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王都奪還 3

俺はただの冒険者であり、騎士でなければ近衛でもない。こんな俺の話よりも近衛副隊長であるギルさんが話をした方が、信じてくれる。と思い俺はギルさんが話終わるのを待つ。


ギルさんが王様に話をすると、その横にいるデブは嘘だやら貴様の言う事などと騒いでいる。


しかし、王様はギルフォードさんの話をきちんと聞き、驚きながらもそれを顔に出さないようにしていた。



「近衛副隊長ギルフォードよ、お主の話はわかった。

それでどうする、そこにいる冒険者と我が娘クリスを追うか」


「はい。クリス殿下が攫われたのは、護衛を出来なかった私の責任です。攫った相手が我が弟となると、それを説き伏せ連れ帰るのも我が勤めとは思います。」



「王よ、私はこのギルフォードの話はどうも信用出来ませぬ、大体このような無礼な冒険者と共に行動していた者の話など、

昔はジムフォードも変な話をしており、王を騙そうとしておりましたし、此奴らの一族は皆信用してはなりませぬぞ」


んっ?このデブ気になる事を言ったぞ



ギルを見るとギリギリと強く拳を握りしめて血が滲んでいる



もしかしてこのデブが



「近衛副隊長ギルフォードよ、もう一度聞く

そこにいる冒険者と共にクリスを見つけ大罪を犯した、お主の弟ジムフォードをここに連れてくるのだな」


すると横からまたデブが

「王よクリス殿下の帝国への奪還作戦はこのワシにお任せ下さい。

このような素性も知れぬ者に任せる事など出来ませぬし、あのジムフォードは妻も娘も処刑したというのに凝りもせずこのような事を企てるなど

5年前に逃したのが悔やまれますぞ、またワシにお任せ下され。奴を捉えクリス殿下を無事にお連れ致しますぞ」



間違いないな、このデブがジムフォードさんを騙して裏切ったヤツだ。そしてギルさんはその犯人を知っているようだ、



「右大臣よ、5年前ワシは病に伏せており、その間お主に任せておった。お主には感謝もしておるし恩もあると思っておる。

ワシはこのギルフォードが嘘を言っておるようには見えんのじゃ、我が娘クリスとずっと共におり、ワシらの盾となりモンスターと戦ってくれていたこの男を」



「で、ですが」



「今、王都の奪還が先決なのじゃ

右大臣は他の者とモンスターを殲滅し王都奪還の任を頼みたい」



「な、なんですと!」



「嫌と申すか?」と怖いおじさんが凄む



「い、いえ。その任を承ります」



「よろしく頼む。ワシの近衛の兵も使って構わん

今日中にこの荒らされてしまった王都を取り戻してくれ右大臣。期待しておる」



「は、はい。」



デブ大臣は俺を囲んでいた騎士達を連れ玉座の間を出て行く

こちらを睨みながら「覚えておけ」と言いながら



バタンと扉がしまり、ここには王様とギルフォードさんと俺しかいない。



「ギルフォードよ、お主の弟の件については本当に申し訳なかった。」


と言って頭を下げる王様


「王が悪い訳ではありません。弟を妬み、嫉妬した者達の暴走。全ては奴等が悪いのですから」



「5年前突然の病に侵され、ワシが倒れていた時に起きた悲劇。何も知らなかったとは言えワシはこの国の王じゃ、お主の弟の恨みを受け止めねばならぬ。」



「未だに私やクリス殿下を狙う不届き者もおります。

私とそこにおられるユウ様がクリス殿下の奪還に行く事をお許し下さい王よ」



「そこにおるユウとやらは本当に信用なる人物か?」



「それは間違いないかと、冒険者の町におられ、全くこの王都と関係のない人物です。

命懸けでクリス殿下をお守りして頂き、私やドリントルの町も守ってくれた英雄です。」



『それは言い過ぎです、ギルさん。後でしばきます』



「すまぬなユウとやら、こちらの話に巻き込んでしまって、」

と王様が先程とは違い柔らかい顔でこちらに話し掛けてくる。


「い、いえ」


「お主にも謝らなければならぬな」


「さっきはモンスターからワシらを守ってくれた事、本当に感謝する。

我が娘クリスもドリントルの町も、お主に守って貰ったと聞く。

この恩は必ず返すからの」




「私は目の前でクリス様を攫われてしまいました。」


ギルさんは目を伏せる


「町を守れたのはみんなで力を合わせたからです。

クリス様を守れたのも、クリス様がこの国の人を守ると強い思いがあり、立ち上がってくれたからです。

私は感謝されるような事は何もしていないのです。」


王様は黙って聞いている


「ですが私はクリス様を護ると約束したのです。ですから1秒でも早くクリス様の元に行き助けたい、ただそれだけなんです。」



王様は静かに

「ギルフォードよクリスは最高の騎士を見つけたようだな」


「はい。今までは第3王女にお近づきになりたいと言う輩ばかりが寄ってきてましたが、このユウ様は王女と知っても何も変わらずに接して頂けた唯一の人物です。」


「そうだな、ワシが王と知っても物怖じせずに言葉を話す男など、貴様の弟以来じゃしの」



んっ?この王様はジムフォードを知っているのかな



「冒険者ユウよ、先程はすまなかった、

今この王都では様々な思惑が行ったり来たりしている状況でな、誰を信じ、誰を疑えば良いのか分からないのだ。

我が娘クリスもその陰謀に巻き込まれ命を危険に晒したこともある。そこでワシは1番信用しておるギルに護衛を頼みクリスを護る為に王都から離したが、

返ってそれが仇となってしもうた。」


王様は顔を上げ声を高らかに言う。


「ワシは王としてこの国を護らなければならぬ。だからここからは動けぬ。

近衛副隊長ギルフォードよ、今日今よりその任を解く。我が娘クリスの捜索をし、冒険者のユウの手助けを頼む。」


「はっ、王よ、畏まりました。」


「そして冒険者ユウよ、お主にも我が娘クリスの捜索を頼みたい。王としてでなく、1人の父として自分の娘を助けて欲しい。どうか頼めないだろうか」


と言って頭を下げてくる王様



『本当は優しいお父様なんだな、だってあのクリスのパパだもん。優しいに決まってるさ』



「もちろんです。絶対にクリス様を助けてここに連れて来ます。待っていて下さいね」


俺とギルさんは玉座の間から出ようとして



「あ、ガゼルさん、さっきのデb右大臣でしたっけ、

あの人は気をつけた方がいいでしょう。何か嫌な予感がします。」



「どういう事だ、奴は何年も大臣をやっている古株だ今日昨日王都に来た者がそのような事を」



「証拠というか確証はないですが

今回のモンスターゾンビ騒動、術を使ったのはグリムードと言う魔術師でした。その前にも王都やグリントルにあの洞窟からモンスターの襲撃があった。それを王都の側で倒すように指示したのは誰ですか?」


「右大臣じゃ、冒険者ギルドに話をしてモンスターを王都の側で倒す事により民衆に活力を与える為に、敢えて見えた方がいいと王都の側で」


「もし倒したモンスターが蘇ると言う事を知っていたら、今高ランクの冒険者や近衛隊長や腕の立つ騎士がここに居ないのは計算された事だとすると」



「昨日からモンスターの襲撃が終わり安心だと言う事を知らせる為に近隣の村に近衛隊長や騎士団長とそれ以下も出払っている。」


「それを指示したのは」



「…右大臣じゃ」



「おそらくギルドにも話を通してあるのでしょう。

先程クリス様を奪還する為に帝国への奪還作戦と言っていましたが、帝国に囚われているなんて誰も言っていません。それなのに帝国へのと言うのはもしかすると…と言う事なので、5年前の急な病と言うのもあやしい。

とにかく、王様は身を守る事とあの右大臣には気をつけて下さい。」


王様は顔を真っ青にして固まっている



「絶対に油断しないで下さい。僕等の事は無礼な冒険者と裏切りのギルと言う事にしておいて、モンスターはまだいると思いますのでしばらくは国の防衛をして、外にはあまり出ないようにした方がいいと思います。」



そう言ってトビラを強めに閉めて無礼な感じで城から出て行った。

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