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利休になった日  作者: shoundo
第2節 次客
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第2・6節 蹲踞・刀掛・躙り口の所作(次客)~さらしと手巾と刀について~

この作品は「YouTube(

https://www.youtube.com/watch?v=NPsDBhPgOXI&list=PLH33wsaeFCZWhaiIBx24yNxr-fPINhaRS&index=11

)」にも掲載しています。

蹲踞(つくばい)へ進み、古田がお手本を見せてくれた。

続いて細川が正客として手と口をすすぎ、古田が手巾(しゅきん)を見せた。

古田:「正客(しょうきゃく)柄杓(ひしゃく)を戻したら、次客(じきゃく)は、さらしか手巾(しゅきん)(みぎ)(そで)(ぐち)から出し、正客(しょうきゃく)に手渡す場合があります。正客から、手巾(しゅきん)を返してもらい、(ひだり)(そで)(ぐち)にしまいます。では、そこの柄杓(ひしゃく)で左手、右手、口、柄杓(ひしゃく)の順に清めてください。終わったら、躙り(にじりぐち)へ進みますよ。」

私が着物の袖口を眺めていると、細川が説明をしてくれた。

細川:「右袖口には未使用の物、左袖口には使用したものをしまうのが普通です。手巾(しゅきん)の他、茶碗や菓子などでよごれた懐紙(かいし)なども左袖口にしまいます。ただ、未使用の懐紙(かいし)は胸元に入れておくのが普通なので、右袖口にはあまり物は入っていません。」

古田:「胸元にさらしを入れておく場合もあります。胸元から大きいものを順に重ねて入れていきます。さらしは大きいので、一番奥です。その後、帛紗(ふくさ)懐紙(かいし)と入れます。」

細川:「手が汚れた場合も、胸元の懐紙(かいし)で拭いて、汚れた部分だけを左袖口にしまいます。」

私:「なるほど。」


茶室の前に進み、説明が続いた。

古田:「この四角い扉が躙り(にじりぐち)で、茶室へはここから入ります。」

私:「小さいですね。」

古田:「ここは高さ二尺二寸、幅二尺一寸の一般的な躙り(にじりぐち)です。利休殿が以前作った待庵(たいあん)は高さ二尺六寸一分、幅二尺三寸六分と、一回り大きいです。利休殿は背が高く、大柄ですからね。今のあなたと同じ感想を持って、待庵(たいあん)の躙り(にじりぐち)を一回り大きくされたのかもしれないですね。躙り(にじりぐち)の横にあるものが刀掛(かたなかけ)です。共に、利休殿、あなたが作ったものです。」

私:「私ですか?そうですよね、今は私が千利休でしたね。」


古田と細川が刀を腰からはずした。

古田:「刀の種類は、大刀(だいとう)(あるじ)で、脇に差すから脇差(わきざし)つまり控えになります。刀掛(かたなかけ)には、刃を上側にして、大刀(だいとう)を上段、脇差(わきざし)を下段に()を向かって左に置きます。これには理由があります。()が向かって左側なのは、差表(さしおもて)、つまり腰に刀を差したときの、(さや)の身体に接しない側だからです。また、この掛け方だと、抜き打つ為には左手で取り上げて、右手に持ち替える必要があるため、相手に対して敵意の無いことを表す礼儀にもなります。では、茶室へ進みましょう。」


古田が茶室に入り、続けて細川が躙り(にじりぐち)から茶室に入った。

真似して私が入った時、古田が言った。

古田:「最後の客が躙り(にじりぐち)から入ったら、躙り(にじりぐち)の方を向き、扉を閉めます。閉め方は柱が右側にある場合、反対側から左手・右手・左手の順に閉めます。逆に、柱が左側にある場合は、右手・左手・右手で閉めます。躙戸(にじりど)の掛け金は、かけてください。」

細川:「躙戸(にじりど)を閉める際、軽く音を立てます。これは亭主に対する合図になります。」

古田:「亭主は、躙戸(にじりど)の閉まる音を聞いてから、先ほどの蹲踞(つくばい)に水を張りに行き、待合(まちあい)円座(えんざ)水屋(みずや)に下げるといった作業をします。まあ、亭主の所作(しょさ)は、後日説明しましょう。」

細川:「躙戸(にじりど)の閉め方は、戸のやや下の方を逆手、この場合は右手で持ち、中央まで引き、左手で手の挟まる所まで引きます。本当に手を挟まないようにしてくださいね。最後に、左手で音を立てて閉めます。」

古田:「戸を開ける場合の所作は、茶人によっては違う場合があります。(ふすま)の中でも大きいものは全部開けきるのを嫌う方がいらっしゃるからです。後世(こうせい)も流派によっては、襖の四分の一ほど残して開けるなど、全開にしない場合もあります。ただ、私の教え方は裏千家流、戸は全開にしていただきます。一度、やってみましょう。」

その後、三人で茶道口まで進み、古田が(ふすま)を開け閉めし、私も続いて襖を開け閉めした。


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