アームドリオンとの戦い
俺の目の前には4本の腕を持つ5mはあるでっかいライオンがいる。
『さて、ナチュルにはカッコつけて何とかするって言ったけど…』
デカいし強そう…
さっきまでは6足歩行で横で歩いていたが、今は後ろ足でしっかり立ち4本の腕を大きく広げて威嚇している。
ライオンの顔に4本の太い腕、胴体も分厚く後ろ足も太くゴツい、
体の色も毛も暗い青で目だけが金の双眸だ。
ギルドの本にも載っていないモンスターだ、対峙するとその強さが分かる
「ユウさん、逃げましょう!コイツはヤバい、俺達の手に負えるモンスターではないです」
とクロテニさんが麻痺から解けて言ってきた。
「ですが私達が止めないと町に甚大な被害が出ますよ」
「で、ですが…」
「まっ、ヤレるだけやってみてダメそうなら逃げましょう」
「わ、わかりました。」
と足がプルプルしている
「クリス!フレイ!無理は絶対しないように!」
「わかった ユウ」
「くっ、よくも恥ずかしい思いさせたわね!絶対許さないからこの青!」
フレイも大丈夫そうだな
「グガアォォオオオー!!」
叫びながらアームドリオンが右腕2本を振るって来た
「障壁」
俺は目の前に魔力による障壁を出し、攻撃を止める
「ガギィイイー!!」
金属と金属が擦れるような大きな音を立てるが、何とかその攻撃を凌いだ
「クリス!」
待ってましたという顔をしてクリスは魔法を放つ
「ファイアーインフェルノ」
炎の渦がアームドリオンに襲い掛かる
「グルアァァー!!」
と叫び声を上げるが倒せてはいない
「ロックガトリング!」
近くの土や砂を拳位の岩に変え、それをガトリング砲の様にアームドリオンに打ち込む
「ギャルオォォー!!」
分厚い筋肉のせいで貫通はしないがダメージは与えているようだ。
アームドリオンはその場から後ろに高く飛び、岩の弾丸と炎の渦から流れてしまう
「ジャラオォォォ」
アームドリオンは怒り近くの岩を持ち上げこちらに放ってくる
「躱してください!」
後ろのクリス、フレイ、クロテニさんに声を掛け飛んでくる大きな岩を何とか躱す
と同時にアームドリオンはクロテニさんに襲い掛かる
「うわああああ!!」
「クロテニさん!凶戦士化です」
「く、くそがぁ!」
クロテニさんの目が赤く染まる
「グ、グオオオオオ」
クロテニさんの筋肉が肥大して一回り大きくなる
両腕でしっかりガードすると、アームドリオンの攻撃を受け止めた
「おお、すげえ」
クロテニさんはそのまま、アームドリオンに殴り掛かる
「グルアアアアア!!」
「スゴーォォォン!!」
と音を立てアームドリオンの顔面にパンチを入れる
口から血が流れるアームドリオンだが、その場から引くクロテニさんの腕を掴んだ
そのまま引き寄せ噛み付くつもりだ
「そうはさせないわ!」
クロテニさんを掴んでいる腕に渾身の突きを入れたフレイ、アームドリオンも堪らずクロテニさんを離す
「グルアアアアア」
クロテニさんはフレイに殴り掛かる
「ちょっと!あんた何なのよ」
俺は黒剣な魔力を込めその拳を受け止める
「ガキィィン!」
「レグレッション」
クロテニさんに魔法解除の魔法を使う
すると目の色が戻っていきクロテニさんは我に帰った
「お、俺は一体?、それにこの力」
「良かったです、どうやら無事に元に戻れましたね、しかも凶戦士化の力もそのままで」
「凶戦士化?」
「あ、あんた危ないじゃない!ユウが助けてくれなかったら私があんたに殴られてたのよ!」
「す、すまない」
「ま、まあ、ユウが助けてくれたから大丈夫だったけどさ、気をつけてよね」
と顔を赤くしてモジモジしているフレイ
「さ、戦いはこれからです、集中しましょう」
「「「はい!」」」
アームドリオンはこちらの動きを伺っている
「クロテニさん、コレを使って下さい」
と俺は黒剣を渡す
「武器が短剣しかなくて困ってたんだ、助かるよ」
「魔力を込めてありますので、本気で使っても折れないと思いますので思いっきりやっちゃって下さい」
「そうなのかい?では遠慮なく」
「フレイの槍を貸してください」
「えっ?コレ気に入ってるから返してよ」
俺は槍を手に取り魔力を込める
すると穂先くら風が纏わりつき槍全体が台風の様な風を纏う
「ちょっ!何なのコレ」
「以前戦ったストームドラゴンもそのように風を纏ってましたから、きっと同じ効果が出るのかと思ってましたが、まさかここまでとは」
と言って槍をフレイに返す
「あわわわわわ」
「攻撃されそうになったら槍を盾にして下さい。
風が攻撃を避けてくれるはずです」
「わ、わかったわ」
「クリス」
「何?」
「私と手を繋ぎましょう」
「どうして?」
「私の魔力を使って特大の魔法を打ちましょう」
「出来るかな?」
「クリスなら出来ます」
「失敗 しないかな」
「失敗したら次も頑張りましょう」
「ユウ」
「何ですか?」
「私頑張る」
「一緒にね」
俺達が用意している間にアームドリオンは傷を癒していたようだ。
ある程度治ったアームドリオンはこちらに向かって飛んできた
「行きます!合わせて下さい!」
「ダブルクロスライトニング」
俺は両手で雷をアームドリオン辺りでクロスさせるライトニングを放つ
一本は外れたが、一本は左腕と胴体に着雷して黒焦げにすることが出来た
「ピギャオォォォォー」
高く飛んだことが仇となり、体制を崩し地面に落ちるアームドリオン
「魔糸」
魔力で作った糸をアームドリオンを放つと糸はアームドリオンに巻きつき動きづらくする
「グギャルギャン!」
動きずらくなったアームドリオンは自分に何が起こったのか理解出来ないようだ
「お願いします」
「「うおおぉぉ」」
フレイとクロテニさんが同時にアームドリオンに攻撃していく
フレイは風を纏った槍を滅多突きして、アームドリオンは穴だらけにして、
クロテニさんも力任せに黒剣を振るい続け、右腕を両断した。
俺はクリスと手を繋ぎクリスを通して炎の魔法に俺の魔力を伝達する
クリスは少し苦しそうだ
「クリス、大丈夫?」
「うん ユウのが 凄くて」
「失敗しても大丈夫だからね」
「うん ユウ 私 頑張る」
俺はクリスの中に魔力を注ぎ終え、アームドリオンの足元に魔法を使う
「みんな離れて!」
2人はその場から飛び距離を取る
「グラウンドホール」
アームドリオンがすっぽりと入るくらいの穴を開け、そこにアームドリオンを落とした
「グルォグラォォォ?」
「クリス」
「ヘル・ファイア・インフェルノ」
黒く染まった獄炎の渦がアームドリオンを包み込む
黒い炎の渦は炎に触れた全ての物を焼き尽くした。
アームドリオンは叫ぶ事も出来ずに全て燃え尽きてしまった
[レベルが上がりました]
[レベルが上がりました]
「終わっ」
クリスがその場で倒れそうになる
俺はクリスをしっかりと抱きしめ
「お疲れ様でした」
「私出来た 火の最大魔法 ユウのおかげ」
「クリスが頑張ってくれたからですよ」
「うん 眠い」
「このまま寝ていいですよ」
「おやすみ ユウ」
そのままクリスは魔力を使い果たし寝てしまった
「な、な、何今の!凄い魔法だったけど!」
とフレイが大声で近寄って来た
「しぃー」
と人差し指で静かにたジェスチャーする
「あっ」
と寝ているクリスに気づいたフレイ
「今のはクリスさんの大魔法ですよ、今回は私も力を貸しましたが、次からは自分で撃てるはずです」
「私も負けてられないわね」
と意気込むフレイ、いい女だな
「一緒に頑張りましょう」
「ええ」
「終わったのですね」
とクロテニさんも静かに寄ってきた
「何とかなりましたね」
「さっきのはその子の魔法ですか?」
「そうですね」
「本当に勝てたのですね、ありがとうございます」
「みんなのお力添えがあっての勝利です」
「そういえば、ギルマスのゲイルさんとランドさんは」
「わかりません」
「フレイ、クリスを運んで予約してある宿に先に戻って貰えますか?」
「いいけど、ユウどこ行くのよ」
「ゲイルさんとランドさんを探しに」
「ああ、わかったわ。早く帰ってきてね」
「すぐに戻りますよ」
そう言ってクリスとフレイと離れ、俺とクロテニさんで先行したゲイルさんとランドさんを探しに行くのであった。




