獣国への旅 2
俺達3人はマライロの宿で泊まった。
今日は国境を越え、獣国の村ペドンまで行きたい。
昨日はこの町の壁が壊れて、モンスターが入ってくるというトラブルがあり進めなかったので、今日は行けるところまで行きたい。
俺達は門に着く。
ギルドカードを提示すると
「おお!あんたがユウさんか」
と門番の人に声を掛けられた。
「ええ、私がユウですが、」と答えると
「昨日、ウチのラムネを助けて貰ったって聞いてな、本当にありがとう感謝するよ」と頭を下げてきた
「いえ、感謝されるほどの事は」と謙遜する
「だが、ラムネはこうも言っていた。
とってもカッコ良かったと、ウチの娘はやらんぞ」
とも言ってきたので
「はは、ラムネさんはお父さんに愛されてますね」
と答えると
「そうなんだよ、ラムネは昔からそそっかしくてな…」
それからしばらくラムネちゃんの話を聞かされた。
「旅か気をつけるんだぞ、ここら辺のモンスターも増えてるみたいだし、またこの町に寄ってくれよな」
と励ましの言葉を掛けてもらい、俺達はマライロの町を出た。
マライロの町を出ると国境までは一直線だ。
道中朝にも関わらず、スケルトン達が道に立ち塞がる。
「前方スケルトン10体、どうします?」
と俺はクリスとジムさんに尋ねる
「私は盾で守りを固めます」
「火で 燃やす」
2人共シンプルだ
「わかりました。私が足を止めますのでクリスさんは広範囲魔法を撃って下さい。」
「わかった」
「ジムさんはクリスが逃したスケルトンを攻撃してください。」
「わかりました」
スケルトンはまだこちらに気付いていない。
俺は暗殺術のスキルでスケルトンまで近づき1体の首を刎ねた。
それに気付いたスケルトンは俺に剣を向けて寄って来る。
俺は残りのスケルトンの行動を阻止するために魔法を使う。
「アイスフィールド!」
スケルトン達の足元が凍る。そして足元からスケルトン達が凍りはじめ動けなくなる
「クリス」
「任せて」
クリスは短い詠唱の後火の魔法を放つ
「ファイアインフェルノ!」
ブボォォォー!
炎の嵐がスケルトン達を焼く。
下半身が氷漬け為動けないスケルトン達は、炎に包まれ砂へと姿を変える。
「上手くいったね」
「ユウの 魔法 凄い」
「ユウさんは剣も魔法も凄いのですね」
と2人は褒めてくれた。
「いえいえ、僕なんてまだまだです。
たまたま頂いた職業が良かったので、それのお陰かと思います」
「どのような職業なのですか?」とジムさんが聞いてきたので
「《魔法剣士》ですね、知ってます?」とこちらも聞くと
「聞いた事のない職業ですね、剣士は知ってますし、魔法使いも知っています。それらが足ささった職業なのでしょか、うーむ」と考え込むジムさん
「ユウ 凄い それだけ」
とクリスさんが考え込むジムさんに言うと
「そうですね、あのグリムードにも恐れず立ち向かえるのですから」と言って納得するジムさん
俺はクリスの頭をナデナデしながら
「行きましょうか」
「うん」
「はい」
俺達は国境へと歩き出した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
国境が見えてきた。
前はここの人達を眠らせて潜入したので、ここを普通に通るのは初めてだ
受付の兵士が
「ここは帝国と獣国の国境だ、ここに何の用かな旅の人達」と聞いてきたので、ギルドカードを見せた後
「すいませんが獣国に行きたいのでここを通らせて下さい。」と言って皇帝からの手紙を見せる
「こ、これは皇帝陛下の印!本物か?偽物なら貴様ら重罪だぞ」
と言って槍を向けてくる兵士達
「その印は本物です。私バルテン王国第3王女クリス・バルテンが保証致します」
と姫モードのクリスが兵士に立ち振る舞う。
「王国の姫様!」
「ひぃ!」
と言いながら平服を始める兵士達
「私達は普通に通してくれれば問題はないので普通にしていてくれて大丈夫ですよ」と言って落ち着かせる
「疑ってしまい申し訳ありませんでした。」
と謝ってくる兵士達
「貴方はそれが仕事なのですから良い仕事をしたと思いますよ。しかし、あそこまで怒鳴る必要はなかったかなと、確認作業をきちんとするだけで良いと思いますよ」
と俺は兵士に言うと
「申し訳ありませんでした」兵士はまた謝ってきたので
「それではここは通りますね」と言って話を終わらせる
門の横を見ると張り紙が貼ってあり〈居眠り厳禁〉と書いてあり、ちょっと申し訳ない気持ちで国境を越えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
国境を越え俺達は獣国に来た。
別れ道に差し掛かり、左に行くと例の洞窟、右に行くとペドンの村に行ける
俺は少し迷った。
王国の王様にギルさんの事を伝えたい。しかし皇帝陛下には獣国に伝えると言ってしまったし
迷っている俺を見たジムさんは
「ユウさん、ここから別れて私が王国に行き王に話をしてきましょう。
ユウさんとクリス殿下は獣国の獣王様に皇帝陛下からの手紙を渡して貰えれば」
と言って来た。
う〜ん本当はクリスを護る為にも余り人数は減らしたくは無い。グリムードの話は各国に早く知らせたい。
王国は右大臣が曲者だと言う事は、ジムさんも王様も分かっているから警戒するだろうし大丈夫だとは思うけど
「分かりました。ジムフォード貴方に父へと手紙を渡す任務を与えます」
とクリスが姫モードでジムさんへ話す
「はっ」と言って膝を付くジムさん
このやりとりに付いて行けない俺
「皇帝陛下からの手紙と私からの手紙を渡します。
わかっている事と思いますが右大臣には十分に気を付けて、誰も信用せず父に王へとたどり着きこれを渡して下さい。」と言って手紙を2通渡した。
「必ず王へ届けてみせます。クリス殿下のお帰りを王国にてお待ちしております。」
「私は獣国へ行った後魔術大国へも向かう予定なのでいつ帰れるかわかりません。
その事も書いてはありますが、父へ伝えて下さい。」
「はっ」
「それでは行きましょうかユウ様」とクリスが言って来たので
「ジムさん、クリスさんは必ず護ります。貴方も王へギルさんの事を伝えその意思を継ぐ事を王に認めて貰って下さいね」
「ユウさん、本当にありがとうございます
必ず王に伝え、兄のギルフォードの意思を継ぎ王国を護りたいと思います。」
「お願いしますね」
そう言って別れようと思ったが、穴は俺が塞いだ事を思い出し結局先に穴に向かった。
穴は塞がっており、俺は覚えた魔法を使う。
「レグレッション!」
魔法による岩や土が消えて元の穴が姿を現わす
穴から降りる階段を作りジムさんは降りていく。
階段を消しジムさんと別れを再度告げ、今度こそ完全に穴を塞ぐ
「クリス2人だけど寂しくないかい?」と聞くと
「前もギルと2人だった 平気」と強がるクリスの頭をナデナデして
「それじゃあ行こうか、向かうは獣国だ」
「おー」
俺達は2人になったが、今から始まる旅を楽しむ為にも元気良く進むのだった。




