皇帝陛下との謁見
俺達は山を降り再び王都に戻る。
山を降りながらジムさんに色々と話を聞く。
王国を滅ぼそうとしていたり、戦争を考えていたのは少数であり、帝国の皇帝までは話はいっていないという事。
ジムさんが王国であった事を皇帝に話し、帝国の兵になったので皇帝に言って王国に戻りたいと伝えないと行けないという事
とりあえず王国に戻る為にも1度帝都に戻り皇帝と話さなければならないという事になった。
山の麓に着いたところで辺りは真っ暗になる。
麓には置いてきた馬車があり、馬も元気そうだった。
今日はみんな疲れていたので山の麓で夜を過ごす。
馬車にはクリス、馬車横にテントを張りジムさんが寝る
俺はとりあえず見張りをする。
見張りをしながら気配察知を使う。
テントのジムさんは泣き疲れたのか良く眠っている。
クリスは寝れないようだ。
焚き木をしながら丸太に座り、見張りをしているフリをしていると横にクリスが寄ってきた
「隣 いい?」
いつものクリスで少し安心した俺は
「いいよ」
と言って丸太の端に移動する
丸太に座り焚き木を見つめる俺達
「ユウ ギル 死んじゃった」
「ああ」
「でも ジムフォード助けた」
「ああ」
「私 あれで 良かったのかな?」
「ああ」
「ギル〜」
と言って泣き出すクリス
俺はそっとクリスを抱きしめ
「辛かったね。思いっきり泣こう」
「うえーんギルー」
クリスは小声で泣き出した。
俺はクリスを抱きしめたまま、しばらく焚き木を見つめていた
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夜が明け寝不足のクリスを馬車に乗せ俺達は帝都に向かう
ジムさんが俺に話し掛けてくる
「昨日は済まなかった」
「いえ、クリスは俺が守ります。」
「本来であれば私がそうしなければならないのだが、君に任せた方が良さそうだな」
「ありがとうございます。ジムさんもクリスの事お願いしますね」
「もちろんだ。ギル兄さんが助けたかった人や物は俺が守ってみせる。」
「あまり思い詰めないようにして下さいね」
「心配を掛けて済まないな」
半日掛けて俺達は帝都に戻って来た。
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城に行き城の門を守る門番の人に皇帝と話がしたいとジムさんが伝え、俺達は門の横の部屋に座っている
しばらく待っていると、立派な服を着た中年のおじさんと兵の人がやってきて、謁見するので着いてこいとの事
俺は兵に剣と刀を預けジムさんとクリスと共に皇帝と謁見する為に場内に入った。
『明るいとこんな感じだったんだな』
城は広く、中央に赤い絨毯が敷き詰められ、その上を歩いていく。
兵士がたくさん並び俺達に何もさせんぞと言う気迫をヒシヒシ感じさせる
シャンデリアのようなキレイな照明が光を放ち、壁は大理石のような白さで城はとてもキレイだった。
大きな扉の前で俺達は少し待たされ、
中から「入るが良い」と声が聞こえてきた。
立派な服を着た人が扉を開け中に入る
俺達はそれに続き中に入ると、中の中央には皇帝が座るだろう玉座があり、そこに座るおじさんがいた。
その両横に、これまた立派な服を着たおじさんが2人いて部屋の端には兵士が槍を持ち20人程並んでいた
「皇帝陛下の御前である。膝をつき頭を垂れよ」
と近くにいた兵士が言ってきたので言う通りにする
「うむ、皆頭をあげよ」
「それで、ジムフォード話とはなんだ?」
皇帝が聞いてきた。
「はっ、私は…」
とクリスを攫って監禁していた事、王国と戦争にしてしまう所であった事、山での出来事、
全てを話し皇帝、他この部屋にいる俺とクリスを除く全ての人を驚かせた。
「全て誠の事かクリス姫」
と皇帝はクリスに聞いてきた
「はい、皇帝陛下。ジムフォードさんがお話しした事は全て本当の事。我々人類は悪魔に備え一致団結して事に当たるべきと考えます。」
クリスは姫モードになり皇帝陛下に話す
「にわかには信じられん事だが、上位悪魔を退けこの度の件で話にあった冒険者というのがお主という事だな」
と俺に話しを振ってきた皇帝陛下
『やめろよ、偉い人と話すの苦手なんだから』
「はい。私で間違いありません」
「上位悪魔を退けたとあるが、どのようにして退けたのだ?奴には翼があり、空を飛んでいたのであろう?」
「いえ、姿を見せた時は人と変わらず歩いて現れました。ギルさんに魔法を放ちやられてしまったので我を忘れて突撃した次第です」
「ふむ、お主はC級の冒険者とあるが、グリムードには勝てそうか?」
「正直言ってわからないです。奴は様々な魔法を使って我々を出し抜き攻撃出来る悪魔です。
姿変えられ油断を突かれるとかなり厳しいかと思われます」
「そうか、魔法か」
「はい。2度敵対しましたが、ドラゴンを呼び、死霊魔法、氷魔法、闇魔法と、さらに翼で飛行も使っているのは確認しております。
奴と戦うのであれば、それなりの準備と対抗策、人員が必要かと思われます」
「我が帝国には黒騎士と呼ばれる王直属の近衛騎士が50名おるし、冒険者もA級が何人もおる。
今の話が全て本当であれば王国近衛副隊長をやすやすと殺したとなると、我々もうかうかしてられん。」
「はい。今は魔王の脅威もなく、比較的この世界は穏やかです。しかし悪魔は今の平和の世を待っていたのかも知れません。平和になり武力を持たなくなった我々を」
「…」
「皇帝陛下少しよろしいですか?」
と隣で聞いていた立派な服を着たおじさんが話し始めた
「何だ?」
「はい。私は別にジムフォード君がまた王国に戻るというのは別に良いと思うのですが、本当にこのような話あったのかと疑問に思うのです。」
「ふむ、何故じゃ?」
「上位悪魔など御伽話の中での話であり、しかもそれが我が帝国に潜んでいた等と、帝国にも帝国魔法師がおります。
もし本当に上位悪魔等が居たのなら気付かないのはおかしいのでは?と思うのです。」
「ふむ、確かに」
「後はお主じゃ」
俺が指を指される
「俺ですか?」
「そうじゃ、お主はただの冒険者じゃろう?
それなのに1人でドラゴンを倒した等と誰がそんな話信じるのじゃ!
しかも5m級のドラゴンなど災害級じゃ
我々騎士達でも10人掛かりで倒せるかどうかってところじゃ、とても信じられん」
「では私達が嘘をついていると?」
とクリスは少しキレている
「ま、まあ王国の姫殿下は少し話を大きく話しているのではないのか?と思っているのですよ」
「デロイ公爵閣下。私は兄の事もあるので本来であればここには寄らず、直ぐにでも王国へ旅立ちたかったのです。
しかし、こんな私を王国で酷い目にあったという理由で帝国に受け入れて下さった皇帝陛下に感謝をしており、一言言ってから旅立ちたかった私が、何故嘘など言わないとならないのでしょう、実際私はずっとグリムードが悪魔等と知らずにずっと一緒にいました。魔力などわかりませんが、奴は普通に人の姿で欺く事を出来たのです。
特に帝国に何か欲しいと言っている訳ではないのです。
ただ、またこのような事が起きないように、我々も帝国の人々もこれから起こるかもしれないという事に身構えるだけという話なのです。」
「ジムフォードの話は分かった。デロイも悪気があった訳ではなかろう」
「はっ、失礼致しました」
「お主らは王国へと行くのだな、我々も注意するが他の国も注意が必要であろう。
もしグリムードを追う旅を続けるのであれば王国はもちろん、隣の獣国ゴルゴン、少し遠いが魔術大国オーデルークにも話がしやすいように、我が一筆手紙を書いてやろう」
「「ありがとうございます」」
「我々帝国は広い国土だ。グリムードが潜伏していたとしても直ぐに対応出来るかわからん。全ての町に通達をしてなにが起きようとも、対応出来るよう強い国にしていくつもりだ。それで問題はないな」
「ええ、お互い力を合わせて頑張っていきましょう。」
「この後はどうする?」
「はい。ここまで来たルートが近道なのでそこを通ろうかと」
「ならば国境を越えれるよう手紙を書いておく。
確かそこは獣国ゴルゴンも通るはず、時間があればゴルゴンにも手紙を渡して欲しいが」
「わかりました。その手紙必ず送り届けます」
「うむ。それでは手紙は後で使いを寄越す。
皆大義であった。これからは力を合わせ危機を乗り越えようではないか。よろしく頼むぞクリス姫、ジムフォード、そして冒険者よ」
「はい。それでは失礼します」
こうして皇帝陛下どの謁見は終わり、俺達は近くの宿に泊まり皇帝陛下の手紙を使いの者から受け取り、次は獣国ゴルゴンに向かうのであった。




