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獣国への旅

俺とクリス、そしてジムさんと3人で獣国ゴルゴンに向かう。

旅は長くなりそうなので、帝都には王都にない武器や防具があるという事で、まずは武器屋を覗いてみる。



「いらっしゃいませ!」

と元気よく店員さんが声を掛けてくる。


クリスは魔法がメインなので武器は杖であり、

俺はなんでも使う。

ジムさんは剣と盾といったオーソドックスなスタイルだ。



店を見ると剣は刀身が黒いのがある。


『あっ、そういえばジムさんに預かった剣返してないや』


「ジムさん、これ返すの忘れてました。」

と無限ポーチから黒い剣を返す



「あ、ユウさんが持っていたんですね」

「すいません、手足を縛った時に預かってそのままでした。」


その様子を見ていた店員さんが話掛けてきた。



「その武器って魔鉄で出来た剣ですよね?」


「そうなんですか?ジムさん」


「そうですね、帝国兵の上級支給品です」



「ここだと魔鉄で出来た武器は2階になりますね」


と案内された2階には高級そうな武器や防具が並んでいた。

そこで俺は今まで使ってきた鉄製の剣を下取りしてもらい魔鉄の剣を買った。

この魔鉄は魔力を帯びていて、少量の魔力を流す事で折れにくくしたり、切れ味を良くする事が出来る。



ジムさんも魔鉄の盾を新調しクリスも魔鉄の杖を買った。

防具は上質の皮の装備があったのでそれにする。

サイズは違うがクリスとお揃いだ。



ジムさんは魔鉄の全身鎧フルプレートアーマーを買い、装備している。

この鎧も魔力を流すと固くなったり、軽くなったりして高額だがいい装備を手に入れた。



次はテントを買いに行く。

今のテントでも良いのだが、俺が元の姿に戻ってもバレないように特殊なテントを探す。


土魔法で土の家は作れそうだが、寝床は石とか土の上だとあれなので、小さいプレハブの様なのがあれば欲しい。

持ち運びは無限ポーチがあるので入ればいいなと考えている。



前に行った開発大好き鍛冶屋さんに顔を出す。



「こんにちは〜」


「は〜い、どちら様っ、ユウさんじゃないですか。

もう用事とかは終わったんですか?」と奥さんが応対してくれた。


「ええそうですね、今日はボヘミアさんはいらっしゃいますか?」と聞くと



「ちょっと待ってて下さいね」と言って奥に消えていく奥さん。



「ユウさんか!どうしたんだい?まだベビーカーは出来てないが」

と中からボヘミアさんが出てきた。



「こんにちは、ボヘミアさん。実は今日から長旅に行くことになりまして、ボヘミアさんの所で良いテントがないかなと思い寄りました。」


「長旅かー寂しくなるな。テントは前にちょっと凝ったやつを作ってな、きっとユウさんなら気にいると思うぜ、ちょっと待ってな」と言ってボヘミアさんは奥に行く」


「こいつなんだが…と持ってきたのは丸太の様な物だった。」


「これは?テントですか?」


「そうなんだ。これも魔道具でな、ここに魔力を流すと…」


丸太が形を変え2畳ほどの広さの木製のプレハブが出来た




「おおー!これは素晴らしいですね」



「だろ!周りの奴らはこんなもんどうやって運ぶんだとか、これはテントじゃない。何て言われて売れなかったんだよ。」



「次はこれな」と言って見せてきたのは普通のテント入れ


「これはどの様な?」



「これは普通のテントと同じだ。でもテントの素材がカメレオンスネークを使ってるんだ。だからテントを置けば地面や背景と同じ色に変わるからモンスターに見つからないっていうステキ商品さ」



「おおーこれも凄い。」

この人天才だな。でも認めてもらえない可哀想すぎる



「カメレオンスネークは希少なんだ。たまたま見つけてそれを狩った人が知り合いでな、預かってたんだがそいつは別件で死んじゃってな、それを使って出来たテントなんだ。」



「いいんですか?勝手に使ってしまって」



「あいつにはかなりの金を貸してたしな、これを売れば返せるとか言ってたからいいと思うぜ」



「なるほど。これらはお幾らなんですか?」




「ユウさんは特別だからな〜

丸太テントなら金貨20枚だが10枚でいい

カメレオンテントは金貨200枚でだが180枚って所だな」



『どっちも良いテントだけど、カメレオンテントは流石に高いな。

でも欲しかったのは、あの丸太テントだし』



「丸太テントを売ってもらっていいですか」



「おっ、流石ユウさん。こいつの良さがわかるんだな」



「本当に冗談抜きでボヘミアさんはもっと認められてもおかしくないんですがね」



「嬉しいね〜 ほら持てるかい?」



「大丈夫です。」

俺は丸太を無限ポーチに入れる



「すげーなそのポーチ!もしかして拡張ポーチかい」



「ええ、以前貰ったんです」



「それがありゃあ持ち運びに便利だしな、みんな欲しがる代物だよな。

ユウさんありがとうな、長旅頑張ってな」



「はい。また来ますね」




「おう。また来てくれよな」





そうして俺達は必要な物を購入して帝都から出発した。








☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆







帝都を出て半日が過ぎた。俺達は前に1度寄ったマライロの町へ入る。

ギルドカードを提示するとあっさり通してくれる町はここくらいだ。


ここからさらに進むと国境があり、そこを超えると獣国になる。

急げばペドンの村まで行けそうだが…

そう考えていたら町の反対から慌てた人達が走っている。何かあったんだろうか?



近くに心配そうにしているおばさんがいたので話を聞いてみる


「すいません。あちらで何かあったんですか?」



「何かあっちでモンスターが出たんだって、住民が見つけてね、今冒険者の人が衛兵さんの所に頼みに行ってるんだって」



「ユウ 行こ」


「そうだねクリス。ジムさんも良いですか?」


「もちろんです」



俺達3人はモンスターが出たという住宅街へ向かった





騒ぎの中心には3体のオークとスケルトンが居た。

スケルトンを見るのは初めてだが、帝国には結構出るらしい。

ギルドで読んだ本では、弱点は火で首を落とせば砂となって消えるらしい



オークが近くにいた少女に向かって棍棒を振り上げている



「危ない!」


俺はオークと少女の間に入り込み剣で棍棒を防ぐ


ガギィン!



左手で魔法を放つ


「ライ」


不可視の雷がオークを黒焦げにした。



「ここは危ないから下がってお母さんの所に戻りなね」


「少女はオークに攻撃され驚いてしまっていて、ついにはその場で泣き出してしまった」


「うえぇーん ママ〜 どこ〜」



あ、これ動けないパターンや




「ジムさんお願いできますか?」



「お任せ下さい」



ジムさんとクリスは残りのオークとスケルトンと対峙する


オークが攻撃してきたのをジムさんが盾で受け、剣で喉を刺す。

その後ろにいたオークに火の魔法で炎上させるクリス。


残ったスケルトンは錆びた剣でジムさんに向かって行くが振った剣を盾で受けられ、首を刎ねられて戦闘は終了した。

俺は少女をナデナデしながら、戦闘を見ていただけで終わってしまった。



「さ、終わったからね、ママを探しに行こうか」


俺はクリスとジムを残しお母さんを探しに行く。



少女は声を掛けられ、俺を見上げて

「うん。ありがと」と鼻水を出しながらお礼を言ってきた。


「お名前は」と優しく聞くと



「ラムネ」



「そっかーラムネちゃんかー、可愛い名前だね」



「うん」




そうして騒いでいた住人達に聞いて回り、ようやくラムネちゃんのお母さんを見つけて、ラムネちゃんをママに預けた。



「おじちゃん、ありがと。カッコよかった」


「どういたしまして、ラムネちゃんも元気でね」


「うん」



「すいませんウチのラムネが世話になったみたいで」とお母さんが礼を言ってくる



「いえいえ、お礼を言われる程のことはしていませんよ。」



「ですが、モンスターからラムネを守って頂いたみたいで」



「運良く守れて良かったです。何故モンスターが現れたんですかね?」



「町の壁が壊れたって聞きましたが」



「なるほど、ちょっと見てきますね」と言って壊れたという壁に向かおうとすると



「本当にありがとうございました。」と頭を下げるお母さんとラムネちゃん



「じゃあねラムネちゃん」と言ってバイバイした





壁に向かうとクリスとジムさんが居た


「ユウ ここ」と指を指すクリス



大きく壁が壊れている。




「勝手に直したら怒られるかな?」


「ユウなら 大丈夫」

意味不明な事を言うクリス



「ロックウォール」



壁と少し色が違うが壊れた部分に岩の魔法を掛け穴を塞いだ



「これでしばらくは大丈夫かな」



住人達も喜んでいてどうやら特に文句を言われる事は無さそうだ。

辺りを見ると結構もう暗くなっている。

2人に今日はここで泊まり、明日国境を抜け獣国へ行こうと話した。


3人でご飯を食べてから寝れる宿を探し、今日はここマライロで一晩過ごすのであった。

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