ダンジョン攻防戦 2
ギルフォードさんは、渋々だが王都に向かってくれた。
本当は一緒に戦って欲しいが、敵の戦力が分からない以上こちらの戦力はなるべく多い方が良いだろう。
ギルさんが言うには戦力になる人達はおそらく半日くらいは掛かってしまうだろうと、報告のみですぐに戻ってくるならギルさんと何人かだけは5時間あれば往復出来るらしい。
俺とクリスはその間、無理に洞窟に入る事はせずにここで待機、入り口からモンスターが出てきて脅威になりそうな場合のみ攻撃すると言う事で話はついた。
ギルさんがいなくなり俺とクリスさんが木陰から洞窟を見張る
『暇だな、それにしてもクリスたんがお姫様か〜
第3王女って凄いのかな?王様の娘だし偉いんだろうけど、凄さがイマイチわからんのぉ〜』
ボケ〜っとクリスを見ながらそんな事を考えてしまう
「あ、あのユウ様、あんまり見られると照れちゃいます」
『あ、やべ。王様には言わないで』
「す、すいません。僕から見るとこんな可憐な少女が国の為に凶暴なモンスターと戦わせないといけないとは、と考えていました。」
「私はそれでいいと思っています。
幼少の頃から城に仕える宮廷魔導師の方に魔法を教わり、騎士団に参加させて貰い戦いを学びました。
大きくなってからは冒険者になってモンスターとの実践を護衛付きで学びました。
普通の人とは違い、私は国を守るため、そこに住む国民を守るために凶暴でも凶悪でも私達を脅かすモンスターは倒さないといけないのです。」
『スゲーなクリスたんは、クリスたんに比べて俺なんてただ死にたくないからって、楽に生きたいからって理由で強くなろうとしてた。
最近は仲良くなった人を護りたいって思うようになったけど、クリスたんとは覚悟が違うと思い知らされたな』
「クリスさんは凄いですね、尊敬します。」
「そ、そんな私なんてまだまだですので」と顔を赤くするクリスたん(かわええ)
その後しばらくの間洞窟からモンスターが現れる事もなく、クリスと小声で会話をする
「ユウ様はどの様にしてあのような魔法を使えるようになったんですか?」
「田舎にいた時、僕より強くてカッコいい人(竜)に出会ったんです。その人(竜)はとても優しく、僕は弱いからすぐ死んでしまうと。居なくなると寂しくなるからと言って魔法を教えて貰ったんです。」
「そうですね。人は誰でも最初は弱いですから」
「エルさんと言うのですが、僕の憧れの人(竜)なんです」
「私もエルさんにお会いしたいです」
「今度会ったら言っておきますね」
するとクリスたんは可愛い笑顔で
「はい。よろしくお願いします」と言ってきた
『ホントかわえーなーこの子』
「クリスさんは魔法を宮廷魔導師の方に教えて貰ったと言っていましたが、他は使えないのですか?」
「先生が言うには、私は火の属性の適正が高いらしく火の魔法を中心に勉強してきました。
一応土と水魔法も使えますが、適正が低いので、あまり強い魔法は使えないのです。」
「その土魔法ってどのような魔法があるのですか?」
「土魔法ですか?あまり得意ではないですけど、岩や石を飛ばしたり、穴を掘ったり、土壁を作ったりですね」
『いい、その魔法使いたい!』
「ちょっと興味があるので使ってみて貰えませんか?」
「はい、では土壁を作ってみますね」
「お願いします」
そう言うとクリスたんは両手を伸ばし詠唱を始めた
「大地に守られし土の精霊よ私にお力をお貸し下さい」
「アースウォール」
するとクリスの目の前に1m程の壁が出来た。
「んん?なんだろ?」
「どうですか?あまり強度も強くないですし、ダメですよね」
と少し弱気な感じなクリスさん
「クリスさん。ちょっと肩に手を置いてもいいですか?」
「えっ?良いですけど」少し顔が赤くなる
ちょっとだけ肩に手を掛け
「もう一度土壁を作ってみて下さい。」
「あ、はい」と言ってクリスたんは土壁を作る
肩に手を置いているせいか魔力の流れを感じる
『ふむ。この土壁って周りの土を集めてないんだな、俺がイメージして、ちょっと魔力を操作すれば…』
ゴゴゴゴゴゴと音を立て
さっきの3倍位の壁が出来た
【土魔術を覚えました】
【魔力操作を覚えました】
と頭の中で《世界の声》が聞こえた
『ラッキー!土魔法便利でいいじゃんって思ってたら覚えちゃった、しかも謎の魔力操作も。何だろう魔力操作って』
凄い驚いた顔をしてクリスさんは
「ゆ、ユウ様、何ですかこの土壁
こんなに大きいの初めてです。何かされたんですか?」
「ん〜 土壁って周りの土を利用してなかったよね、だから魔力だけでなく、周り土も使ったらって思いながらちょっとだけ操作したら出来ちゃった」
「ええ〜!出来ちゃったって、私は何年も出来なかった事を、あんな一瞬で、凄すぎますユウ様は」
「ん?作ったのはクリスさんですよ、僕はお手伝いしただけですから」
「そ、そうなんですか?」
「それは間違いありません。ですので今の感じを忘れなければ、クリスさんの土魔法はもっと強くなると思いますよ」
「凄いですユウ様は、先生もそんな事教えてくれませんでしたし」
「ところでクリスさん、その様って言うのやめません?以前のように、ユウでいいですよ」
クリスはモジモジしながら
「じ、実はあれはですね素なんです」
「素ですか?」
「はい。今は王女としての戦いなので気を張っています。なので、このような口調になってしまうのです。」
ん〜、と少し考えて俺は
「クリスさん。今ここには僕しかいません、確かに王女として、というのは立派ですが、あまり力まないで下さいね。肩の力を抜いて、いつものクリスさんのようでいいですからね」
するとクリスは笑顔で
「わかった ユウ よろしく」といつものクリスたんに戻ったのだった。
未だ洞窟の変化はない。
クリスたんの言葉使い、戻りましたぞ




