第3・3節 宗恩との取り決め
夕飯を運んできた宗恩は不機嫌そうだった。
食事の度にこれでは今後も大変だ。
私:「宗恩。明日から食事が不要な場合、こちらの懐紙にその旨を書いて、玄関の文台に置いておきたいのですが、どうでしょう。」
宗恩:「そういたしましょう。特に記入はされなくて結構ですので、室内にある、この文台に懐紙を置いてください。それで食材も無駄にならずに済みますし、わたくしも助かります。」
私:「では、そうしましょう。」
宗恩は機嫌が直り、今日の稽古について質問してきた。
宗恩:「本日は細川殿にどのようなお稽古をつけてあげたのですか?」
私:「基本的な所作を繰り返したのち、茶会の練習を一通り行いました。」
宗恩:「細川殿も大変ですね。今更、基本動作など。」
しまった。
基本動作を繰り返すなど、ありえないことを言ってしまった。
宗恩:「そういえば、稽古とは、一より習い十を知り、十よりかへる元のその一。利休様は常におっしゃってましたね。失言でした。」
私:「いいえ、良いのです。では、食事も食べ終わりましたので、そろそろ寝ようと思います。明日は外で食べてきますので、食事はいりません。先ほど決めた通り、文台に懐紙も置いていきますね。」
宗恩:「ありがとうございます。では寝床はあちらにご用意しております。私は別室にて休ませていただきます。お休みなさいませ。」
私:「はい。おやすみなさい。」
蝋燭が消された、目が慣れてきて花入を見ると、床の間に何かの枝が入っていた。
私:「何かの蕾かな?しかし危なかった。稽古の内容を話すときは気を付けないと。」
独り言が多くなった気がしたので、眠ることにした。
疲れているせいか、すぐに眠りにつき、目が覚めると、もう朝になっていた。
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