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ダンジョン攻防戦

俺とクリスさん、ギルフォードさんで宿屋を出た。


まだ朝も早いので空は薄紫色で雲もなく今日もいい天気になりそうだなと思っていたらクリスさんが


「ユウ 空 楽しい?」と聞いてくるので


綺麗な銀髪の髪の頭を優しく撫でて

「今日もいい天気だな〜何か良い事ありますようにって思ってたんですよ」とクリスさんに話すと


「私も 思お」と空を見上げた



「ギルフォードさん、一応ギルドにも報告をしておきますか?」と尋ねると


「そうですね、私達のしている事は国からの仕事となりますので、一応ギルドマスターに話をしておきますか」


という事でギルドに寄りギルドマスターと会う。



「成る程のぉ、王都の方でも」


「もしかすると調査に時間が掛かり依頼を受けれなくなりそうなのでご報告と思いまして」


「そうか、しかしベリル林道は王都の方ではなくこちらの管轄、モンスターを倒してもギルドカードに討伐が残らんというのもアレじゃし、今回の調査はワシからお主らへの指名依頼という事にしてはどうじゃろ?

依頼はダンジョンの調査とモンスター騒動の原因調査。

何事も無ければ依頼による報酬は無し。

何か分かればその内容によって支払うと。

特に途中内容の報告の義務も要らん。

結果だけを教えてくれれば良い」


「いいんですか?ギルドに得になる事がないかと」


「そうでもないぞい、もしこの問題の原因を突き止め解決出来れば、この町の安全にも繋がるしのぉ、成功報酬という形なのでギルドには一切迷惑等掛かっておらん」


「そうですか、ではその指名依頼でお願いします。内緒で」


「ほっほっほ、分かっておる」


「ユウ様、この際ですので私達の呼び方も変えていきませんか?」とギルフォードさんが提案する。


「と言いますと?」


「はい。今回は調査という事になりますので少数精鋭のパーティとなります。

まず、ユウ様にはリーダーになってもらい、私の事はギルと呼んで頂きます。

お嬢様もクリスと呼んで頂き、これからの道を決めて頂きたいのです。」


「道ですか?」


「はい。今から何処に向かうのか、向かった先で起こった事の対処、対応等決定して貰いたいのです。」


「本当はギルフォードさんにお願いしたかったのですが先に言われちゃいましたね、

分かりました。まずリーダーを勤めさせて頂き、おかしな事があれば色々と教えて下さいねギルさん」


「はい!」


「クリスもいいかな?」


「ユウ ついていく」


「ではちょっと道具屋に寄り色々と備えてからダンジョンに向かいます」



俺とギルさんとクリスは道具屋により、色々と物を備えてドリントルの町からベリル林道に向かった





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





今はベリル林道の中腹、

目の前にはボアが2体仲良くブヒブヒ言って草を食べている


『行きます!』


目で合図すると俺と同時にボアに斬りかかってくれるギルさん。

俺は暗殺術のスキルの効果によるバックアタックでボアに気付かれる事なく首をはねる


ギルさんも俺と同様にボアに気付かれる事なく短剣でボアの喉を切り裂き絶滅させた。



「ユウ様、もしや暗殺術のスキルを?」


「ええ、まあ」と濁して答えると


「このスキルは独特なので見ると分かるのですよ、

それにしても暗殺術による剣やカタナ?の一撃は凄いですね、私も何年もこの世界に身を置いておりますが、剣も達人クラスで魔法も魔導師級なんて人は初めて見ましたよ」


『人ではなくスライムなんです、とは言えない』


「ありがとうございます。魔法はある人物(竜)に教えて貰ったのですが、剣術は独学なので分かりません。

死なないように、ただ剣を振っていただけの剣ですので」



「成る程、あなたの強さはそこにあるのですね」



『変に誤解してない?この人』



「あの田舎(森)では死なないように生きる事で精一杯でしたからね」


「ユウ 死なない」と言ってクリスが抱きついてきた


頭を優しく撫でて

「大丈夫ですよ、僕はしぶとい(HP自動回復)から死んだりしませんよ」と言っておいた。




ダンジョンまでの道のりで何度もゴブリンやボアと接敵して、やはり何かが起きていると3人は感じた。


ゴブリンキングのような個体は見つからないが、モンスターの数が多いのだ。

いつもの2倍位の遭遇率だとギルさんが言う



そうして洞窟ダンジョンの前に着き少し休憩をしていた。


こちらの戦力の確認をしよう。


ギルさんは暗殺術の短剣使いなので斥候かな

罠の解除も出来るみたいだ


クリスさんは動く砲台のようで、敵の攻撃を躱しながら

魔法を放つ。魔法使いとしては特殊のようだ


俺は剣と刀の二刀流、暗殺術からの一撃がメインだが槍も使える。剣と刀が好きというだけ。魔法は雷術と回復、

オールラウンドタイプだね



今回は調査という事なので、あまり戦う気はないが、初めてのダンジョンアタックだ。

薔薇の剣もダンジョンで痛い目を見ているので油断は出来ない。


このパーティにはタンクがいない。なのでスピードでモンスターを撹乱させ、隙を突くというスタイルになるだろう。


俺とギルさんは暗殺術があるので気配を消して攻撃する事が出来るが、クリスは早い移動からの魔法のみで武器は持っていない。


罠の発見と解除を考え、先頭にギルさん。

中衛にクリスが入り

後衛で俺という感じで行動する。


ダンジョンは床や壁からもモンスターがポップ(生まれる)ようなので、お互いの距離を詰めながら進もう、

など細かい所を指示していると



洞窟ダンジョンからホブゴブリンが2匹出てきた。


「な、何だと!」


「ギルさんどうしました?」


「そうですね、ユウさんにはわかりませんね、

本来ダンジョンからモンスターが出てくる、なんて事はあってはならないのです。

ダンジョンモンスターとはダンジョンで生まれ、外界には出てこないモノ、もしその様な事が起きればこの町や国はモンスターで溢れて返ってしまう。」


「あの穴を塞いでしまうのはどうでしょう」


「入り口を塞いでしまうと魔素が抜けなくなり、魔素溜まりが出来ると言います。そうなると先日現れたオーガ亜種のようなモンスターばかりになってしまい、大変な事になってしまうとダンジョン専門の学者が言っておりましたのを聞いた事があります。」


「ありがとうございます、では入り口を塞ぐはナシですね」


「やはり中に入って調査するのが良いのでしょうが」



クイクイっと服を摘まれクリスが

「ユウ 戻ってった」

と言ったのでダンジョンの方を改めて見ると、先程姿を見せたホブゴブリン達は、ダンジョンの中に戻っていった



「これは一体どういう事なのでしょう?出て来たモンスターが戻る、考えられるのは」


「のわ?」(くっそ、いちいちかわいいな)

「何でしょうか?」


「ゴブリン達の城」


「?」



「!!」




「もしくは増えていくモンスター達の争いで勝ったモノの住処、さっきのホブゴブリンは部下か手先か」



「な、なぜそう思われるのですか?」とギルさんが聞いて来た


「僕たちと一緒かなと思いまして」


「どういう」


「ドリントルと同じように、あの入り口がドリントルの門と考えると、あのホブゴブリン達は門番という事になりますね、入り口を守るという事は中には住民、もしくは倒されたくない何かがいるのかなって思いました。」


「ユウ スゴイね」


「確かに」



「それでこれからどうするか、ですね」


「はい。」



「全員でこの場から撤退、ギルドに話をして冒険者を集めても、ダンジョン攻略は難しいかと

そこで、ギルさんとクリスは一旦王都に戻ってもらい、このダンジョンの説明をして貰えないかと、ドリントルは前回の戦闘で殆どの高ランクの人達がいなくなってしまったので。

王都から騎士団や高ランク冒険者を連れて来てもらえれば攻略は可能だと思います。」



「ユウ様はどうしますか?」


「僕はこの入り口で張ってようかと思っています。」


ギルさんが驚き「き、危険ではないですか?」


「もちろん危なくなったら逃げますが、前回の様に集団を組まれ攻められたら今度は守れないかもしれない。

この入り口は狭いので、出てくる時に倒せれば時間稼ぎにはなるかなと思って」



「…」



「…」



「わかりました。その案でいきましょう」とクリスが突然喋り始めた。


「!?」


『どったのクリスたん?』


「クリスさん?」



「王都への報告だけでしたらギル1人の方が早く着くでしょう。ここには私も残ります」


「ひ、姫様それはなりませぬ、危険過ぎます。」


『姫?確かにクリスは姫かわいいけど』



「ギル、いえギルフォード・デミング。このクリス・バルテンが命じます。ユウの、冒険者ユウの指示通り、今すぐに王都に行き、私の父上に話をして騎士団と高ランク冒険者を呼んで下さい。ダンジョンを攻略します!」


「い、イエス、ユア、ハイネス」



『どったのクリスたん?急な姫プレイ!滾る!』


「ユウさん、黙っていてごめんなさい。私は、バルテン王国第3王女のクリス・バルテンと申します」




「…」






「はい」






「……」




「あ、すいません。僕はモリタ ユウと言います。」




「…」





「…よろしくお願いします」





「お、驚かないのですか?」




「驚いてますよ、お姫様なんですね」




「そ、それだけですか」



「い、いえとてもかわいいし、綺麗ですよ」




「そ、そういう事でなく」



「はあ?」



「姫様、ユウ様は本当に思っている事を申しているだけのようです。

悪意などは一切感じられませんし」



『なんで姫様だからって悪意なんて持つんや?

うん。やっぱかわいいは正義!これな!』



「ユウ様、黙っていた事は謝罪致します。私は王国第3王女近衛隊副隊長のギルフォード・デミングと申します。この旅の目的は前にお話した事で間違いありません。しかし、王都には姫様を良く思わない勢力があるのです、なので我々の正体を黙っていました。」



「はい。別に大丈夫です」


「はい!…えっ?」



「いえ、訳あって正体を隠すのは悪い事なのでしょうか?特に僕は騙されたなんて思ってませんし、気にしてませんよ」


『だって俺の方が隠し事してるしね、だってスライムなんだもの』



「ユウ様、これからも先程と同じ様に仲間として頂けますか?隠し事をしていた私達ですが」とクリス(姫)がウルウルした目をして聞いてくる



『だからそれヤメて、かわい過ぎるから!』



ポンっと頭に手を置き

「クリスさんが僕を嫌でなければ、僕はクリスさんもギルさんも、町を守る、いや国を守る仲間であり続けますよ」



「ありがと ユウ」とクリスさんが可愛い言う


「感謝致しますユウ様」とギルさんもウルウルしている


『おっさんのウルウルいりません。』



「ですがクリスさん、様?良いのですか?正直モンスターが来たら攻撃するつもりですから、危険なのはこちらだと思いますが」



「クリスでいいですよユウ様。

私はこの町、国を守る為に旅をしてきました。

原因と思われる場所が分かったのに何も出来ないなんて…私はこの国の姫なのです!国民を守らなければなりません。ですが私1人では守れません。ユウ様。

もしも私が窮地に追いやられたら、前の様に助けて頂けますか?姫だとわかっても、私を護って下さいますか?」


クリスは目から涙を出しながら訴えてくる



「俺は冒険者です。

国に仕える騎士や近衛隊でもありません。ですが」


そういってクリスの小さい手を握り



「こうして泣いている可愛い女の子も護れない冒険者なんて絶対なりたくありません。

クリスさん、絶対に僕が護ってみせます。僕と町を、そして国を一緒に守りましょう」



「はい、ありがとうございます」



こうしてクリスのカミングアウトがあったが、今からギルさんが王都に行き援軍を連れてくる。それまで耐えられるか、そんな時間が始まるのだった。








クリスたんはお姫様

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