獣王との謁見 3
まさかの王様殺人事件?っぽいイベントが終わり
俺とクリスは城の来客用の部屋に案内され、今日は泊まる事になった。
城の食事は肉料理が多く美味しかったようだ。
俺は味が分からないので悔しい
4獣剣は全員俺に謝罪して来た。
皆人族に思うところがあり、この様な結果になってしまったらしい。
俺も人族の全員が善人とは思わない。
しっかりと見極めてからなら俺は態度を変えてもいいと思っている。
特に人種差別するような輩には冷たく当たるべきだと思うし、獣人を蔑ろにするヤツなどには制裁を下してもいいとさえ思っている
全員が同じ様に見ているようなので、少しずつでいいからそこも変わってくれると嬉しい。
そのように言うと、皆んなは了承してくれた。
食堂での和解の後メイドに案内され、俺とクリスは王宮の客間に通された。
部屋のベットは大きい天蓋付きのベットが2つあり、
クリスはベットにダイブしてダラダラし始め、
俺はソファーに座って明日からの事を考える。
『聞く話だと魔導大国オーデルークはかなり遠い、
歩きだと1ヶ月掛かるようだ。
王国はジムさんに任せてあるので、そこまで急ぐ旅でもないし、のんびり行くか。
とりあえず明日は朝一で教会に行って、クリスの上級職のお祈りをして…』
まで考えていたら
「コンコンコン」
ドアがノックされる。
誰だろう?と思い
「空いてますのでどうぞ」
と言うと
「は、入るわね」
と言ってフレイさんが入ってきた。
「こんばんは、どうしました?夜遅くに」
と俺はフレイさんに尋ねると
「わ、悪かったわね今日は」
と言ってきた。
思い当たる節がないので
「何がでしょう?」
と言うと
「私がパパの娘で王女って隠してた事よ!」
「ああ、大丈夫ですよ。フレイさんが王女でも平民でもフレイさんはフレイさんじゃないですか」
「あんたはそういうヤツだものね、
でもねそうじゃない人族もいるの!
私がパパの娘だって知ったら、媚びへつらうヤツもいれば、言い寄ってくるやつもいる。
最悪なのは私を攫おうとするやつもいたわ。
私は前にそういう事があったから人族は信用しない。
大嫌いなの!」
「そうですか…」
それは仕方ないな、そういう経験があったら俺もきっと嫌いになるだろうし
「でもね」
「でも?」
「あんたは違った。モンスターにやられそうな時に助けてくれたし、ギルドでもアイツから助けてくれた。
アイツは前から私を誘ってきてて、困ってたから嬉しかったわ。
そして姫だと知ってもあんたに変化はなかった。
パパはきっとあんたを信用してる、グロッセルもそう。
そして獣国を悪魔から守るすべを教えてくれた。」
「まあ、そうですね」
「私はね、そんなあんたを…」
『えっ?まさか』
「す…」
『す…』
ゴクリ
「少しは信用してあげるわ!」
「ズコー」
俺はコケた。それはもう盛大に
『知ってたさ、俺の変体の見た目は35才くらいで、この世界ではおっさんだ。
こんな17、8のお嬢さんがね
わかってたけどコケさせて』
「な、何よ変な事言って!」
「いえ、なんでもありませんよ、大丈夫ですから」
ベットにいたクリスも
「ズコー」
と可愛く言ってコケるフリをしている
可愛いけど辞めてほしい、
「な、なんなのよ!あんた達!
とにかく謝ったわ!おやすみなさい!それじゃあね!」
と言って出て行ってしまう。
「おやすみなさい。フレイさん」
「おやすみ フレイ」
ドアがバタンと閉まる。
タッタッタっと走って遠ざかる音がする
「クリスさん、寝ましょうか」
「おやすみ ユウ」
部屋の明かりを消した。クリスはベットに潜り込みすぐに寝息を立て寝てしまった。
「俺も寝よう。久々に本気で疲れたよ今日は」
「ぽみゅーん」
スライムの姿に戻り、クリスの居ないベットの中で気配察知を使って眠りにつくのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
翌朝俺は目覚めた。
朝の光が差し込み、今日も良い天気だ。
クリスはまだ眠っている。寝顔は天使のようだ。
俺はユウの姿に戻り、窓を開け大きく空気を吸い込む。
窓の音で目覚めてしまったのか、クリスが起きてこちらを見る。
「ユウ おはよ 早い」
「おはようございます。クリスさん
まだ寝ててもいいですよ」
「ん 起きる」
と言ってベットからのそのそと起きてくる
俺達は旅する格好に着替えて部屋を出る。
「では王様に挨拶してから出ましょうか」
「うん。」
王宮はまだ朝早いのにみんなが忙しなく働いている
「おはようございます。王様はもうお城に?」
と近くにいる兵士に聞くと
「ああ、ユウ様ですね。おはようございます。
先程王は仕事があると言って、城の執務室に行かれましたよ」
「ありがとうございます。行ってみますね」
「はい。ユウ様に来るようにと言われておりますので」
俺達はは城の人に執務室が何処にあるのかを聞くと
執務室へと案内される。
執務室のドアをノックする
「獣王さま、ユウです。」
「おう、待ってたぞ。入れ」
「失礼します」
中に入ると獣王様は、大きなテーブルに積んである、紙の束に目を通し仕事をしていたようだ。
「すいません。お忙しい中」
「いや、それよりもう行くのか?」
「ええ、いつグリムードが動き出すか分かりませんし、ゆっくりもしていられませんので」
「そうか、寂しくなるな」
「帰りにまた寄りますよ」
「そうか!ではこれを持っていけ。
つぎ来た時に皆に見せれば通すはずだ」
そう言って王様がくれたのは、勾玉のネックレスだ。
「これは?」
「この石は変わった形の物で、この国では王族しか持ち合わせていない物だ。これを見せれば皆が王族関係者だとわかるようになっておるから、スムーズに城まで来れるであろう。」
「このような大切な物をお借りしてもよろしいのですか?」
「良い、お主には色々と迷惑を掛けているしの、跡旅には金も掛かるだろう、持っていけ」
とお金の入った袋を渡された
「いえ、受け取れませんよ、何もしてないですし」
「これから我が国はもっと強くなる。
今の強さに満足して胡座をかくのをやめるからだ。
それを教えてくれたのはユウお前だ
そんなお前にギルドでも4獣剣も迷惑を掛けた。
その迷惑料として取っておけ」
と言ってニッと笑う金ライオン
「分かりました、ありがたく貰います。」
オーデルークでお土産でも買って来てあげるか
「それでは失礼します。次来れるのは3ヶ月以上先ですが、また来ますね」
と言って城を出る
「待ってるぞ」
俺とクリスは城を出て、まずは教会に向かった。
城からすぐの所に教会がある。俺達は後ろから忍び寄る影に気付かなかった。




