教会
朝日を浴びながら街を歩く。
教会までの道を道端にいる人に聞きながら歩いていく
ギルドから結構離れていて街のハズレにあるその建物は神聖な外観であり俺は入るのを躊躇う。
『おおぅ、思ってたより入りにくい
俺がモンスターだからなのか、それともただビビってるだけなのか』
教会の前でボケーっとその外観を見ていると
横から声を掛けられる
「教会に何かご用ですか?」と優しく聞いてきたのはシスターだった。
白い帽子みたいなのを被り茶色い髪が太陽の光でキラキラしている。年齢はまだ20そこそこに見え修道服を着ていてホウキを持っていた。
どうやら教会の横の掃除をしていたようだ
「邪魔ですよね、すいません。」
「いえ、それより何かご用があったのでは?
このような場所、用がなければこないかと」
痛いところを突いてくるなこの人、怪しまれないようにしないと
「申し遅れました。私は冒険者をしていますモリタ ユウと言います。実はここの神官さんにお尋ねしたい事がありまして」
「はい、ご丁寧にどうも。私はここでシスターをしておりますオリビアと申します。現在神官長は不在でして、お話でしたら私で良ければお聞き致しますが、どうでしょう?モリタ様」
『い、YES!!ツいてるぜ!』
「シスターオリビアさん、構いません。お話を聴いてもらえませんか、僕の事はユウと呼んで下さい」
「はい。それでは中に入りましょう」
大きめなドアがギギギといって開いていく
長椅子が両サイドに並び真ん中がステージの様になっていて大きめのオルガンが目に入る。
ステンドグラスのような窓があり光が通りとても明るく教会内に注いでいる
「どうぞこちらに」
と進められたのはそこにある長椅子。
ちょっと離れ隣に腰を掛ける。
「それでお話とは」
とストレートに聞いてきたので俺は内容を話す
「実は…」
自分は田舎者で故郷には教会がない。なのでみんなが10才で得る職業を得ていないと素直に伝える
今からその職業とやらを得る事は出来るのか?と言うことをとても遠回しに聞いてみた
するとシスターはとても優しい笑みを浮かべ俺に「大丈夫ですよ、職業神様は皆さんに平等に職を与えてくれます」と言って横にある違う部屋に促された。
「こちらは祈りの間、ここで皆さんはお祈りをすることにより職業を得ます。あなたもここでお祈りください」
と言ってシスターは目を瞑り祈り始める。
俺も祈ってみるか、でもどうやるんだ?
見よう見まねでシスターの様に両手を合わせ祈ってみる。
『職業神様、私に何か強い職業をお与え下さい』
と、どう祈っていいかわからないから適当に祈ると
『ん、いいよ〜ってキミ、スライムじゃん!ウケる〜』と頭に声が響いてくる
『え、ええ、まあそうなんですが訳あって職が欲しいんですよね』
この声結構若い?男の子?しかも10才くらいの声がするけど、これが職業神?
『まあ正確には10才ではないけどね、一応神してるんだ』
ちょ!考えた事わかるんかーい!ピンチ!さすが神様やで〜
『ところでキミってスライムなんだよね、なんで喋れるの?僕の知ってるスライムに話が出来る個体はいなかったはずだけど』
実は…
『ぎゃーはっはっは!ウケる!キミ面白いね!ひぃ〜お腹痛い』
こいつ殴りたい、でも神様だし我慢しよう
『久しぶりにこんなに笑ったし話も出来たし嬉しいよ。
ユウはどんな職業になりたい?どんなのでもいいよ、楽しませてくれたから』
あ、この神様好き
どんな職業があるんだろ?調べてくれば良かったな
『うーん、普通は戦士とか魔法使いとか戦いに備えた職業を願う人が多いよ、中には農家とか商人になりたいっていう人もいる。
中には勇者って職業もあるよなる?』
いやいやいやいや!いやです。
『ふふっ、面白いねユウは。普通はみんな凄い喜ぶんだよ勇者』
いや俺スライムだし、勇者なんてなったら大変だろうし
『まーねー、魔王とかと戦うって事にもなるしね』
魔王?いるんですかそんな存在
『知らな〜い、いるんじゃない?人間にも王っているんでしょ?だったらいてもおかしくないよね〜』
た、確かに人の王がいるのであれば魔物?魔族?の王もいても変じゃない。この神様の言う通りだ
でユウはどうするの?
うーん、戦士か〜きっと剣とかで戦うのが強いんだろうな〜、でも俺魔法も使うしな〜せっかく覚えたし使える職業となると魔法使い?回復もできるから賢者?
うーん、賢者は憧れるけど、そうなると刀が〜…
『…なっが!!ユウ、キミ話が長い!良く言われない!!』
えっ、言われ…る
『でしょ!ビックリだよ、こんな優柔不断スライム!』
スライム関係ないからね
『ユウは魔法も使うし剣や刀も使いたい。でも勇者はヤダ。いいね』
はい。その通りです。
『じゃあ魔法剣士ねこれで決まり。はい僕が決めたからもう変更出来ませ〜ん。残念でした〜』
ちょっと〜まだ色々考えたかったのに〜
『ぶっぶ〜もう終了で〜す
ていうかユウはさ身体なんともない?こんなに長く話してたら普通の人間ならとっくに倒れてるはずだけど』
んっ?今のところ全然平気だな、あ、でもちょっと辛いかも
『ここは精神の世界だから居れば居る程MPを消費するから普通の人間は僕が決めた職業聴いて終了、そんな感じだったのに、ユウはずっといるし、喋ってるんだもん
きっと魔法剣士があってるんじゃないかな』
わかりました。俺は貴方から魔法剣士の職をいただきます。そして強くなってみせますよ!
『おっ、カッコイイね。』
僕はそろそろキツくなってきたので失礼しますね
『うん、頑張ってね』
また来てもいいですか?結構話してて楽しかったですし、またMP次第ですけど
『もちろんさユウ。またきっと楽しみしてるね』
では失礼します。
『バイバーイ』
「はっ!?」
気がつくと先程の祈りの間にいた。
何分居たんだろう、体感では1時間位居た気がするけど、
「どうでしたか?職業は頂けましたか?」
「え、ええ、ありがとうございます。無事職業を得る事が出来ました。」
「お聞きしても?」
「魔法剣士です」ドヤァとすると
「魔法剣士?ですか?」とキョトンとされた
そのような職業は聞いた事がありません。ユウ様は職業神様に愛されておられるのかもしれませんね。
と優しく微笑んでいる。
10才位のガキんちょみたいだよ、とは言えず
「だと嬉しいです。ところでお布施というのか、寄付というのか、ここの部屋を利用させて頂いた料金はいくら位なのでしょうか?」とビビりながら聞くと
ここは神に祈る聖なる場所です。料金はかかりませんよ。
ですが運営の為にはお金は必要です。ですので皆様お祈りをするのに寄付として少しだけ頂いております。
小袋から金貨を出し、
「少ないですが僕はまだF級の冒険者なんです。頑張って稼いでまたお祈りに来ますので今日はこれを寄付させて下さい。と金貨を渡す」
「こ、こんなに」
「これで甘いお菓子でもお供えしてもらっていいですか?きっと喜ぶと思います。」とさらに銀貨2枚渡し
「それでは失礼しますシスターオリビア」
俺は教会から出て歩いて行くのだった。




