魔術大国への旅 6
俺達は国境に向かう。
ちょっと歩いている自分達を見てみる
クリスは普段は景色を見ながらボーっとしていて
フレイはキョロキョロとしながら歩くので楽しそうだ。
ナチュルは俺の頭の上で座っていて、パタパタと飛んだり空を眺めたりしてたまに声を掛けてくる。
そんなのんびりした旅をしながら進んで行く。
しばらく歩きもう少しで国境かなと思っていたら遠くで馬車がモンスターに襲われていた。
クリスとフレイを見ると、2人もこっちを見て頷いた
俺達は走って馬車に向かっていった
馬車を襲っていたモンスターはアーマーアントが10体だった
アーマーアントは1mの蟻だ。
鎧のように硬い皮膚か身を守ったいる為この名になったそう
馬車を守るのは、おそらく護衛に雇われた冒険者達3人
いずれも屈強な肉体の獣人達だ、硬い皮膚のアーマーアントを殴ったり蹴ったりして倒そうとしている
「くそっ!数が多い!商人!馬車から逃げる準備もしておけよ」
「ひぃいいー!」
アーマーアントは守りは硬いが攻撃は噛み付きだけなのでそこまで脅威ではないが、数が多いので馬車は無事ではすまないだろう、
俺達はワザと両手を広げて大きな声で護衛の人達に声を掛けた
「通りがかりの旅の冒険者ですが、お困りでしたら助太刀しますがよろしいですか〜」
「お、おう。すまねぇ!正直助かる」
「悪いな」
「馬車を守るからここを頼む」
「わかりました〜では助太刀させて貰いまーす」
「クリスはそのまま、フレイは前で攻撃」
「「了解」」
俺は黒剣でアーマーアントに斬りかかる、
フレイも風の槍(昨日命名した)でアーマーアントを突き刺す
俺は進ませないように、硬い皮膚を無視して、細い足を斬って進ませないように戦う
フレイもそれを見て、同じように足を狙って攻撃する
俺とフレイで5匹を動けなくしたところで、
「クリスお願いします」
「了解」
クリスは足が無くなり動けなくなったアーマーアント達5匹に向けて魔法を放った
「ファイアーインフェルノ」
炎の渦がアーマーアント達を焼いていく
動けなくなったアーマーアントは逃れることが出来ずに全て焼死する
「ま、魔法だと!」
「あんなちんまい子どもが!」
「あっちー!こっちまで火の粉が」
と魔法を見て驚いている冒険者達
「後少しですね、頑張りましょう」
と冒険者達を奮い立たせる
「よっしゃ!やったるか!」
「あんなちんまい子に出来て俺らに出来ない事はない!」
「後3匹だ!いくぞ!」
冒険者の3人はその勢いのままアーマーアント達を撃退した。元々勝てたとは思うが馬車にも被害が出ていないので良かったと思う
「すまねぇ助かったよ」
「すげぇなちんまい子!人族か?」
「俺も魔法使えればな、負けないけどな」
と獣人なのに気持ちの良い冒険者達だった
「あなた達は人族だからと言って何も言わないのですね?」
と気になったので聞いてみると
「ああ、こっちから来たって事は中央かサウルスから来たんだな」
「国の奴らは頭が硬い。人族が憎いって言っているのは国から出た事がない奴らばかりさ」
「俺達は旅の冒険者だ、ムカつく人族は確かに多いが、そうじゃない良い奴らも知ってる、だから俺達はそいつを見てから決めるようにしてるんだ」
凄い、旅で成長したというお手本のような人達だ、是非獣国みんな旅に出たらいいのにとか思ってしまった
「せ、戦闘は終わりましたか〜」
と馬車から小さな女の子が出て来た
「おお、悪いな、この人達に助けて貰って何とか無事に終わったよ」
「そ、そうですか〜、皆さんありがとうございました」
と小さな女の子はペコリと頭を下げてくる
「いえいえ、困った時はお互い様ですから」
「あまりお礼は出せませんが」
と言ってお金を出そうとするが
「本当にただ通りかかっただけで、私達がいなくても勝てた戦いでしたからお礼は結構ですから」
「え、でも」
とモジモジしている女の子
「しょ、商人をされてるんですよね、もし良かったら物を見せてくれませんか?
それで少し安くして頂けたらそれで嬉しいのですけど」
「そ、そんな事でいいなら!」
と馬車戻っていく女の子
『あれはホビット族ね』
『ホビット?』
『小さな女の子に見えるけど、きっとあんたより年上よ』
『ま、マジですか!』
『ホビット族の商人は昔から変わったものを売る旅に行く習性があるから変わったり物があるかもね』
とナチュルと話をしていると、馬車から小さな女の子が戻ってきた。
「あ、私達は冒険者をしていて、私はユウと言います、クリス、フレイです」
「よろしく」
「よろしくね」
「ああ!商人の私としたことが自己紹介もせず申し訳ありません。」
と頭を下げてきて
「私はホビット族のノルンと言います。旅の行商人をしています。
先程魔術大国から来たばかりです。」
「私達は中央、サウルスと来て今から魔術大国に向かう所です」
「そうですか〜では丁度いいかも知れません、今魔術大国は魔術大会の準備で忙しいそうですからね、今から行けば丁度見られるかも知れませんよ」
「それは是非見てみたいですね〜」
「そこでこの商品です」
とノルンが出してきたのは双眼鏡?
「これは魔導鏡と言いまして、魔力を使って遠くまで良く見えるという優れものなんですよ、
これがあれば遠くからでも魔術大会が間近で見えるのです。」
「へぇ〜試してみても」
「どうぞどうぞ」
と魔導鏡を渡されたので覗いてみると
「おお!凄い、めっちゃ遠くまで見える」
天体望遠鏡まではいかないが、1キロ以上遠くのものまで見えるようだ
「凄いでしょ!コレ」
「凄いです」
「こちらの商品のここを見て下さい」
俺はそこを覗き込むとコンスタンチン作と書いてある
「そう、これは魔術大国でも有名魔道具職人の人が作った新作なんです」
「し、新作ですか」
「そうなんです、こう見えて私コンスタンチンさんと親しくさせてもらってまして、この様な新作を売ってもらえるのですよ」
「へぇ〜」
「そして、この魔導鏡を買って頂けると、豪華特典が付きます。」
「と、特典ですか」
「このイヤリングです。」
「イヤリングですか…」
と少し落ち込む俺
「ふふふ、ですよねイヤリングか〜いらないなって思うでしょ?
違うんです。このイヤリングも魔道具なんです」
「なんだって〜」
「このイヤリングは魔導鏡とセットになってまして、魔導鏡に付いてるこの部分に声を掛けてると…」
「掛けると…」
「何と離れていてもこの声が聞こえてくるという大発明品なんですよ!」
「そ、それは凄い!」
マジで凄い
「こちらも試してみて下さい」
「は、はい」
と言ってイヤリングをつけてみると
「聞こえますか〜」
とノルンさんの声が聞こえたのだ、ノルンさんを探すと、少し離れた所から魔導鏡に向かって話していた。
「どうですか?凄いでしょう」
「とても素晴らしい商品だと思います」
俺は感動した
「今でしたらこの魔導鏡を買ってもらえると通信イヤリングをお2つお付けして、私頑張りました、この3点セットで50枚切りました!何とたったの金貨49枚のご提供!」
「おお、安い…のか?」
「まだ待ってください、イヤリングを無くした、壊れたという人もいるかも知れません。
そこで、私さらに頑張りました。
今ならさらに2個、全部で4つお付けしましょう!このボリュームで金貨49枚でご提供させて頂きます」
「イヤリング4つも付けて貰っていいんですか!?」
「はい、特別価格でご提供させて下さい」
「か、買います」
「ありがとうございま〜す」
俺はポーチから金貨を49枚確認してノルンさんにはらう
「あ〜あ兄さん買っちゃったよ」
「そんな遠く見ても仕方ないのにな」
「なんかアレもコレも付いてくるからお得だって思っちゃうんだよな〜いらない物ばかりなのにな」
と冒険者達は可哀想な人を見る目で俺を見ていた
「ユウ それいるの?」
「あ、あんた金貨49枚って大金よ。わかってんの?」
『このホビット族も面白いけど、やっぱりユウだわ
そんなゴミに金貨49枚も出すなんて、プププ』
こいつら全員わかっていない、この魔道具がどれだけ役に立つのかを、
少し高い所から見れば敵全体を遠くから見ることが出来、イヤリングを通せばそれを伝える事ができる。
もし敵にこれを持っていたら真っ先に壊したい代物だと俺は思う。
「ありゃ?助けて貰ったお礼と思ったのに、ついいつものように売ってしまいました
冒険者さん、お金はお返しします、それをお礼として貰って下さい」
とお金を返そうとするノルンさん
「いえ、これは僕がこの金額のお金を払っても欲しいと思ったものですからいいんです。
むしろ色々付けてくれてありがとうございます」
「いやいや、そう言われると嬉しいな、ではこのお金をもらう代わりに、もう少しサービスしようかな」
と言ってカバンをガサガサし始めたノルンさん
「これも付けちゃうね」
と出してきたのは指輪だった
「この指輪は?」
「これは私のお姉ちゃんがくれた指輪なんだ」
「そんな大切な物は貰えませんよ」
と返そうとすると
「その指輪光ってないでしょ?」
とノルンさんが言うので指輪を見てみると
確かに指輪に付いている石が光っていない。
「それは魔法を閉じ込めておける指輪なの」
「す、凄いじゃないですか」
「前にも旅をしてると同じ様に危ない時があってね、その時使っちゃったんだ、で今は使えないし使ってもいないんだ、それ」
「また魔法を込めれば使えるのでは?」
「うん、だから命を救ってくれた君達にあげようと思うんだよ。」
「で、でも」
「因みにお姉ちゃんは細工師だから、同じような指輪はたくさん持っているから、また欲しいって言えばくれるからそんなに大したものじゃないから安心してね」
「そ、そうなんですか、では頂きますね」
「うん。助けて貰ったうえに、商品も買ってもらったしね、それくらいの恩は返させてね」
と笑顔なノルンさん
「すいません。ではありがたく使わせて頂きます」
そうして俺は思いもよらない所で、とても良い買い物が出来、さらにとても良い指輪も頂いて、ノルンさんと冒険者達と別れた。
しばらく歩き俺達は国境の手前に着きテントを張り今日は国境の手前で夜を明かした。




