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深緑の森 2

まだ真っ暗な中、俺とナチュルはかなりのスピードでファイアドラゴンが暴れているという場所に向かっていた




『おっそー、ユウって鈍スラ?』




「にゃにおう!」




俺は煽られそれに乗りグーラ2本出しの枝から枝への移動でナチュルを追いかける




『うわ、その移動キモ』




「にゃにおう!」





『もっとスマートに私みたいに飛べないわけ?』




「スライムが飛べる訳ないじゃないですか」




『羽根とか出せないの?』




「出せたとしても動かし方も分かりませんのでイメージ出来ないと思います」




『ふ〜ん変なの』




「普通です」




しばらく走り飛びながら森を進んでいると気配察知に反応がある



「ナチュル、止まって下さいモンスターです」



『えっ?本当だ』



「このモンスター達は何かから逃げている?」




『あ〜、ファイアドラゴンが暴れてるからそこに住んでたモンスター達かもね』



「何故急に暴れたりしているのでしょう?」




『それを探りに来たんでしょう?』




「そうでしたね、ではモンスターに見つからないように進みますね」




『おけー』




それから森に住む様々な動物やモンスターとすれ違い、遠くで苦しそうに暴れまわっている1匹の大きな竜を発見した




『あれですね』



『うわ〜周りの木々があちこち燃えまくってるじゃない!あいつ殺そう、うんそうしよう』




『ちょ、ちょっと待って、あの竜どこかおかしくないですか?』




『えっ?竜なんてあんなのばかりでしょ?周りの事なんて気にしないで、あちこち破壊ばっかする害竜』



『いえ、完全な否定は出来ませんが、ちょっとアレは何かおかしいって感じの暴れ方かと』




『う〜ん、言われて見るとそんな風にも見えるわね』




『ですので、私はちょっとあの竜と会話をしてみようかと、ナチュルには周りの森の消火を出来たらお願いしたいんですが』




『まあ私の魔法ならこの程度の消火すぐだけど、ユウは大丈夫?あの竜LV85だって』




『うわ〜どうして最近自分より格上の敵ばかり出てくるのでしょう?

まあ、倒すのでなく会話が目的なのでいいんですけど』




『竜と会話するスライムとかウケる』




『とにかくやってみましょう、それでもしダメでピンチになったら助けてくれると嬉しいです』




『おっけー、ピンチの時は言ってね』



『はは、言った時には遅いかも知れませんけどね』




と俺は未だ暴れ続けている大きな竜に話し掛けるために近づいていった。









『すいませーん!大きな竜さーん、あなたはどうしてんなに暴れているんですかー』

とスキル念話を使って話し掛けてみる




GRAORUAAAー!

『む、誰だ私に話し掛けてくるものは?』




と問題なく話せるようだが、未だに暴れている




『今、あなたの足元にいる小さなスライムですが、どうしてそんなに暴れているのかお聞きしたくて』




『おお、すまん。あまりに小さすぎて見えんかった許せ、』



確かに大きい、頭から尻尾までおそらく10mはあるし、俺が見えないのはこの際しょうがない。



『それは構いませんが、今もめっちゃ暴れてますけど、何か嫌なことあったんですか?』




『グワッハッハッハ!別に嫌な事などありはせぬ!

しかし、この呪いと言うか、自分の意思と違う行動をしてしまうのはどうにかならんかと思ってな』




『ではあなたは暴れたくないと?』




『うむ、どうにも自分の意思とは関係なく夜になると体が勝手に暴れてしまうのだ

だからこうしてあまり迷惑の掛からん森の奥に来たんだが』




『火はマズイですよね、燃え広がってしまいますし』




『だな』




『因みにいつからそのようになってしまったんですか?』




『確か5日位か、こうなってしまって』




『何か心当たりはありませんか?』




『うーむ、しばらく前に悪魔のやつが俺達と仲良くやっていきたいと申して酒を持ってきたな、それくらいか変わった事と言えば』




『なるほど、おそらく原因はそれですよね』




『多分な』




『その時悪魔には何と言われたのですか?』





『美味い酒を用意した、差し上げるので我らと仲良くして欲しいと言ってきたのでな』




『それでその酒を飲んだと』




『そう、魔酒といって飲むと魔力が上がると聞いてな、集まった竜が皆で酒を飲み交わした、楽しかったぞ』




『ですが』




『そう、あの日から少しずつ体がおかしくなっていきおった、特に魔力の増大も無く身体の中心がモヤモヤとした感じでな、最近になって夜に暴れるようになってしまって、朝と昼はなんともないのだがな』





『そう、ですか』




『困ったもんだな、ガッハッハ』




(困ってるようには見えないけど)


『これ以上暴れられても困ってしまうので、あなたと敵対する気持ちはありませんが、取り敢えず行動出来ないようにしても良いですか?

その後出来るか分かりませんが、その症状を何とかしてみようかと思っているのですが』




『それは何とも嬉しい話だが、俺はこの通り自分の意思で大人しく出来ないんだ、それはどうする?』




『あまり気が進みませんが、力尽くで?』




『グワッーハッハッハ!!面白いぞ小さいの、もしその力尽くとやらでワシが死んでしまっても気にする事はないぞ、思う存分やってみるといい!

お主は面白いな、ワシは赤竜フレムベルだ。

お主の名は何と言うのだ?』




『これはご丁寧にありがとうございます。

私はユウ、モリタ ユウと申します。

死んでしまっては意味はありません、ですが多少ケガや痛みがあると思いますので、その時は怒らないで下さい』




『なるべく抑えるが、無理はするなよユウとやら』




『分かりました、やってみます』




俺は自分の30倍はあろうかというドラゴンの動きを止めるために戦いを挑む




(なるべくキズを付けずに動きを止めるか…)



難易度の高いミッションを自分に課してしまった事を少し後悔したが、やるだけやってみよう






「GAAAA!!」


赤竜であるフレムベルさんがこちらに尻尾を払ってきた




「ほっ」


俺はグーラを枝に巻きつけ自分をその場から移動させる

、着地を待たずに空中で魔法を使う



「アイススピアー」

俺の周りの空気を凍結させて大きめの氷の槍を10本作り、それをフレムベルさんに放つ



『お主魔法を使うか!!』




『じゃないと止めるなんて言えませんよ』




『それもそうよな、だが』




俺の放った氷の矢はフレムベルさんに突き刺さるがすぐに溶けて水蒸気となってしまった



『なるほど、身体の温度によって氷が溶けてしまうと』



『普通なら体に触れる前に溶けて無くなるのだが、魔力の練りが良いからか』



GIYAOOOー!!



暴走しているフレムベルさんの肉体は攻撃を受けたけいで怒り咆哮をあげる




『しかしお主どうなっているんだ?先程の魔法といい、一応ドラゴンの咆哮をまともに受けておいて平気なスライムなど見た事も聞いたこともないが』




『ここに来てすぐ物凄く恐ろしいものを見てしまい、身体中の汁という汁を漏らした事があったのでそれでですかね』



『そ、そうか汁を…』



『ええ』



フレムベルさんの肉体は咆哮とともに力を溜め始めた




『あ、これはマズイ!ブレスを放つ気だ!逃げろ』




『逃げろって言われても何処に』




『とにかく当たったら燃えるどころじゃ済まんぞ』




フレムベルさんの肉体の溜め時間は終わり、その大きな口から物凄く熱量の炎のブレスを放ってきた





俺は躱す事は叶わない、耐え切れるか





無理だ、この圧倒的な熱量は膨大。

燃えるだけでなくチリとなってしまう






障壁?







遅すぎる







どうする







『!!』






やってみよう!失敗したらしょうがない







一か八か









「纏」







俺を炎のブレスが包み込んだ






[【竜魔術】を覚えました]





今はそれは無視しよう




『ユウー!!!』








フレムベルさんの心の声が聞こえる







どうやら上手くいったようだ







『ご心配をお掛けしました』





『おお、ユウ生きておったか!』






そこには炎の渦を纏ったスライムがいた





『な、なんだその纏っておるオーラは!

ま、まさか俺のブレスを』





『そうですね、どうやら私にはブレスや魔法は効かないらしいですね』





『ははっ、とんでもないスライムだなお前は』






『普通ですよ』





『そうなのか?』






『どうでしょう?

とにかくあなたを止めます』





『頼むぞユウ』






俺はフレムベルさんが放った炎を纏、突進していく、

フレムベルさんの肉体は自分の放ったブレスが自分を襲って来ることに萎縮して動きをが鈍い




『ブレスを放った後の硬直かな?このチャンスは逃さない』



俺はまずフレムベルさんが逃げ出さないように地面に穴を開ける





「グラウンドホール」




フレムベルさんは大きな穴に落ちていき倒れてしまった




GIYAOOOーー!!!




「これは見よう見まねだけど、フレムベルさんを大人しくさせる為だから我慢して下さいね」





「ヘル・ファイア・インフェルノ」





前にクリスと一緒に放った火魔法の最大魔法。

俺は纏った炎と闇魔術を混ぜて魔法としてフレムベルさんに撃ち放った





以前見た黒い炎より、より黒く大きな炎がフレムベルさんを焼いていく。

黒い炎はフレムベルさんに纏わりつくように全身を焼いていき、フレムベルさんは真っ黒になった




GYUROOO




フレムベルさんの肉体は弱々しく悲鳴をあげた




『こ、これはマズイ』




と俺は直ぐに魔法を解き炎を消した

弱々しく鳴くフレムベルさんは息をするだけでやっとで動く事は出来ないようだ





『ま、まさか、赤竜であるこの俺を炎で焼いてしまうとは…』




『す、すいません。初めての事でどうしたらいいのか分からなくて』





『いや、構わない。素直にお主が凄かったと私は思うぞ』





『恐縮です』





とフレムベルさんと話をしていると、ナチュルがパタパタとこちらに飛んできた





『ちょっとー!なんか凄い音と夜になのに真っ黒の炎とかがこっちに燃えてたけどってレッドドラゴンが焼き焦げてるんだけどーー!』




『あ、ナチュルさん、そっちはどうでしたか』




『こっちは問題無いわ〜燃えてたの消して、森を元に戻しておいたから』




『消すだけじゃなく、元に戻すとかスゲー!』




『ふふん、でしょ』





『な、なぜ大精霊がこの場所に、俺を消しにきたか』





『あ〜この人ってか精霊か、ナチュルは私の友達です』





『そう、ユウは私のマブダチだからよろしくね』





『だ、大精霊と友達ってユウ、お主何者なのだ?』





『んー、人の心を持ったスライムですよ』





『だ、か、ら!それ辞めて〜プププッ』




『ひ、人の心を持っただと』





『ええ、その認識でお願いします。

では早速フレムベルさん、体のどの辺りが変なのですか?』




『どったの?食べるの?』





『食うかっ!…実は』

とナチュルにフレムベルさん達が悪魔に唆されて酒に何らかの細工をされて、暴れたくも無いのに暴れさせられた事を説明した。




『おそらく、それって魔術紋の酒ね』




『魔術紋の酒』





『何か昔悪魔達で流行った遊びで、お酒に魔力を流し込んで、それを飲んだものを操ったり、それに抗ったりして魔力の競い合いをする遊びだったはず』



『それを竜に飲ませて遊んでいた?と』




『うーん、分かんない』

と首を傾けるナチュル 可愛い




『もしかするとその悪魔は竜を操ってこの世界を破壊しようとかしていたのかも知れませんね』




『た、確かに後10日遅ければ1日中自由にならなくなり、彼奴の思い通りになっていたかもしれん』





『まずは治せるか試しましょう、胸のこの辺りですか』

と大きな竜のお腹に手を当ててみる




『うーむ、ケガでよく分からんが首の付け根辺りから

気持ち悪いのが来る感じだな』




『ではこの辺りに』




「レグレッション」




『おおおお!喉の奥に引っかかっておった何かが無くなった感じがするぞ!』




『ふむ、上手くいったようですね、フレムベルさんちょっと治すので動かないで下さいね』




『お、お主回復まで使えるのか?』





『ま、嗜む程度ですが』




「ハイヒール」




キズだらけで真っ黒だったフレムベルさんの皮膚が、魔法の効果で治っていく




『動けますか?』




『なんとか、な』




と倒れていた巨体が起き上がる




『どうですか?ご自分の意思で動けるようになっていますか?』




『おお、大丈夫だ、さっきまでの嫌悪感も無くなっているし、動けるぞ』





『おお!それは良かった。

ではキチンと治しますね』




『うん?キチンと?』




「エクスヒール」




『な、なんと!この光はー!!』



エクスヒールにより完全回復させたフレムベルさんの肉体は、何故かさっきよりも一回り大きくなったように見えるのだが?





『何かさっきより大きくなってません?』



『我ら竜種は瀕死から回復すると成長もしくは進化するのだ』





そう、さっきまでは真っ赤だった皮膚が少し黒くなってより怖さが増している感じがする





『お主のあの黒い炎で焼かれた俺は赤竜ではなくなり、赤黒竜と進化したぞ!』




『な、何か大火傷させたり、無理矢理進化させちゃったりと、なんかごめんなさい』




『何故謝るユウよ、お主のお陰で悪魔のイライラから解放され、さらには長年悩んでおった進化まで出来た。

お主には感謝しかないぞユウ』




『よかったわねユウ、とりあえずこの森の平穏は守られたって所かしらね』





喜ぶ俺達をちょっと苦笑いしながら見つめてくる赤黒竜


『ユウと大精霊よ、お主達には少し相談したい事が出来てしまった。』




『はい、なんでしょう』

『何かしら』





『あのクソ悪魔に酒を飲まされたと話したろう?』




『あ、はい』

『そうね』





『実はな、俺の他に3体の竜も同じ酒を飲まされた』




『マジすか』

『マジで?』




『マジだ』





『実は火の竜であるフレムベルのこの俺と、水の竜のスレイン、地の竜のアトモス、風の竜のスカイサー、皆が集まり、悪魔の話を聞き酒を飲まされたのだ』




『マジすか』

『マジで?』




『マジだ』




そうして、悪魔の仕業によるドラゴンが暴れるのを防ぎに行くために俺とナチュル、そしてフレムベルで話し合った。

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