↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/41

第34話 それって「大逆転のツンデレ」ってことだよね?

 「私の相手…あなた…?」

「ええ、私が相手よ。」


 リンテとティリスが向かい合う。

ティリスは身長が低く顔も幼い。

一見して、9,10歳にも見える感じだ。

途切れ途切れの喋り方も相まって、より幼女に見える。


 「あなたの魔法…聞いてる…。隕石…落とす…合ってる?」

「まぁ、大体は合ってるわ。」


 実際には「落とす」ことは出来ないのだが。


 「あなた地属性…魔力…高くない…。私の方が…高い…。火属性…すぐ勝てる…。」

「それはどうかしら?」


 ティリスがその幼く無表情な顔を横に傾け、リンテを挑発した。


 「一能ワン…魔力は…3000無いくらい…。魔眼も…未開眼…。それで…勝てる…?」

「それ、いつのデータかしらね?」


 リンテがにやりと笑う。

そして、自らの攻撃で戦いの幕を切って落とした。


 「メテオライト・フォール!」


 ティリスの頭上に、巨大な隕石が浮かび上がる。

隕石は、以前にも増して大きくなっていた。


 「やっぱり…隕石…。大きいけど…私には…当たらない…。」


 ティリスが頭上を見上げ、ゆっくりとした動作から攻撃魔法を放った。


 「火星マース…。」


 赤茶色の球体が、隕石に激しく衝突する。

隕石が砕け、そのまま消滅した。

ティリスの放った火星マースは、まだ空中に浮かんだままだ。


 「ね…?私には…当たらない…。相殺ですら…ない…。魔力の差…歴然…。」

「さすがにやるわね…。あんた、魔力どれくらいなの?」

「魔力数値…5918…。」


-そりゃ、隕石も消されるわよね。


 リンテもやや魔力は上がったものの、現在の数値は3424。

まだまだ、ティリスの魔力には遠く及ばない。


 「5918か。ざっと2500くらい足りない訳ね。」

「そう…あなたは…3400…くらいなのね…。2500の差…埋まる…訳がない…。あなた…勝てない…。」


 ティリスの言う通り、魔力数値にこれだけの差がある時点で勝敗は決していた。

…普通ならば。

しかしリンテには、その圧倒的な差を埋める彼女だけの魔法があった。


 「レゾナンス!」


 リンテが両手を広げて叫んだ。

すると、彼女の周りの空気がビリビリと振動する。

そして、その体が緑色の光に包まれた。


 「何…?」


 相変わらず無表情のまま、ティリスが首を傾げる。


 「私のオリジナル魔法よ。」


 光に包まれたまま、リンテが答えた。

緑色の光が消え、そこに立っているのは明らかに雰囲気の変わったリンテだ。

右目が紅く光り、艶のある黒髪は右半分が脱色したように白くなっている。


 「その目…魔眼…。それに…オーラ…変わった…。」


 突然の変貌を警戒しつつ、ティリスが聞く。


 「レゾ…ナンス…?どんな…魔法…?」

「そう簡単に、教えると思う?」


 オリジナルの魔法は、その開発者にとって貴重な財産だ。

その構造や発動方法を他人に教えることなど、ほとんどない。

ましてやリンテが、敵であるティリスに教えるはずがなかった。


 「それも…そう…。それに…どんな魔法…使っても…魔力差…変わらない…。意味…ない…。」

「それはどうかしらね。」


 リンテが改めて戦う構えを取る。

ティリスもそれに応じ、2人が睨み合った。

仕掛けたのは、リンテだ。


 「メテオライト・フォール!」


 再び、隕石を出現させる。


 「さっきと…結果…変わらない…。火星マース…。」


 ティリスの魔法が、隕石を破壊し消し去る。

しかしリンテはまたしても、隕石を浮かび上がらせた。


 「メテオライト・フォール!」

「無駄…。火星マース…。」


 ティリスの前に、隕石は全て打ち砕かれる。

それでも懲りずに、リンテは「メテオライト・フォール」を使い続けた。

隕石が砕かれる度に破片が飛び、砂埃が上がる。


 「火星マース…。一体…何が…したいの…?時間…稼ぎ…?」

「その通りよ。メテオライト・フォール!」

火星マース…。それ…無意味…。いつまで…続ける…?時間…経っても…魔力差…埋まらない…。むしろ…あなた…魔力…無駄使い…。」

「それが、そうでもないのよ。メテオライト・フォール!」

火星マース…。強がり…いらない…。精度…落ちてる…。魔力残量…少なくなってる…。でしょ…?」


 と、リンテがメテオライト・フォールの使用を止めた。


 「魔力…尽きたのね…。」

「逆よ。」


 砂埃が収まり、リンテの姿をはっきり捉えたティリスは、その目を疑った。

リンテの右目はより紅く輝き、その髪は全てが綺麗な白髪になっている。


 「何を…したの…?」

「時間稼ぎが終わったの。ここからが、本番よ。」


 そしてリンテは、一際大きな声で叫んだ。


 「メテオライト・フォール!」


 その声に、ティリスが頭上を見上げる。

しかし、隕石は現れない。


-引っかかった!


 ティリスの精神に、一瞬の隙が出来る。

その隙を、リンテは見逃さなかった。


 「グラビティ!」


 重力魔法を発動。

ティリスの周りの重力だけが3倍になり、ティリスは思いっきり地面に崩れ落ちる。


 「罠…かけた…。」

「そんなところね。」


 リンテはただ「メテオライト・フォール」と叫んだだけで、実際には魔法を発動しなかったのだ。

そしてティリスが気を取られている隙に、重力魔法を発動。

彼女を地面に縛りつけた。


 「かなり…強い…。抑え…込まれる…。」

「逃げられないわよ。」

「でも…魔力差…ある…。私の…勝ち…。」


 そう言うと、ティリスは地面に抑え込まれたまま攻撃魔法を発動した。


 「太陽サン…。」


 轟々と燃える巨大な球体が、リンテに向けて放たれる。

しかし、それは1mも進まずに地面に落下し消滅した。


 「なぜ…?」

「重力に引っ張られて落ちたのよ。」

「ありえない…。魔力差…絶対的…。あなたの…重力魔法…落とせるわけ…ない…。」

「いつまで、私の魔力があなたより低いと思ってるのよ。」

「でも…魔力は…。あっ…!」


 ティリスがはっとして顔を上げる。


 「レゾナンス…。共鳴…。まさか…!?」

「そのまさかよ。ただ、それ以上は教えられないわね。」


 そう言うと、リンテは紅く輝く右の魔眼を軽くつむった。


 「う…あ…。」


 重力がより強くなる。

強烈な圧迫に耐えきれなくなり、ティリスは気を失った。

それを確認して、リンテが重力魔法を解除する。


 「出来損ないの大逆転ね。」


 ティリスに近づき放った声は、彼女の小さな体には届かなかった。


 「レゾナンス」。

その意味は共鳴。

その名の通り、リンテの属性である「地」と共鳴する魔法だ。

大地と共鳴し、大地の魔力を自らのものにする。

集めた魔力を右の魔眼で増幅し、自身の魔力を段違いに高めるという魔法である。

その結果…


 「大体6400ってところね。」


 リンテはティリスを上回る魔力を手にし、2400の魔力差を大逆転して勝利したのだ。


 リンテがレゾナンスを解除する。

そのまま、膝から地面に崩れ落ちた。


 「やっぱり、本来入らない魔力を詰め込むのはきついわね…。何とか、改良しないと。そうだ、あの魔法を…」


 戦いを終え、既に新たな強さへ思いをはせるリンテだった。


-リンテVSティリス・ムクトス

 勝者:リンテ

 敗者:ティリス・ムクトス

読んでいただいてありがとうございます!!


広告の下にスクロールしていただいて「★★★★★の評価」と「ブックマークへの登録」をよろしくお願いします!


特に「☆☆☆☆☆」が「★★★★★」になるとすごく嬉しいです!!

どうかどうかよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] そして、自らの攻撃で戦いの火ぶたを切って落とした。 誤用ことわざ例『火蓋を切って落とす』 将「鉄砲隊前へ!構え!」 兵達は将軍の命令に従って前に進み、火縄銃を敵兵に向けて構えた。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。