サウルスの町 2
獣国国境の町サウルス
リンシャン中央都市と比べると小さく、人口も少ないが
かなりの大きさの町だった。
この町を治めるのは、4獣剣の1人イエスさんだが、今はリンシャンに居るので留守である。
門をギルドカードを見せて通り、今日の宿を探す。
この町にもギルドがあり、その近くに良い宿があったのでそこに泊まる。
まだ夕方なので寝るまでの間自由時間にして、俺はギルドの図書館に行く。
ギルドに着くとチラホラと冒険者が居たが、閑散としていて、絡まれる事もなく図書館に行くことが出来た。
『ねえねえ、何の本見てるの?』
ナチュルが聞いてくる
『ここら辺のモンスターがどのようなのが出て、弱点、剥ぎ取り方、色々な事が記載されている本を読んでいるのですよ』
『ふ〜ん』
あまり興味がないのか図書館をパタパタと飛び回り始めた
俺は一通り目的の本を読み終えると
『ねえねえ、これさっきの塔の事が載ってる本じゃない?』
ナチュルは本棚の奥にある古い本に指をさす。
『これですか?』
『そうそう』
一冊の古い塔の絵が書いてある本を取り出し見てみる。
サウルスの南の山にある古い塔はドラルーの塔という
中には様々な試練があり、それを全て乗り越えた獣人が手に入れることが出来る能力は計り知れない。
中にはドラゴンに変身できると言った学者もいた。
しかし、挑戦したそのほとんどが途中で諦めその力を見たものはいない。
最後に試練を乗り越えたとされる獣王アレキサンドリアは魔王との戦いにその能力が大いに役に立ったとされ
獣国の発展に大きく関わったとされている。
今は塔には封印が施され、それを開ける鍵は王家のものしかわからない。
この塔が必要にならない事を祈る
どうやらあの扉の鍵は赤ライオン獣王が知っているようだ
近寄るなというくらいだから、あの塔の事を知っているのだろう。
俺は本を閉じ本棚に戻した
『あの塔の試練を乗り越えたら凄い能力が手に入るって書いてあったよ』
『覚醒のことね』
『やっぱ凄いんだろうね』
『う〜ん、昔は殆どの獣人が出来たんだけどね、今って平和だから必要が無くなったのかもね』
『でもこの本に魔王と戦ったって書いてあったよ』
『ああ、あの弱っちぃ魔王の事ね。
100年くらい前に弱っちぃ癖にこっちの世界に乗り込んできて、返り討ちにあったアホ魔王もいたわね』
とケラケラ笑っている美少女精霊
『知ってるの?魔王の事』
『なんか調子に乗って私に力を貸せだの、部下になれだのうるさかったのは覚えてるわ』
『断ったんだ』
『あいつに興味ないもの、丁重にお断りしてしたわ』
『因みに魔王さんのレベルはどれくらいだったの?』
『えっと〜150位じゃなかったかしら、部下より弱かったんだもんアイツ、だらしない魔王だったわね』
『それでも150か〜遠いな〜』
『まっ、気長にやっていきましょ』
『そうだね』
俺達は図書館を出る。
もう閉店なのか魔道具の光が弱く、室内が暗い
職員も色々と片付けをしている
そこに大きな熊の獣人が慌ててギルドに駆け込んできた
受け付けの人は慌てた熊の獣人の話を聞いている
ギルドの職員はみな青い顔をしている
『どうしたのかな?』
『聞いてみましょう』
俺は熊の獣人の話を聞いていた受け付けの職員さんに話を聞いてみる
「すいません、何かあったんですか?」
「実は国境横の備前山からモンスターの大群が降りてきて、この町に向かって来ているそうなんです。
領主様のイエス様は王都ですし、冒険者の人達はもう皆さん帰ってしまい、招集をかけてとどれくらい集まってくれるか…」
『ヤバいのかなこれは』
『う〜ん』
「今冒険者のA級の人が泊まっている宿に連絡をしているところです。
その他にもBやC級の人達にもお願いしています。
あなたも冒険者であれば防衛戦に参加して下さい。
もちろん報酬も出しますので」
「分かりました。仲間を呼んでまた戻ってきますね」
「よろしくお願いします。」
着いてすぐとはツイてないが、誰かがやらなければならない事だ。
俺はクリスとフレイと合流して再びギルドに戻るのであった。




