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すみれ色の瞳  作者: mayan
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重要人物

 



「アラン、彼女と知り合いなのか?」


 そこに立っていたのは高貴な雰囲気を醸し出す青年。


「ええ、彼女とは知り合いです。殿下」


 殿下……。

 その他とは違うオーラで何となく気がついていたけれど、来て早々お会いするとは思っていなかった。


「お初にお目にかかります。アリス・ミーティアと申します」


 私は急いでお辞儀をする。


「初めまして。アルド帝国第2皇子のヨハネスだ。よろしく。それから……」


 第二皇子殿下は隣に立つ茶髪の女性に目を向ける。


「ヨハネス殿下の婚約者、ミランダ・アスコナーです。よろしくお願い致します」


「どうぞこちらこそ、よろしくお願い致します」


 殿下の婚約者と聞いても納得の美女。

 しかしほわほわした令嬢ではなく、しっかりしていそうなご令嬢。


 そんなミランダ様の瞳は今、私がどんな人間なのかを見極めようとなさっているのか、鋭く輝いていた。


「慣れないことが多いと思う。何か困ったことがあれば言うように。……君は大切な留学生だからね」


 第二皇子殿下はそれだけ仰ると、ミランダ様を引き連れて去っていかれる。


 彼も、またねと言ってルイス様と共に席に戻っていった。




 入れ違いのようにやってきたのは金髪をツインテールにしたご令嬢。


「初めまして。ルーベンソン侯爵家長女、エミリーよ!!」


「初めまして。アリス・ミーティアにございます」


 こちらはなかなか気の強そうなご令嬢だ。


「あなた、初日にアラン様と話すなんて、身分を弁えなさい!!」


「はぁ」


「あなたのような方がエミリー様のアラン様に近づくなんて!! 許されることではありません!!」


 彼女の取り巻きらしきご令嬢からもそんなことを言われる。

 エミリー様のアラン様……とは?


「私はアラン様と結ばれる運命なの! あなた、邪魔しないでよね!!」


 吐き捨てるように言ったエミリー様は取り巻きを引き連れてお帰りになった。

 怒涛の襲撃に、何も反応することができない。


 ……とっても個性的な方だったわね。




「アリス、大丈夫?」


「え?」


「いえ、エミリー様に絡まれていらしたから……」


「エミリー様って、そんなに凄い方なのかしら?」


 ええ、シャルロットは語り始めた。


「このクラスにはアルド帝国の上位貴族が集まっているのだけれど、女子は約20人。第二皇子様の婚約者であられるミランダ様と、侯爵令嬢のエミリー様の取り巻きがそれぞれ10人ずつほどいらっしゃるの」


「派閥ってことね……」


「ええ」


「シャルロットは? どちらの派閥なのかしら」


「私は、どちらにも属してないのです。私は貧乏な男爵家の五女ですから。このクラスには入れたのも勉強を頑張ったからで……。ミランダ様やエミリー様は血筋を重視する方なので、家柄で付き合う方を選びます」


「そう、なのね……」


 やはり地位が高いとつまらない人間になってしまうのだろうか。


「でも、シャルロット、あなた凄いのね」

「えっ!?」

「成績で1番上のクラスまで上り詰めたのでしょう? 素晴らしいと思うわ」

「そ、そんなこと……」

「テストの時は、私にも少し勉強を教えてくれると助かるのだけれど……」

「是非! 私で良ければ教えますわ!!」

「ありがとう」


 派閥なんかより、シャルロットといた方が楽しい、そう思った。








「アリス様、いかがでしたか?」


 絶対に迷子になると分かっているフィーは寮のロビーで待っていてくれた。ちなみに、寮まではシャルロットが一緒だった。


「そうね……楽しかったかしら……?」


「疑問形ですか……」


「あ、いえ! 楽しかったわ!! 初めて友人ができたの!!」 


「それは……今日一緒にいらっしゃった?」


「ええ、シャルロット。ミルヴェーデン男爵家の娘さんよ」


「ご友人ができて、良かったですね」


「本当に」


 フィーが淹れてくれたハーブティーに口をつける。初日でずっと緊張していたのか、自分の中で糸が緩まっていく、そんな感じがした。


「第二皇子殿下はどのような方でした?」


「とても優秀そうな方だったわ。まだ分からないけれど……。それよりもね……」


「それよりも?」


「ご令嬢が凄かったわ」


「また面倒くさそうな……」


 シャルロットからの説明通り、ミランダ様とエミリー様はクラスで取り巻きを持っていた。

 しかし、一歩教室から出ればその取り巻きの数が更に増えるのだ。

 2人が移動すれば何十人ものご令嬢が付き従い、大移動だ。初めて見る「派閥」に開いた口が塞がらなかった。



 シャルロットからは


「あの方達に目をつけられれば、この学園にはいられなくなるのです」


 と世にも恐ろしいことを聞いた。




 そして、そのレベルがもう1人いて……。


 それが、第一皇子の婚約者エリザベート・リヒター様である。

 留学生として、第一皇子のオーギュスト様にご挨拶しにいったのだが、そこにちょうどエリザベート様もいらっしゃったのだ。

 エリザベート様は艶やかな黒髪を腰まで垂らしていらっしゃる美しい女性で、リヒター公爵家の長女でいらっしゃる。

 ミランダ様と同じく、値踏みされるような目で見られて大変居心地が悪かった。



 休み時間、彼と話していたときに聞くと……。


「アルド帝国は第一皇子と第二皇子が1つしか年齢差がないということで、まだどちらが未来の皇帝になるのか決まっていないんだ。第二皇子のヨハネス皇子が学園を卒業なさってから、それぞれの能力で考えるのだと」


 ……生まれた順ではなくて、能力で選ぶのね。


「だから、この国の貴族は第一皇子派か第二皇子派に属している。……アルド帝国には3大公爵家があるのは知ってる?」


「はい。アラン様のアルテミス公爵家、エリザベート様のリヒター公爵家、ミランダ様のアスコナー公爵家ですね」


「そう、で、リヒター公爵家は第一皇子派筆頭、アスコナー公爵家は第二皇子派筆頭なんだ」


「アルテミス公爵家はどちら派なのですか?」


「僕のところはどちらにも付いていない。どちらかに着くとパワーバランスが崩れるから」


 3大公爵家が2対1になると、確かに差がつきますね。


「だから、エリザベート嬢もミランダ嬢もそれぞれの派閥の家の令嬢を束ねているんだ」


 なるほど。これは私たちの問題ではなく、親の問題が絡んできているのですね。


 あれ、では……


「エミリー様はどういった立場なのですか?」


「エミリー嬢は、派閥で言うとエリザベート嬢側の第一皇子派だ。エリザベート嬢の信頼が厚くて、3年生のエリザベート嬢の代わりに2年の第一皇子派を束ねているんだ」




「なんだか、ラシオンより物騒ですね」 


「私は、関わらないようにひっそり生きていくことに決めたわ」


「……ご健闘をお祈りしています」


 フィーは大変心配そうな顔で私を見つめた。




遅くなってしまい、大変申し訳ありません!


学業の方が忙しくなってしまい、これから高い頻度で更新することが難しくなると思います。

かなり間が空いてしまうかもしれません。

それでも読むよーと言ってくださる方、これからもよろしくお願いします!

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