魔術大国への旅
俺とクリスは城を出て、教会のある方へと向かった。
道は活気に溢れ、行き交う人皆元気だった。
「おう!そこのヒョロヒョロ、串焼き食って筋肉つけな!」と渡される串焼き
「あ、はい。いくらですか?」
「あー、まず食ってみな。んで美味かったら買ってくれ!一本銅貨2枚だ」
「いただきます。」
俺は食べたが味がわからない
「うめぇだろ?さっき捌いたばっかのギュウギュウ牛だ」
「ギュウギュウ牛?」
「何だ?知らないのかおっさん。ギュウギュウ牛はな、牛の癖にギュウギュウって鳴くモンスターだよ。
たまたま狩った冒険者の奴が腹空かせて食ってみたら美味かったって事で今は大人気の串焼きだ。」
クリスが後ろで食べたそうにしていたので、
「とても美味しかったです。
では串焼き3本下さい。」
「へい!まいど!」
と串焼きを3本貰い、内2本をクリスに渡し食べながら歩いた。
「ユウ 美味しいね」
とエンジェルスマイルなクリスたん
「ええ、とても美味しいですね。零さないように気をつけて下さいね」
他にも色々な露店があり、声を掛けられたりするが大体ヒョロヒョロと言われたり、おっさん呼ばわりだ
まあそうなんだが
この人達に悪気はないんだろう、なんせ道行く人(獣)皆ムキムキだし、露店の人までムキムキだ。
獣国とは筋肉の国と言っても過言ではないのかも知れない。
そんなマッスルロードを抜け、ようやくたどり着いた教会はシンプルな建物で屋根に大きな十字架が掛けられた
白い可愛らしい建物だった。
外にシスター衣装を着た大きな熊がいた。
「すいません。少しよろしいでしょうか?」
「どうかされましたか?」
と熊シスターが優しい声で聞いてくる
「実はこの度レベルが50になりまして上級職になりたいのですがどうしたら良いのでしょう?」
と聞くと
「そうですか、それはおめでとうございます。
こちらの転職の部屋でお祈りをしていただければ、きっと上級職になれると思いますよ」
と説明してくれたのでクリスを連れて部屋に向かった。
綺麗に掃除された神聖さを感じる部屋
そこでお祈りをすると良いらしい。
「クリスさん、準備はいいですか?」
「うん。 ユウ 行ってくるね」
「ここで待ってますね」
『ここで見るクリスたんはマジで天使やな
神様クリスに良き職業をお与え下さい。』
すると声が聴こえてきた
『あれ?ユウじゃん!また来てくれたの。こっちおいでよ』
俺の意識はそこで途切れた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『やあスライム君お久〜』
『ああ、どうもご無沙汰しております』
『ほら、この前の教会のシスターがさ、お菓子を買ってお供えしてくれたから食べてみたら、すっごい美味しかったから、今度来たらお礼言おう思ってたんだ。
ありがとねユウ』
『いえいえ、とても素晴らしい職業を与えて下さいましたので、お礼なんて必要ありませんよ。』
『あの職業ってそんなにいいの?』
『えっ?』
『だって魔法覚えるのにも1度その魔法を見て、経験しないと使えないし、剣士の技もそうでしょ?
覚えた魔法だってイメージしないと使えないしさ』
『確かラーニングって言ったかな』
『そうだったんですね、普通に使えてました。』
『普通じゃないねキミ、魔法剣士はキミに合ってたのかもね』
『そうですよ、あなたが選んでくれたんですから』
『にゃほふ!良い事言うねユウ!』
『今日はどうしたの?まだレベルは低いみたいだけど?転職したいの?』
『いえ、今日は連れの女の子の上級職のお願いに来たんです。』
『あ〜そこで祈ってるちっちゃい子、キミってロリコンだったんだね』
『違わい!』
『ヒヒヒ!ユウは相変わらずオモロイね』
『…』
『上級職って言っても、僕は祈ってる本人が願う職を与えているだけなんだ』
『そうなんですか』
『ほら、剣士だったらもっと強くなりたいって願うでしょ?だからその上の上剣士って職や、誰かを守りたいって願うなら騎士とかの職になるんだ。』
『なるほど』
『だからキミの連れのちっちゃい子も今までの経験からどの職になりたいかを考えてると思うよ』
『そうだったのですね』
『お、そう言ってる内に決まったみたいだよ。
これはスゴいね、大魔導士って職だ!』
『なんか凄そうですね』
『うん。この職は最上位職とされていて人族では誰もいないんじゃないかな』
『うわークリスたんカッケー』
『きっとキミの横でキミの使う魔法を見て、自分も使いたいと強く願ったんだね』
『クリスたん…』
『因みに私の魔法剣士の上の職業ってあるんですか?』
『ん〜どうだろ?この職はユニークっていってキミしかなれない職だからね〜
キミのレベルが上がって、よりキミがもっとこうなりたいって強く願ったなら、さらに上があるのかも』
『私も2度敗北してますし、願わないとダメなのかもしれません。』
『うっそー、ユウっちそんな強いのに負けたとか
超ウケる!誰に?誰に?』
『え〜、上位悪魔?とかいうヤツです』
『ぶふぅー!!悪魔かい!それも上位ってそれはしゃーないよ』
『そうなんですか?』
『だってアレ人でもないしモンスターじゃないじゃん』
『まあそうですね、羽根も生えてたし』
『うわ、羽根有りとかマジで上位じゃん』
『羽根有りとは上位を示すものなのですか?』
『うん。普通人は空は飛べないでしょ?悪魔も飛べない個体が多い中、一握りだけその常識を覆すヤツが現れてそれを上位悪魔って言ってるんだよね』
『少ないのですね』
『でももう200年位前の話だし、今はどうなんだろもうそんなのいないって思ってたけど』
『けど?』
『もしかしたら魔王いるのかな?』
『いえぇぇぇー!?』
『ま、魔王っているんですか?』
『まあ、人族にも王っているでしょ?
悪魔達にも居ておかしくないからいるんじゃない?』
『どうしましょ?困りましたね』
『そお?きっとユウの方が強くなるよ』
『ま、マジですか?』
『マジマジ』
『でも余りレベル上がらないんですよ、私』
『え〜何で何で?サボってるの?』
『いえ、実は私の場合、倒すだけでなく吸収しないとダメなので、近くにいる人にスライムだってバレたくないのでなかなか吸収出来ないのですよ。』
『いっーひっひっひっ!!笑わせないでよー!!
スライムってバレたくないとかウケる』
『だって心は人ですから』
『だ・か・ら・笑わせないでー!!』
『はぁ〜面白かった。ユウってホント面白い』
『はあ〜 どうも』
『そんなキミには死んでほしくないからね、僕から特別な力をあげよう。』
『特別な力ですか』
『そう、僕はこれでも転職の神だからね、経験値の入り方ぐらいは操作出来るのさ。』
『どのように?』
『キミの体に僕の気を分けてあげる。神気っていうんだけどね、それを受け入れたらキミは戦いによる経験が吸収しなくても入るようになる。』
『それはとっても有難いですね。』
『でもね、吸収ってスキルによる吸収によって得られるステータスの増加は出来ないんだ。それは吸収するしかない。』
『それは大丈夫です。』
『これでキミは吸収しなくても経験値が入るからレベルが上がって強くなれるね』
『何から何まで本当にありがとうございます。』
『ところで前よりずいぶん長く、ここにいれるようになったね』
『魔法剣士になった時にステータスが倍になりましたし、指輪のお陰で余りMPが減らないからでしょうかね』
『スゴいねユウは。でもそろそろかな』
『そうですね。また来てもいいですか?』
『もちろんだよユウ。いつでも来て欲しいな』
『またお菓子置いていきますね』
『ありがとう。じゃあねユウ』
俺は意識をまた失った。
「ユウ 起きて ユウ」
俺は揺さぶられ目が覚める。目の前には天使がいた。
「ユウ 寝てた」
「ああ、すいません。教会に来るといつも眠くなるのです。」
「ユウ 私 大魔導士」
ととてもいい笑顔で嬉しそうだ。
「良かったですね、今人族ではクリスさん唯1人らしいですよ、大魔導士って」
「そうなの? 誰」
「寝ていたら神様がクリスさん凄いって夢に出てきました」
「ユウ 凄い どんな」
「10才くらいの子供でしたよ」
すると神の形の像から光の玉が俺に落ちてきた。
『ああ、これが転職神が言ってた神気かな』
俺は受け入れるようにその光を胸に抱いた
[神気を獲得しました]
[【経験値倍加】を獲得しました。]
[パッシブスキル〈攻撃による経験値獲得〉
を獲得しました。]
「光 ユウ 大丈夫?」
とクリスは心配そうに俺を見るが
「大丈夫ですよ、きっと神様が私に力を与えてくれたんですね」
「うん」
俺とクリスは新たな力を手に入れ教会から出ようとした、すると
「バン!!」
と教会の扉が開き、女の子が走って来た。
「わ、私も仲間に入れてよ!」
フレイさんだ。
獣国の王女フレイさんが冒険者の格好をして教会に飛び込んで来たのだった




