第2・11節 盃と向付の所作(次客)~向付について~
古田が燗鍋と盃の載った盃台を持って茶室に戻り、細川の前に盃台を置いた。
細川は盃台から一番下の盃を取ると、残りの盃を盃台に戻し、細川と私の間に盃台を置いた。
細川:「お先に。」
古田:「利休殿、今、細川殿がしたように、下の盃を取り、盃台を詰の席へ送ってください。」
私:「やってみます。」
二人は私が詰の席へ盃台を送ったのを見届け、細川が盃を両手で取って、古田の方に差し出した。
古田が細川に酌をした後、私の前に移動した。
古田:「ささ、一献。」
細川の動きを真似て盃を出し、細川が酒を飲んだのを確認してから、私も酒を飲んだ。
古田は、自分の盃に酒を注ぎ、燗鍋を置きにいったん水屋へ下がってから詰の席に座った。
古田:「飲み終わった盃は、向付の右横に置きます。この後、全員一緒に向付に箸を付けます。」
細川:「向付は鯛の膾ですね。今は酢で和えるのが一般的ですが、室町時代以前は、生肉を細かく刻んだだけのものを指しました。向付は、膳の中央より向こう側に置かれることから向付と呼び、懐石膳の一番の御馳走になります。」
古田:「今回は柚子を少々加えてみました。お口に合うと良いのですが。」
私:「とても美味しそうです。」
向付は美味しく、自然と笑顔になった。
古田:「一汁二菜や一汁三菜という言葉は、利休殿の主張する侘び料理が一般化するにしたがって、大衆にも広がっていきます。今回の茶会は、一汁三菜です。この後、もう二品料理をご用意しています。」
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)」にも掲載しています。




