませんと、関白様に切られますぞ。」
私:「はい、気をつけます。」
この作品は「YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=PlU4hy_T0eM&list=PLH33wsaeFCZWhaiIBx24yNxr-fPINhaRS&index=3)」にも掲載しています。




