青飛山 3
俺とギルさんは青飛山の頂上に到着した。
俺は驚いた、頂上に咲く魔液花は頂上一面に生えていて、さらにキラキラと光っていたのだ。
魔液花は青い小さな花だが、一面がキラキラしているのでとても幻想的に見えた
「こ、これは凄いですね」
「たくさん生えてますね」
『あれ?そうじゃない。もっと登山をして頂上から見る景色の感動の感想が欲しかったけど、クリスの事もあるし、しょうがないかな』
ギルさんは腰を下ろし、クリスを地面に寝かせる。
「ユウさん、魔液花をお願いします。」
「少し待ってて下さい。」
俺は辺り一面に咲き乱れる魔液花を摘みに花畑に足を踏み入れる。
魔液花は茎が長く先端に小さい花が咲いていて、花がキラキラと光っていた。
花を調べると花びらから雫が落ちそうな花が中々見つけられない。
一輪一輪探していると、俺の気配察知に反応が
俺は急いでギルさんの元へ戻る
「ギルさん!!」
「ええ、こいつは」
「まさか俺より早く頂上にいるとは驚いたよ兄さん」
「ジム」
ギルさんとジムさんの対面だった。
「そいつは確か、王国の洞窟で殺したと思っていたが」
「運が良くてね、悪かったね死んでなくて」
と言ってやった
「ふん、どの道ここで貴様らは死ぬ事になる。俺が自ら兄であるギルフォード!貴様を殺し、ついでに貴様も殺してやる。」
ジムフォードは帝国製の黒剣を抜く
「ギルさん、あれはちょっと話を聞いてくれる雰囲気ではないですね」
「ええ、困りました」
「僕にいい考えがあります。ちょっと任せて貰ってもいいですか?」
「はい。お願いします」
俺は無手でファイティングポーズを取りジムと睨み合う
「貴様腰の剣は飾りか?」
「必要を感じないので」
「貴様ぁ!!」
顔を真っ赤にして怒るイケメン、俺は目の前に迫る黒剣をギリギリで躱し魔法を放つ
「ヒプノティズム」
「き、貴様魔法つか」
俺は睡眠魔法をジムの顔に当てた。顔付近が薄い水色に光る。ジムはそのまま倒れ眠ってしまった。
「ギルさん終わりました。すいませんが手と足を縛って剣は回収しておいて下さい。」
「わかりました。ユウさんは?」
「お花を摘みに」
「…なるほど」
言葉通り俺は花びらを調べ雫が落ちそうな魔液花を探す
たくさん生えている魔液花、雫が落ちそうな花は少なかったが何とか2輪見つける事が出来た。
それと気になるので20輪位無限ポーチに収納しておいた
ギルさんがいる場所へと戻る。ギルさんは言った通りにジムを手足を縛り動けなくしてある。
とりあえず1輪持ってきたので、その雫をジムの口に垂らす
ジムがパァーッと光輝き目を開く
「何だ、俺は」と呟くジム
「目が覚めたかジム」
と優しく声を掛けるギルさん
「貴様はギルフォード!っこ、これは!」
ようやく手足が動かない事を知るジム
「ようやく話が出来るな、ジムフォード」
「俺は話す事などない!」
「俺はジム、お前に謝らねばならん。そして聞いてほしい。あの日何が起きたのか」
「聞く必要など無い!あの日貴様らは俺の家族を!」
「そう、それだジム。俺が弟であるジム。お前の家族を殺さねばならんのだ?」
「そうだ!貴様は俺の!メイを!シアンを!!」
「俺が!ジム!弟の愛したメイを!その愛の形のシアンん!兄であるこの俺が!どうして殺さねばならんのだ!!」と泣きながら訴えるギルさん
俺はその場から離れクリスの側に寄る。クリスは安らかに眠っている
『ギルさんの話が終わったら、起きようねクリス』
俺はギルさんがジムさんを説得しているのをクリスと一緒に見守った。
30分位たったかな、ようやくジムがギルさんの話を信じ困惑していた。
「ま、まさか右大臣が、信じられん」
「事実だジム。俺も驚いたよ、まさか王の側近である右大臣がそんな事を」
『俺は政治はわからない。ここは俺のいた世界とも違うし何が正しくて悪いかさえわからない。
ただ確実なのは、俺はスライムであり、そしてここは俺の生きる現実なんだ。
もうすでに異世界ではなく、俺が生きる世界なんだ』
何故かこんな事を考えていた
余計な事を考えていたせいか、気配察知を感じるのが少し遅れてしまった。
「困りますね〜
本当の事を知ってしまったらジムさんがコマとして使えなくなるではないですか〜」
と言いながらユラユラと現れた黒フード
『あ、あいつはグリムード』
俺はギルさん達と距離が離れてしまっている
「ヒッヒッヒ、ジムさんあなたは最初から私のコマだったのです。そしてこの事を知ってしまったら、あなたを生かしておく必要も無くなりました。」
ジムに腕を伸ばし魔法を放ってきた
「地獄の氷」
グリムードから黒い氷のような塊がジムに向かって放たれる
「ジムー!!!」
そう言ってジムの前に飛び出すギルさん
「ギルさん!!」
俺は一瞬遅れてしまったがクリスの側から離れた。
ギルさんはグリムードが放った魔法をジムの替わりに受けてしまった。
ギルさんは黒い氷に貫かれてしまった
体から血が流れている。そして黒く凍ってゆく
「に、兄さんなんで」
「に、2度もお前を失いたくない」
「俺は、俺は」
「今度はお前を守れて良かった、あの時も守ってやりたかっ…」
と言って凍ってしまった
俺はグリムードに向かって駆け出した!
「くそぉ!どけ」
「ライトニング!!」
グリムードに雷術を放つ
「むっ!」
グリムードは躱そうとするが片腕に雷術を受ける
「グヌゥゥ!」
「躱すな!!」
「ライトニング!!」
「これはこれは」
と言って背中から羽根を広げ空に逃げるグリムード」
「何!飛んだ」
俺は驚いた。この世界の人って飛べんのかよ!!
「クックック
全く上手くいかないものです。ジムさんを騙し帝国と王国を争わせ、獣国も巻き込む。
上手くいってたんですがね〜何が原因で失敗してしまったんでしょう」
「貴様ぁ!グリムード!貴様が俺を!兄さんを!」
「クックック、私は王国の右大臣という人に囁いただけですよ、
あいつは貴方にとって邪魔になる」
とね
「しかし、ここまで上手く事が運ぶとは思いませんでしたよ。やはり人間は欲深い。」
「まるでお前は人間ではないって言っているみたいだな」
と俺が言うと
グリムードは目をパチパチして
「あなたはアホですか?この私が人間の筈がないでしょう。私は悪魔、上位悪魔族のグリムード・ディ・ディスタルと申します。まあ覚える必要は無いですが」
「じょ、上位悪魔だと」
と震えているジムさん
「それで、その上位悪魔さんがわざわざここにジムさんを殺しに来たと」
「ん〜 貴方は不思議ですね〜
普通なら悪魔しかも上位悪魔だと知ると、そこにいるジムさんの様になってしまうのが普通なのですが」
ジムさんを見るとブルブルと震えてしまっている
「こっちは生憎ともっと怖い人を知ってるから特に何とも思わないですね」
「クックック、それは怖いですね〜
もっと戦いたい所なんですが、私も忙しい身です。
今日はここで退散させて貰います。」
「逃すと思うのか?」
と俺はグリムードを睨む
「クックック!逃すですか、本当に貴方は不思議だ
そんな貴方達にはプレゼントをあげましょう」
「プレゼント?」
「そう!もしこのプレゼントを乗り越える事が出来たなら、さらに楽しい世界の始まりを知ることが出来るという素晴らしいプレゼント!」
「楽しい世界?」
『何言ってるんだコイツ、キチガイか』
「さあ、争ってみなさい。
出でよ!ストームドラゴン!
次に会う時があれば、その時は本気で相手になってあげます!私はグリムード!さらばです強き人間よ」
と言ってグリムードは飛んで行ってしまった
すると空からドラゴンが飛んできた
「くそ!逃したか、プレゼントってドラゴンかよ!」
俺は悪態をついた、だってドラゴンだよキツイってマジ
ジムさんの鎖を切る
「貴方はどうします?戦うなら共闘しますし、まだ敵対すると言うなら後にして貰いたいですが」
とジムさんに言うと
「あ、相手はドラゴンだぞ!私達で勝てるはずが」
とビビりまくっているジムさん。さっきまでの勢いはもうない
「わかりました。では少し離れていて下さい、奴とは俺が戦います。」
『ギルさんを早く助けたい!くそ、ドラゴンが邪魔だな』
空を飛ぶドラゴンを見上げる、エルさんとは比べ物にならない程小さい。おそらく5mもないだろう
色はグレーで顔は凶暴そうだ。翼はギザギザしていて風を纏って飛んでいる。
俺は剣と刀の二刀を構える
土魔法で様子を見る
「ストーンガトリング」
そこら中に転がる岩を礫に変えドラゴンが飛ぶ空に向かって打ちまくる
礫はドラゴンに向かって飛ぶが風を纏っているため岩がそれてしまう。
「あの風を纏ってるの卑怯だわ」
「ライトニング!」
太い雷がストームドラゴンに向かって飛ぶが、風で軌道が変わってしまい躱されてしまう。
しかしそれを脅威と思ったストームドラゴンは俺に向かってブレスを吐きながら向かって来た
「GIYAAAAA!!!」
まるで竜巻だ。グルグルと回転しながら向かって来る風を俺は魔法で防ぐ
「ダブルストーンウォール!!」
俺の前に岩で出来た壁が2枚作られる
ドラゴンから吐き出されたブレスは易々と1枚目の岩の壁を砕き、2枚目の壁を砕いていく
2枚目の壁も砕かれ俺はガードするが飛ばされてしまう
「ブレスやばいな!
ダメージはほとんどないようだが、早く何とかしないと」
ストームドラゴンが俺に向かって爪を立てて来た。
「チャンスだ!」
俺は肉体強化を使いドラゴンの空からの攻撃を何とか躱す。
地面に降りたドラゴンに俺はすかさず魔法を放つ
「ダークワールド!」
ストームドラゴンは目の前が真っ暗になる
闇がストームドラゴンを纏っているのだ。風で飛ばされそうだと心配したが、闇とは現象であり物体ではないので風では飛ばないようだ。
ちょっと何言ってるのか分からない
とにかくドラゴンは俺を見失った訳だ。
俺は隙を見て切り込む
風が邪魔をするが負けじと力を込めて剣と刀を当てていく。
更に魔法を使う
「アースホール」
これは土魔法で穴を掘る魔法だが、ストームドラゴンがすっぽり収まる位大きいのを開けてやった。
目が見えないドラゴンは動けなくなり飛ぼうとするが穴の中なので上手く動けなく困惑しているようだ。
無限ポーチから槍を取り出す
それを穴に向かって投擲する。肉体強化によって繰り出された槍はレーザーのようにドラゴンの翼を貫通した
「NGIYAOOOーー!!」
ドラゴンが叫ぶ、目が見えない上に翼に穴が開く
すると纏っていた風が無くなり、翼のキズが淡く光り出した。キズを癒しているようだ。
『悪いけどこの隙は見逃せない。恨みはないけど』
「トリプルライトニング」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
俺はストームドラゴンに雷術を放つ
同じ場所にどデカイ雷が3つ落ちた
その場にいるストームドラゴンは叫び声を上げることも出来ずに絶命した。
俺は真っ黒になったストームドラゴンを吸収した
ジムさんは遠くに吹っ飛び気を失っている。
[レベルが上がりました]
[スキル【纏】を覚えました]
俺はスキルの確認はせずに、急いで離れてしまったクリスとギルさんに向かって走って行くのであった。
ストームドラゴンはクシ◯ルの様なのを、想像しておりました




