ドリントル防衛戦 3
薔薇の剣と一緒に茂みに隠れる事30分
おそらく斥候であろうゴブリン達20匹程がバラバラにドリントルへ向かって来た。
「ユウ様、ギルドの話と違いますね、確か8匹のチームが10組程と」とジュリアさんが声を掛けてくる
「おそらく斥候だと思います。こちらの戦力がどれくらいなのか、敵の位置、地形、罠がないか等を調べる為の部隊かと」
「えっ?ゴブリンですよ。そんな事しないと思いますよ」とマロンさんが言う
「確かに通常ゴブリンとはそんな事はして来ないモンスターですが、今回のヤツらは完全に統率された動きをしていますので、後ろに大物がいるかもしれません。」
「大物ですか…」ベラさんが不安そうにしている
「わかりませんが、ホブゴブリンとか下手するとゴブリンキングがいるかも知れません。」
「「ゴブリンキング!!」」と驚く薔薇の剣
「しぃ〜〜」と口の前に指を立てると3人は両手で口を塞ぐ(何なのこの3人可愛いな)
「しかし、ゴブリンキングなんてBランクのモンスターですよ!こんな数のゴブリンと合わせたら、下手するとAランク扱いかも」とビビるジュリア
「あくまで可能性の話です。
斥候のゴブリンの会話を理解出来るとしたら、上位のゴブリンしか会話が成り立たないので、そうではないかという可能性ですね」
「な、なるほど」「確かに」「そうかも」とそれぞれその可能性を感じている。
「我々がすべき事は後ろにいる大物を倒す事ではありません。それは後から来るであろうA級の冒険者の方に任せましょう。
今こちらに向かっているゴブリンを1匹も逃さずに殲滅。これが我々の今の仕事です。
用意はいいですか?そろそろ行きますよ。」
こちらに向かっているゴブリンは3体
中央に10体程、左右に5体ずつ別れ完全にいつでも撤退する陣形で来ている。
「3人でゴブリン3匹倒して下さい。おそらく近くにいる冒険者も参戦してくるはずです。
僕は後ろから様子を見ている2匹を倒して来ます。」
「はい。ユウ様もお気を付けて」
「絶対に逃がさない様にお願いしますね、それでは行きます。」と言って草むらに身を隠し向かってくるゴブリンの後ろに回る
「行くぞ!」と言ってベラさんが飛び出し、3匹の内の1匹を剣で刺す。ゴブリン達はこちらが何処から来たのか分からずに驚き留まっている。
ベラさんの後ろからマロンさんが弓を放ち肩に刺さったゴブリンにジュリアさんが追い打ちを掛ける。
「うん、良いコンビネーションだ。これなら問題ないな、俺は俺の仕事をしよう。」
グーラを出し後ろから見ているゴブリンの木の上に移動する。
後ろにいた2匹のゴブリンは広い範囲を見ている様で顔を忙しなく動かしている。こちらには気付いていない。
そんなゴブリンの後ろに回り刀で首をはねる。
もう1匹がそれに気付き撤退しようとしていたので
「悪いけど逃がさないよ。ライ!」と雷術を発動
ゴブリンに直撃して黒焦げにする。念のため首をはねる。
暗殺術による気配察知を使うが近くにはモンスターはいない様だ。
他の冒険者達も上手くやってくれれば良いけど。と思いながら戻るとちょうど薔薇の剣も戦闘が終わったようだ。近くに知らない人もいる。どうやら共闘したようだナイス
「お疲れさまです。ケガはしていませんか?」
「はい、大丈夫です、こちらの人達が一緒に戦ってくれましたので無傷でした」とジュリアさんが説明してくれる。
「いえ、こちらも薔薇の剣の方達と共闘出来て嬉しかったです。」と男2人女2人パーティの、リーダーの人が話してくる。
「これでこちらのモンスターは殲滅出来ました。中央にはギルドマスターも居ると思いますので報告に行きましょう。」
「はい。」と返事する薔薇の剣。
「私達はここに残り他のモンスターが来ないか身を隠しています。」と先程のリーダーが話す。
「少し外しますので、ここの防衛よろしくお願いします」と言って俺達は中央に向かう。
500m程離れたところにギルドマスターはいた。
楽しそうにデカイ斧を振ってゴブリンを瞬殺していた。
戦闘が終りギルドマスターがこちらに気付いたので、頭を下げ近くに寄り戦況を報告する。
「おう、ユウか、そっちは終わったのか?」
と聞いてきたので「はい。」と答えさっきのゴブリンは斥候ではないかと説明する。
「にわかには信じられんが、確かに情報より数が少ない。それに向かってきたゴブリンの後ろにもゴブリンらしき物が居たとも聞いておる。
しかし、ゴブリンキングか、もしキングが居たとなると本当にマズイ事になる。ここにおる者だけだとおそらく勝てんじゃろ」
近くで聞いていた他の冒険者達が、そんなの居るわけないとか、考え過ぎだ、たかがゴブリンだ、とか最悪を考えない人ばかりだ。
居なければ居ないで問題はない。良かったねで済む
もし万が一居たら、と考えてしまうのは俺だけなのか
日本人の臆病さが原因なのか、しかし最悪を想定するのは生き延びる為に最低限必要だと思うので、周りの雑音を無視してギルドマスターと話す。
そして左翼から良くない報告を聞いた
「マスター!ゴブリンをほとんど倒しました。我々にビビり逃げ出したのは居たようですがね」と一番聞きたくない報告が来てしまった。
「ノートンさん、僕はこちらの戦力は相手にバレたと思います。速やかに後退し、罠や防御を固める事が良いと思いますが」
すると左翼から説明をしに来たマッチョの冒険者は
「バカな、敵の数も減った。今ならヤツらもビビってるから全員で突撃するべきだ!」と全く逆の意見を言って来た。
他の冒険者も、「今から突撃だー」「ゴブリンなんて目じゃないぜー」「ビビってるやつは置いて行くぜ」等と騒ぎ出している。
するとマッチョ冒険者が俺に聞いてくる
「お前はあんまり見た事ないが、何級だ?」と聞いて来たので
「F級ですが」と答えると
ギルマスはあっちゃーっとおデコを手で掴む
すると周りの冒険者達から一斉に笑い嘲笑な声が上がる
「F級がしゃしゃり出てくるんじゃねー」
「ビビってるだけじゃねーかおっさん!」
「さあみんな、F級のおっさんなんてほっておいて稼ぎに行こうぜ」
こういう時の団結力は凄いなとポカーンとしていると
マッチョが「ドケ雑魚が」と言われ突き飛ばされた
ギルドマスターを残し他の冒険者達は意気揚々と進軍して行ってしまった
「すいません。僕なんかが余計な事を」
「いや、ワシが奴らを止められんかったからの」
「僕の考え過ぎかも知れませんしね、情報通りボアとゴブリンだけであれば大丈夫ですし、」
「とりあえず残っておる者で門を固める。それでええじゃろ」
「はい。じゃあ右翼の人達を呼んできます」
と薔薇の剣や先程共闘した冒険者の所に行き説明して門に戻る
「残ったのはこれだけか」とギルドマスターが呟く
周りを見るとギルドマスターと側近の人が2人
俺と薔薇の剣、さっきの共闘した冒険者の全部で11人
しか残っていなかった。
「さてどうするもんかの」とギルドマスターがため息をつきながら呟く
「今から走って追いかけてゴブリンを倒しに行こうと言う冒険者の4人」
ギルドマスターは「門の防衛は必須じゃ、ここにおる者は防衛に専念して欲しいと言われ黙る冒険者達」
「ユウ様はどうされたら良いと思われますか?」と聞いてくるジュリアさん
「そうですね、見ると門の前は土で出来ているようなので水を大量に巻きたいですね。草むらにはロープを杭で打ち罠を作りましょう。
門番さんにも手伝ってもらい少しでもこちらの防衛をしやすくしたいですね」
とギルドマスターに言うと
ギルドマスターは渋い顔でロープに杭を打ってどーするのじゃ?と聞いてきたので、草むらだからロープはバレにくい。足を取られて移動がし辛くなる事や
門の前の土に水を大量に撒く事で泥になり、移動速度が遅くなるし、攻撃する足が踏ん張れなくなるので防衛戦がしやすくなると伝えると
「うむ、万が一に備えるならそれくらいしないとダメじゃよな!早速取り掛かろう」
と言ってみんなで罠を張ったり、水を撒いたりすること3時間
一応罠が完成してそれぞれが草むらに隠れ、門番は門の裏で槍を持ち備えている。
すると遠くから1人の冒険者がキズだらけで戻って来た
ギルドマスターが草むらから出て報告を聞く
「おう。どうじゃった?モンスターは全滅させたのか?」と聞くと
「すいません!冒険者約40名全滅です。
命からがら逃れたものは八方に逃れ生きているかもわかりません。」
「な、なん…じゃと」
「敵は林道にゴブリンやボアを配置して待ち構えており
我らが来ると左右から挟撃をしてきました。1人また1人と戦線から離脱していきましたが、何とかゴブリンやボアは全滅させたのですが、」
「何じゃ?」
「さらに奥にホブゴブリン3体とゴブリンキングがいたんです!!
キズを追いスタミナも切れてしまった我らは碌に戦う事も出来ず撤退したのですが、ヤツらに追われ林に逃れた者、ヤツらに捕まりキズを追う者が増え、ここに戻って来れたのは俺1人です」
「…」
絶句。ギルドマスターは何も言えない
「良く知らせてくれた。後はワシらに任せお主は町で治療をして避難しておれ」
と言いこちらに向かってくる。
「話は聞こえたかの?」
「ええ大体は、最悪ですね」
「全くじゃ」
「どうします?」
「そうじゃのぉ」とかなり気分が優れなさそうなギルドマスター、本当の戦いはこれからだった。
土を泥にするとなると水の量はかなりの量ですよね
3時間で出来るかな




