第2・16節 千鳥の盃・湯斗・香物鉢・箸の所作(次客)
二人が一通りの所作を口頭で説明し、千鳥の盃がはじまった。
細川:「別盃のお持ち出しを。」
正客が、懐紙に肴2種を取って亭主に渡し、八寸を亭主に向ける。
私:「お流れを。」
古田:「盃を、しばらく拝借いたします。」
正客、次客の順に酌を受けて、それぞれに小吸物椀の蓋に山のものをつけ、正客前に戻る。
古田:「ながながとありがとうございました。」
正客と亭主が互いに酒をつぐ。
細川:「どうぞご納盃を。」
古田:「納盃させていただきます。」
細川:「どうぞお湯を。」
古田:「ここまでが、千鳥の盃です。もう一度しましょうか、利休殿。」
私:「お願いいたします。」
もう一度、千鳥の盃をした後、古田が八寸に盃台を載せ、燗鍋と一緒に水屋に下がった。
細川が、小吸物椀とその蓋を懐紙で軽く清め、汚れた懐紙は左袖に入れた。
私:「ここで小吸物椀を清めるのですね。」
細川:「そうです。小吸物椀に蓋をし、このように膳の正面に置いて亭主を待ちます。」
古田が脇引に湯斗と香物鉢を載せ、正客前に座った。
香物鉢を正面に向け正客の上座に置き、湯斗の蓋を開けて湯の子掬いで少し混ぜ、湯斗の正面を正して、香物鉢の向こう側、亭主から見て手前側に置いた。
詰まで、一回ずつ小吸物椀を脇引に載せて水屋に戻り、茶道口で一礼した。
古田:「お湯が足りませんときは、どうぞお手お鳴らしを。」
細川が湯斗の蓋を仰向けにして手送ってきた。
細川:「利休殿、湯斗の蓋を詰の方へ手送ってください。それから、香物鉢を左の掌で持ち香物を向付に載せます。さあ、やってみてください。」
古田:「続いて、飯椀と汁椀の蓋を同時に取り、飯椀の蓋の上に汁椀の蓋をかぶせるように重ね、お膳の右横手前に置いてください。この動作は三人一緒にしなくて良いですよ。」
細川:「両方の椀に湯の子を掬って入れて、湯を注ぎます。」
細川が湯斗を手送ってきたので、両方の椀に湯の子とお湯を入れた。
古田に湯斗を送ると、細川が飯椀と汁椀に箸をつけ始めたので、私も食べ始めた。
三人共食べ終わると、飯椀、汁椀、向付を懐紙で清めた。
古田:「箸も懐紙で清め、今度は膳の右縁にかけます。飯椀の蓋は、仰向けにして載せ、正客以外は、盃を飯椀の蓋の上に載せます。では細川殿、私が水屋に下がったらお箸をお願いいたします。」
細川:「かしこまりました。古田殿。」
古田が襖を閉め、細川が私に箸の音で亭主が茶室に入る旨を説明した。
二人同時に箸を膳の内に落とすと、古田は襖を開け、茶道口に顔を出した。
古田:「どうもお粗末さまでした。」
細川:「ごちそうさまでした。」
古田:「これが、懐石の一連の動作です。利休殿は、お腹も頭もいっぱいでしょう。縁高の所作をしたら、いったん休憩にしましょう。」
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