第二章:黒き聖女 第六話 黒き聖女
「いやあぁあっ!」
モモ・ルーは悲鳴を上げ、豪華なベッドの上で目を覚ました。
「はあっはあっはあっ…」
汗でびっしょりになっている
…何か、とても恐ろしい夢を見ていた気がするが…思い出せない。
「そうだ、修行が終わって…私は気を失ったのか…」
その時、部屋のドアが開き、エンプーサが入ってきた。
「起きたか…早くしろ、ご主人様がお呼びだ。」
モモ・ルーは慌てて飛び起き、エンプーサのあとについて行った。
屋敷の一番奥の部屋、豪華な装飾が施された大きな扉を開くと、そこには…
黒いヴェール、黄金の装飾、三つの影を従えるような神々しさ。
黄金の装飾と深淵の闇を纏った冥界の女神ヘカテーが立っていた。
その存在だけで、空気が震える。
「参りました、ご主人様」
片膝を付き礼をするエンプーサ
モモ・ルーもその後に続いた。
「冥界の女神ヘカテー様
私の新しい主様
お呼びにより参上致しました。」
「モモ・ルーよ、私はお前の主となった。
だが、お前の心を縛ろうとは思わない。
お前の心は自由だ…
それでもお前は、私とエンプーサと共に、魔王を倒し、この世界に復讐する道を選ぶか?
お前の決意を私に示してみよ」
モモ・ルーはボロボロになった聖衣に手をかける
「この聖衣は、私が聖女になった証しとして教会から贈られたもの…」
次の瞬間
ゴウッ!という轟音と共に着ていた聖衣が漆黒の炎に包まれた。
モモ・ルーは、かつての絆を自らの手で焼き切った。
もう戻る場所はない。
あるのは、ヘカテーが示す復讐の道だけ。
「準備は整ったようね」
ヘカテーが満足げに微笑み、エンプーサが用意した漆黒のドレスをモモ・ルーの肩にかける。
「私はモモ・ルー、この世界に復讐する『黒き聖女』」
漆黒の衣を纏ったモモ・ルーは、一度も振り返ることなく、冥界の闇の中へと歩み出した。
【『聖女モモ・ルーと冥界の女神』第一部 第二章:黒き聖女 完】
お読みくださいましてありがとうございました。
第二章が終了しました。
「光の聖女」が「黒の聖女」へと再誕する章でしたが如何だったでしょうか?
次の第三章は旅立ちがテーマになります。




