イベント発生その1
森に入った私は最初は簡単なスライムとかを倒していた。その内に何故か急にモンスターレベルが上がった。私は楽勝で倒せるがヒロインパーティーよりも目立つのはよくないかと思って動向を伺っていた。アホな攻略対象キャラだが腕はたつ者が多いのでそこは大丈夫だろう
なんてたって、ゲームのヒーロー達だ。特にこの国ハイランドの皇太子はヒロインの聖女と結婚するとかしないとか噂が有る。じゃなきゃ平民が学園に入る事など不可能だ
まぁ、モブの私としてはどうでもいい事なのでただ見てるだけだ。悪役令嬢が可哀想になるぐらいヒロインに甘いのだ。婚約者が居る殿方と仲良くなるのも本来ならアウトなのだがヒロインパーティーの馴れ合いにはうんざりする
それを正そうと婚約者の悪役令嬢がたしなめているんだが全く耳に入らないのだ。馬の耳に念仏ってやつだ。それで断罪されるんだから可哀想しか思えない。ヒロインが誰か1人を選べばいいのだがもっか逆ハーレム状態だ
おっと、この香りはモンスターを引き寄せるお香だ。誰が焚いたのか見るの忘れた…
まぁ、後でネオに聞けば分かるだろう
「ルル、大丈夫ですか?!モンスターが次から次にやってきてキリが有りませんね!」
「わたしは大丈夫よ!みんなが守ってくれてるからだけど…どうしたらいいの?」
などとヒーローごっこしているので面倒臭くなった私は風魔法を発動した!強い台風並みの威力だから一応、モブだけど声は掛けた
「皆さん、何処かにつかまって下さい!出ないと吹き飛ばされますよ!一緒に!」
風魔法のトルネードでモンスター達が吹っ飛ぶ
焚いてた香の効果もなくなったはずだ
何人かクラスメイトが飛んでたが…別にいいか…
ヒロインパーティーは固まってガードしていたので無事だと分かりがっかりした気持ちになったのは内緒だ
「貴女がやったんですか?ここはリース様が助けてくれるはずだったのに…居ないなんて…」
やっぱり前世の記憶持ちか…厄介な訳だ
ネオは正気を保てるだろうか…?
ネオがヒロイン側に言ったら本当に縁切りしよう。このヒロイン、完全に逆ハーレムを狙ってる。関わりたくないわね
「リース様って誰ですか?ルルさん。私は風が強くなったので声を掛けただけなので…失礼します。あ、飛んでった人達、助けなくていいんですか?」
「そうよね…助けなくちゃダメよね…みんなお願い出来る?」
またヒーロー達だよりか!何の為の聖女なんだろうな?
私は何も言わずにネオのところに戻った
「結局、私が風で吹っ飛ばしたわー」
「うん。見てた。トルネードなんて使わなくても良かったんじゃないのか?」
「あー、運悪ければヒロインが死んでくれるかなぁってちょっと思っちゃったもんだから…ついね」
「アハハ、ラスは面白いなぁー」
「お香を使ったやつは野郎だったけど…どこの誰かまでは分からないな。詳しくは拷問かければ分かると思うけど…必要ないよな?」
「そうね。別にどうでもいいわ。それよりヒロインも転生者だったわ。リース様が助けてくれるはずだったとか言ってたからめちゃ狙われてるわよ?普通は1人を選ぶんだけど逆ハーレム狙ってるみたいね」
「マジか…引くな。断罪までこれで行くから君もあんまり目立たないようにな」
「大丈夫よ、さっきの魔法の事なんて忘れられるわ」
「あんな風魔法とか生徒が使えるもんじゃないのに?忘れられる訳?」
「そうよ?便利でしょう。ヒロインが興味ない事は流されて終わりよ」
「俺は忘れないから」
「それより帰りましょうよ。くっだらないごっこ遊びを見てたら気分が悪いわ。ただのやり取りを見てるだけでいいわね」
「1年我慢すればいいんだろう?俺、本当に無理なんだけど…知らないのにリース様が助けてくれるはずだったとか怖くない?」
「まぁ、世界に浸ってるのよ。非常識な事をしようとしているのに気づけないの。自分がヒロインだから何でも許されると思ってるけどゲームの世界だけど私達からしたら現実世界だって事を理解してないのね」
「怖いな…そんなのに人生を預けるなんて」
「ずっと、認識阻害魔法を使ってればいいんじゃないの?」
「そしたら、お前にも分からないだろう?」
「たまに誰も居ない時に話し掛ければいいんじゃないの?」
「それはつまらないだろう?」
「私は別にいいけど…」
「冷たいな…俺から離れられないぐらい好きにさせてやるからな!」
「嫌よ。貴方がヒロインに寝返った時に傷つくの私じゃないの」
「それはそうだが…」
「今日のイベントは終わりよ。帰って休みたいわ」
私…1年後までは絶対に好きにならないわ…
忘れられたら私だけが覚えてるなんて嫌に決まってるんだから…




