見習い冒険者 2
ギルド図書館
そこは様々な魔物やモンスターを冒険者の情報を集め本にした物を蔵書しており、薬草や毒草、キノコや植物や鉱物などもある。
薬草を調べに来たのだが気になる本がたくさんあったので色々と読んでいたらいつのまにか夜になっていて、職員さんに閉館で〜すと呼ばれるまでご飯も食べず(お腹空かない)に読みふけっていたようだ
ギルドにはちらほらとしか冒険者の人はおらず閑散としていた。おそらく19時閉店なのだろう。
総合受付は布が掛けられていてご用の方は「依頼案内③に来て下さい」と書いた札が置いてある。
食堂は少し賑やかで「今日はゴブリンがやたらいやがった」とか「山の方でオークを見たんだって!ホントに」
とか武勇伝を語って楽しんでいたり、黙々と食事をしている人、酒を飲み酔っ払っている人様々だ。
外に出ると薄暗く昼のような賑やかさはなくなっていた
この世界は魔道具による照明はあるようだが街を明るくする街灯とかまでは普及していないようだ。
ギルドやお金持ちの家にはあるようだが、全世帯に3つも4つもとはいかないようだ。
日本では仕事は21時までで下手をすると24時まで仕事っていう日が普通だった。
しかし、真っ暗な空でも街は明るく居酒屋や焼き鳥屋などは朝まで騒がしかったな。
何故かそんな事を思いだしていた。
ブンブンと頭を振り、「宿屋を探さないとね」
別に森にいた時は野宿は普通だったので構わないが、今は冒険者 (見習い)なのだ。宿に泊まり、朝起きてギルドに行くっていう人らしい事をしたいのだ
ギルドから出てすぐの所にベットのマークの看板が見えた。たしかあれは宿屋の看板だったはず!
早くいかないと満室になっちゃうな。小走りでそこに向かった
ドアを開けるとカランカランと大きな音がなり、食事をしている人や酒を飲んでいた人達がこちらを見る
カウンターから熊のようなごっついオジサンが「おう。いらっしゃい。メシか?」と聞いてきたので
「い、いえ宿泊できるかなって思いまして」
「あ〜ん宿泊ぅ?おめぇちゃんと金持ってるのか?」
「え、ええ、まあ一応」
「そんな真新しい鎧やレッグスなんて着けて
貴族のぼっちゃんかい?まあちゃんと金を払ってくれるならいいんだ、一泊銀貨3枚だ。朝と夕方のメシ付きなら更にもう一枚だが」
うん。見た目は怖いし口調も野蛮だが適正価格だ
よく店内を見るとキレイにしているし、この宿当たりかも
「食事は外でしてきたので素泊まりでもいいですか」
「ああ、もちろん。先払いだが」
「銀貨3枚ですね」小袋から銀貨を3枚だし店主に渡す
「まいどあり。ほら部屋のカギだ208、二階の端っこの部屋だ」
「ありがとうございます。」
「いや、すまねぇなニイちゃん。コイツらが金も払わねーで飲んだり食ったりするもんだからピリピリしててよ、だが随分とピカピカな装備じゃねーか。武器か?その木の棒、ああ槍か。そいつぁ結構使い込んでるみてぇだが」
凄いなこの熊観察眼というかまだ会って数分なのに、ここまでわかるもんか
「実は今日冒険者ギルドで登録したばかりで防具も今日買ったばかりなんですよ、
この槍は前から使ってたのでボロボロですけどね」
「へぇー、今日登録して依頼受けなかったのか?」
「依頼は〈薬草採取〉を受けたんですけど薬草の事を調べてるうちに他の事も気になっちゃって、結局半日図書館にいたんで今日は街を出てないんですよね」
と苦笑いしながら今日の説明をしていると後ろの方から
情けねーなとか、ホントはビビってたんだろーとか、ボ、ボクのステラちゃんと仲良くしてたボクサツだなとか聴こえてくる
『こ、こえーよ特に最後のやつ。いたの?撲殺とかヤメテ』と思っていると熊のおっさん(宿屋の主人)が俺の肩を両手でガバッとしてくる。
「それでいいんだ!冒険者ってのはすぐ突っ走ってケガして帰ってくる。中には帰ってこないやつも…オメェさんは、たかが薬草って思わねーでキチンと調べてから行動した!それは決して忘れちゃならねー事だぜ。」
「あ、ありがとうございます」
「後はそれだ。その言葉だ
冒険者は野蛮なやつが多い。そんな言葉使いだと舐められる。」
「だが、オメェさんはそこらへんのヒョロヒョロとは違うな!野蛮で口だけのヤロウとは違う。気に入った!
よし、今日は飲んでけ!俺の奢りだ!」
「い、いえ素泊まりでいいんですが」
「いいじゃねーか!それともこんなキタネェ宿屋の酒は飲みたくねーってか?」
「そんな!隅々まで掃除がしてあって調度品にも埃がなくテーブルやイスにも汚れがない店のどこが汚いんですか!」
「お、おめぇ良く見てるな
「たまたま気付いただけですけど」
「がっはっはっは!俺はよ熊の獣人だ。人族のやつらは獣人ってだけで見下しやがる!野蛮!不潔!だから俺は徹底的にキレイにするんだ!不潔なんて言わせねぇ!まあ野蛮ってのは否定しねぇがな!」
「そうだったのですね」
「だからだ!あんちゃんもその丁寧な言葉使いのせいで、コイツはビビってる。肝っ玉の小せぇヤロウだ!って思われたくないんだよ俺は!」
「ありがとうございます」
「とにかくだ!俺はあんちゃんが気に入った!
男が気に入ったらやっぱ酒だろう!なぁ!」
と周りにいた人たちに相槌をする
「あ、ああそうだな」
「俺も気に入ったぜ新入り!名前はなんてんだ?」
「ユウです。」
「んじゃユウこっちこい!先輩冒険者が色々教えてやるよ!」
「は、はいよろしくお願いします」
「はっはっ、ホント冒険者らしくねぇ話し方だな」
「ぼ、ボクはユルサナイんだな。す、ステラたんはボクの嫁!」
(いや、俺の嫁だ)
「はっはっは、いつも言ってるだろ。ありゃーオメェじゃ無理だって。高嶺の花、いや天空の天使だあれは」
「ぐぬぬぬぬぬぬー」
(ぐぬぬぬぬぬぬー)
「まっ、こんな出会いだが楽しく飲み明かそうぜ!」
「オヤジー酒もってこーい!」
「別にいいがオメェらはちゃんと金払えよ。」
「えっ、でもさっき気に入ったって」
「バーローそりゃユウの事に決まっんだろボケどもが」
「そんなー」
「そんなー」
「ステラたんー」
『最後のやつブレないなー』
「ちっ!しょーがねー!久々に気持ちのいい新人が入ってきたのも事実だ!
飲めやテメェら!今日は俺の奢りだぁ!!」
「やったーありがとうマスター」
「カッコいいぜ熊ー」
「ふっすべてはステラたんのおかげなり
ステラたーーん」
「い、いいんですか?すいません。ボクなんてただ図書館で本を読んでいただけなのに」
「いいんだよ!今日は!俺も褒められたなんて久しぶりだしな!気分がいい!だが宿泊料金は別だぜ。」
「はい。もちろんです」
今日は夜遅くまで先輩冒険者の方達とお酒を飲みながら色々な話をして楽しく過ごした(1人除く)
宿屋のお話。
熊の獣人は怖いイメージです。でもホントは優しい




