オークの巣
ラパールの町に入った俺達は、ギルドに向かった。
もう遅い時間だったせいかギルドには冒険者の姿は無く職員さんがちらほらといるだけだ
受付の女性に話し掛ける
「すいません、少しいいですか?」
「はい、モンスターの買取でしょうか?」
「いえ、ここに来る前に通った小さな森の中にオークが集まる洞窟を見つけましてギルドに報告しておこうと思いまして」
「そ、そうですか。ただ今ギルドマスターは不在でして係りの者を呼びますので少しお待ち下さい」
そういってパタパタと奥に走っていった
奥から少しムキムキのガタイのいい人族のおじさんがやってきた
「おう、お前かオークの巣を発見したって奴らは」
と俺達に話し掛けてきたので
「あ、はい。近くの森でオークが5匹入って行くのを確認しました。」
「ほう、それでお前らは巣を見つけたが何もしないでここに来たと」
「いえ、入り口は塞いできましたよ」
「は?」
「オークが町を襲ってきたら困りますし、出てこれないように入り口を塞いで来たんです」
「そういやお前ら見ねぇ顔だな、どこから来た?」
「すいません先程ここに来たばかりの旅の冒険者です。
先日までは獣国におりまして、その前は帝国に居ましたが」
「そ、そうかそりゃー悪かった、対応が良くなかったな」
「はあ?そうですかね?」
「せっかく知らせてくれたんだ、教えておいてやる。
オークってのは光る物を集めるのが好きなんだ、オークの巣なんて見つけたら下手するとお宝がいっぱいあるってのがここら辺の冒険者達の噂なんだよ。」
「なるほど、それで私達がウソをついて報酬を貰おうとしている、だから対応が悪かった
そういう事だったんですね」
「ああ、すまんかったな。今ギルドマスターが不在で副ギルド長の俺が追い出そうとしてたって訳だ」
「いえ、まさかそんな事とは知りませんでしたので」
「それでだ、今の話が本当だとするとオークの巣があると言うのは本当のようだ、明日の朝希望者を募り討伐に行く。キミも来るかね?」
「そうですね、入り口を元に戻さないと入れませんし、付いて行きます」
「分かった、では明日の朝8時にギルドに来てくれ、
オークの数と中の買取金額に応じてキミにも報酬を渡そう」
「分かりました。」
「私はラパールギルド副ギルド長のメッシズだ、キミは?」
「ご丁寧にどうも、私はC級冒険者のユウと申します。では明日また来ますのでよろしくお願いします」
と言って俺達はギルドから離れ宿屋に向かった。
宿屋でクリスとフレイと相談する
「明日はどうします?他の冒険者の邪魔はしたくないので入り口だけ解放して中には入らない予定ですが」
「ユウが 行かない 私も」
「そうね、中のお宝には興味はあるけど、他の奴らと揉めるのは面倒よね」
「ではみなさん入り口で待機という事で」
そう話し合って今日はこのまま寝る事にした。
この宿屋は男性と女性の同じ部屋はダメで俺達は別々の部屋に泊まる
部屋に鍵を掛け元の姿に戻りベッドでゴロゴロする
「1人で寝るのは久しぶりだな」
『私はいるけどね〜』
「このスライムの姿で話せるってのがなかなか難しくてね」
『そうよね〜こんなプヨプヨ見せれないわね〜』
と言って俺のお腹の上でポヨンポヨンしているナチュル
「それにしてもオークが集めるお宝か〜
どんな物を集めるんだろうオークって」
『どうせガラクタよ、モンスターなんて物の価値は知らないもの』
「ま、そうだよな〜」
『どうせ探すならドラゴンの巣の方がお宝が眠ってるわよ』
「ドラゴンねぇ、ちょっと怖いかな」
『あれ、前に倒してたじゃない』
「いや、あのドラゴンはちっちゃい方だったし、そんなに怖くなかったからね」
『え、ストームドラゴンって割と普通だと思ったけど』
「私が怖いと思ってるのは古代竜ですね」
『あんたアホなの?そんな竜滅多にいないわよ』
「えっ?そうなんですか?」
『あんな竜そこら中にいたら、こんな世界もう無くなってるわよ』
「まあ確かにそうですよね」
『ま、明日はガラクタしか出てこないと思うけど、ちょっと楽しみね』
「まっ、私はお宝探しはしませんけどね」
『私はちょっと見てこようかな』
「どうぞ、でも危なかったら帰って来てくださいね」
『ウフフ、分かったわよ』
俺は布団に潜り眠りについた。ナチュルも一緒に寝るがスライムと精霊が一緒に寝てもベッドは半分も使わなかった
次の日の朝目が覚めるとナチュルはまだ寝ていた
俺はナチュルを起こさないようにそっとベッドから出てユウの姿になり、部屋を出て食堂に移動する
食堂には誰もおらず朝日を浴びながらボケーっとしていた。暇なので自分の手を見てステータスを見てみる。
種族 スライム
名前 守田 優
職業 魔法剣士
LV 34
HP 505
MP 1501
力 286
守 257
早 290
魔力 342
魔法 雷術 回復術 土魔術 闇魔術 死霊魔術 氷魔術 催眠魔術
スキル 【槍術】【刀剣術】【暗殺術】【MP増大(特大)】【HP自動回復】【状態異常無効】【変異】【変体】【念話】【魔力操作】【肉体強化】 【魔法解除】
【纏】【障壁】【魔素召喚】【魔糸】【分体】
もうLVが34になった
まだこの世界に来て半年も経ってないのに
そもそもモンスターとの遭遇が多過ぎる
この世界って強くないと本当にすぐ死んでしまう。
あの時エルさんが俺に生きる術を教えてくれなかったら今はどうしていただろう
とにかく、悪魔からこの世界を守る為にも、この魔術大国の偉い人に手紙を渡す。
その後の事は分からない、それぞれが防衛の為にする事もあるだろうし
俺は、俺達は最低限死なないように努力して生きていくしかない。
クリスは王国の為、フレイも獣国の為に奔走するだろう。
俺は2人の力になってあげたい。
今まで旅を共にしてくれた仲間だ。
今はとにかく自分達が強くなる事を考えよう。
しばらくするとナチュルが飛んできてポッケに入り、その後すぐにクリスとフレイも食堂に集まり、みんなで食事をした。
時間になったのでギルドに行くと、副ギルド長に
「よし、時間通りだな。それではオーク討伐に向かうとする」
と言ってすぐに森に向かった。
メンバーはB級の冒険者パーティ銀の拳という3人のムキムキ達とC級の乙女の戦いという2人のパーティ、それと副ギルド長とその側近の一人で合計7人で攻略するようだ。
今回副ギルド長が出るのは、本当にオークの巣なのかの確認の為と、冒険者によるお宝の強奪防止の為だそうだ。
俺達は巣を発見したという事で報酬が出るとのことなので討伐には参加しない。
しかし、洞窟に来るモンスターを見張っていて欲しいという事なので、皆んなが戻って来るまで入り口で待機する。
しばらく歩くと例の洞窟が見えてきた
副ギルド長にあそこですと伝え他の冒険者達がやる気を出す
「本当にここかい?岩で塞がっているようだが」
「ええ、皆さま準備はよろしいですか?」
「ああ、それは大丈夫だが」
俺はその岩に向けて魔法を放つ
「レグレッション」
入り口を塞いでいる岩に魔法解除の魔法を使う
すると岩が元の土に戻り入り口が現れた。
「なっ!何が起こったんだ」
と副ギルド長は驚いている
「いえ、説明したように魔法を使っただけですよ」
「き、キミは魔術師だったのかい?」
「いえ、魔法は使えますが」
「そ、そうか、本当に魔法を使えたのだな」
「まあ、一応は」
「よ、よし!それではこれよりオーク討伐に向かう。
先頭は銀の拳、モンスターと出会い次第倒していけ、次は俺達が入り、後衛に乙女の戦いだ
中にあるお宝は見つけ次第連絡する事、後でその分の報酬を渡す」
「おっしゃーお宝だぜぇ!」
「ついてるぜぇ!」
「私達の分もとっておいてよね!」
「そうよ、せっかくのお宝なんだから」
とお宝お宝と叫びながら洞窟に入っていった冒険者達
正直不安でしか無い。
『あいつら大丈夫かしらね、あのムキムキマンが1番強くてLV45だったけど
オークはみんなLV40位だったし、本気で戦わないと死ぬわね』
とナチュルが怖い事を言ってくる
「何か今の人達みたいな冒険者ってすぐにやられちゃうのよね」
とフラグを立てちゃうフレイさん、
「だ、大丈夫ですよB級ですよ、きっとオークなんか倒してお宝抱えて戻って来ますって」
「ならいいんだけどね」
「ここは あったかいね」
とクリスは空を見上げて呟く
『やっぱりクリスは癒されるな〜』
俺達は入り口に他のモンスターが来ないように見張る事1時間、洞窟からの連絡もなく、近寄ってくるモンスターも無く、時間が過ぎていくのであった。




