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出動!悪行清掃人!   作者: 糸東 甚九郎 (しとう じんくろう)
#16 最終決戦! 忌まわしき過去を打ち破れ!
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~ファイル80 舞う火の粉。嗤う毒島~ 

   ゴオオォッ  ゴオオォッ  ブオオオッ  ゴオオォッ・・・・・・


 灼熱の風が、大きく渦巻く。

 毒島は両手をばっと開き、尖った歯を光らせて不気味な笑い声を響かせる。


「ほっほっほ!! この炎、アナタたちを荼毘に付すには、丁度良いですねェ!」


   ・・・・・・トッ   トッ   トッ   トッ


 突然、毒島は踵を返し、優太の方へ近づいていく。


「何する気だ毒島! 待て、このやろーっ!」


 小紅は目を吊り上げ、叫ぶ。


「・・・・・・う、うああ・・・・・・。ぼ、ぼくに、なにを・・・・・・」


   ・・・・・・トッ   トッ   トッ   ピタリッ


「(ニヤッ)」


   ・・・・・・ブウンッ  ドッゴアアアァァッ


「げ・・・・・・げぇふっ・・・・・・」


 優太は、毒島に蹴り飛ばされ、ごろりごろりと転がり、血を吐きながらのたうち回る。


「ゆ、優太! 優太ぁーっ! こんのやろぉ、毒島! 毒島ぁーーーっ!」


 小紅は紅色の髪留めを光らせ、全力で優太の元へ向かって駆け出した。

 毒島に蹴られた優太は、ごろんと炎の近くまで転がった。

 側で燃える炎が、優太の靴やズボンの裾を、ちりちりと焦がしてゆく。


   ・・・・・・くるり


 毒島は、走ってくる小紅のほうへ向きを変え、目を細めてにやりと笑う。


「小紅チャン! きっとそれは、毒島の罠よ! 待って! 止まって!」


 華蓮が叫び、小紅の後を追う。


「優太が、あのままじゃ死んじゃうよ! 毒島、このやろぉーっ!」

「・・・・・・ふん。・・・・・・お涙頂戴の友情劇ですか? ・・・・・・ほっほっほっ!」


   ブウウゥンッ!


 小紅の胸元めがけて、毒島の強烈な平手打ちが高速で振り回される。

 それを小紅は察知し腕を交差。そして、飛んでくる向きと同じ方向へ大きく横跳びした。


   ・・・・・・ドグアッシャアアァッ!  バシイッ!


「うぐあっ・・・・・・。く、くっそぉーっ!」

「反応するなんて、勘がいいんですねェ?」


   ・・・・・ブウンッ  ドシャアンドシャアッ!


 毒島の平手打ちを、十字受けと横跳びを使って衝撃を弱めた小紅。

 だが、そのまま力任せに振り抜かれ、小紅は大きく吹き飛ばされて転がった。


「こ、小紅センパイーっ! だいじっ? 小紅センパイ!」


 水穂が慌てて、小紅へ駆け寄る。

 華蓮と苺は、吹き飛ばされた小紅と入れ替わるように、二人で一気に毒島のところへ踏み込んでゆく。

 澪は、源五郎とみかんを両肩に抱え、炎の届かない安全な位置まで運んでいた。


「小紅センパイ?」

「・・・・・・けほっ・・・・・・げほっ! だ、だいじ・・・・・・。それよりも、優太が!」

「毒島の打撃、小紅センパイきちんと威力を弱めたのに、こんな・・・・・・」

「水穂も、無理しないで・・・・・・。あんた、生き返ったばっかりなんだからさ?」

「もぉー。人のこと、ゾンビみたいに言わないでぇ! 小紅センパイとミオが生き返らせてくれたんじゃん! ・・・・・・センパイ、本当に、ありがと。命の恩人だわ、まさに!」

「と、とりあえず、毒島仁英を倒さなきゃ・・・・・・。水穂、澪は?」

「ミオは先生とみかんさんを安全なとこへ移したよ? ほら、あっち!」


 水穂の指差す方を見た小紅は、一瞬だけふっと表情が和らいだ。


「そっか! 良かった! ・・・・・・くっそぉ! 毒島めーっ! こらーっ、毒島仁英ーっ!」


 小紅は身体を起こして立ち上がり、再び毒島を呼びつける。


「やれやれですね。騒がしい小娘め・・・・・・。いい加減にしてほしいね。そろそろ、ボクは飽きてきたよ」


   ・・・・・・トッ   トッ   トッ   トッ


「ハアァイィーーッ!」

「はあいやぁーーーっ!」


 呆れ顔の毒島へ、華蓮と苺が同時に仕掛ける。


   ババババチイィンッ!  ドガアッ!  ドバババァンッ!  ガアンッ!


 だが、二人に攻撃されながらも、毒島は気にせずに小紅のもとへ歩を進めてゆく。


   ・・・・・・トッ   トッ   トッ   トッ


「な、なんで効かないの! こうなったら、わたくしの全力で・・・・・・」

「ウチの奥ノ手を、毒島に仕掛けるしか・・・・・・」

「・・・・・・邪魔ですよっ」


   ・・・・・・ブンッ  ブンッ  ビッシャアアッ!  ドバキャアアァッ!


「あ! きゃあぁっ!」

「わぁ! うあーっ!」


   ・・・・・・ドゴッシャアァンッ  ・・・・・・ドンガラガッシャァンッ!


 左右から踏み込んだ華蓮と苺。

 しかし、毒島は両手を真横に突き出して、二人を一撃で砂とがれきの山へ吹っ飛ばした。


「う、ううぅ・・・・・・。こ、小紅チャン! こいつは、倒せない・・・・・・っ」

「ふ、普通じゃないよ・・・・・・こいつ! ・・・・・・い、痛ぁっ・・・・・・」


 華蓮と苺は口元や額から血を流し、力なく地面へ倒れた。大矢採石場の冷たい地面が、二人の体温をさらに奪う。

 毒島はにかっと笑い、一歩ずつ小紅へ近づく。炎に包まれた灼熱の場に、靴音が響く。


「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。水穂、あたしから離れて! 逃げて!」

「で、でもぉ! ・・・・・・ひぃー。ぶ、毒島の目が、やばい! やばすぎるよ!」

「はやく、水穂! あたしから離れて! はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。来い、毒島ぁっ!」


 叫びながら水穂を突き飛ばす小紅。

 水穂は躊躇いつつも、その場を離れる。

 目を光らせて近寄ってくる毒島は、さらに凶悪な表情となって、ゆっくりと歩み寄ってくる。



     * * * * *



   ・・・・・・トッ   トッ   トッ   トッ   トッ


「はぁー・・・・・・はぁー・・・・・・。すうぅー・・・・・・はあぁー・・・・・・」


 一歩ずつ近づいてくる毒島。それに拳を向けて構える小紅は、乱れた呼吸を必死に整える。


「む、無茶よ、小紅チャン・・・・・・。よいしょっ、と・・・・・・」


 華蓮は力を振り絞って起き上がり、額の血を拭って、棒を手に取った。


「こ、小紅ぃ・・・・・・。ひとりでそいつを相手にするなんて・・・・・・。よい・・・・・・しょっと」


 苺も、ゆっくりと起き上がり、口元をごしごしと拭い、華蓮とともに小紅のもとへ急ぐ。


   ・・・・・・トッ   トッ   トッ


 毒島の靴音が、炎に囲まれた空間に響き、さらに一歩、また一歩とゆっくり近づく。

 小紅の左右に、華蓮と苺が駆けつけた。二人とも、呼吸を整え、構える。


「どうなってんだ、この毒島ってやつは・・・・・・。あたしたちで、どうやれば・・・・・・」

「とてもじゃないけど、普通には倒せそうにない・・・・・・。でも、何とかしなきゃ!」

「小紅! 華蓮! ・・・・・・来るよっ!」


   ・・・・・・トッ   トッ   


「まったく。・・・・・・静かに寝ていれば、ボクもわざわざ狙わないんですがねェ? しつこい小娘どもですこと。・・・・・・ボクは、しつこいのは嫌いですよ!」


 毒島は、足下の小石を二つ拾い、人差し指と親指でつまんだ。


「・・・・・・毒島仁英! わたくしの母の命も奪い、苺チャンの家族、小紅チャンの家族の命も奪ったデスアダーめ! ・・・・・・この三島華蓮が・・・・・・」

「ウチが『きれいなまちづくり同好会』を作って、悪い人を懲らしめるように活動しているのも、すべてはデスアダーを・・・・・・」


   ・・・・・・ビシュイイィッ   バチュウンッ!   バチュウンッ!


「わ! う、うあっ!」

「きゃ! い、痛ぁっ!」

「華蓮! 苺!」


 まるでライフルの弾で打ち抜くかのように、毒島は親指を弾き、華蓮と苺の足の甲をめがけて小石を飛ばした。二人の足の甲に小石は正確に直撃。二人は出鼻を止められてしまった。


「くだらないおしゃべりをする気はありません。・・・・・・次は、頭を打ち抜きますよ?」


   ・・・・・・ズズズズズズ  ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・  ガララララ・・・・・・


 小さな地震で、周囲が揺れる。切り立った岩の山から、バラバラと小石が落ちてくる。

 華蓮と苺は左足を引きずりながらも、毒島に向かって構える。


「・・・・・・こっ、このぉ! ハアァイィヤァーーッ!」


   ヒュゥゥンッ!  ヒュンバババッ  バキンバキン  バシンバシンバシン


 華蓮が棒を使って、毒島を何度も何度も叩く。しかし、毒島の嗤いは消えない。


   ・・・・・・ガシイッ!


「あっ! こ、この・・・・・・」


 華蓮が、真横から毒島の顔を打ち付けようとした時、棒はがっしりと毒島の手に掴まれた。


「遊び過ぎですねェ、三島華蓮さん・・・・・・」


   ・・・・・・グンッ  バキャアアッ


「ああっ! な、なんてことっ。棒が・・・・・・」


 棒を握ったまま、毒島は軽く腕を横に振った。

 棒は真っ二つに折れ、毒島はその一方を炎の中へ投げ捨ててしまった。


「華蓮! すぐ離れて! てえぇああぁーーーーーーっ!」


   ・・・・・・ドゴオオォッ!  バシィンッ!


 小紅が華蓮の後ろから、毒島の胸元へ重い横蹴りを叩き込む。

 その反動で、小紅は華蓮の肩を抱き寄せながら、数歩分後ろに下がった。


「はあいやぁーーーっ! 大円流合気柔術、連綿当身四箇条『曲枝まがりえだ』っ!」


   バシバシイッ!  バカァンッ!  ドスウッ!  ベシイッ!


 苺の四連続当て身技が、毒島に入る。

 その反動を使って、ささっと苺も転がるようにして間合いを切る。


   ゴオオオオ  パチンパチン  ゴオオッ


 炎がさらに、黒煙を大きく上げて燃え上がる。

 警察隊の声も炎の音にかき消され、小紅たちの位置からはよく聞こえなくなっていた。


「ひぃー。普通じゃなさすぎだよ、毒島! ・・・・・・ん? あれは! つ、使えるかも!」


 水穂は、近くに転がっていた底の抜けた木樽をかぶり、身を潜めた。

 そして、それをかぶったまま、ちょこちょこと澪たちのほうへ移動。


「は!? み、水穂? な、なにやってるのよっ?」

「・・・・・・ミオっ! よかった! 毒島にバレずに、こっち来られたぁ!」


 樽からぴょこんと顔を出す水穂は、澪に安堵の表情を見せた。


「それでね! 今なら、そこにいる優太センパイを、こっちに救えると思うんだ!」

「そ、そうか!」


 澪は優太の方を見て、その後、毒島との距離を確認。


「み、水穂、澪・・・・・・。わしたちは、だいじじゃ。・・・・・・やるなら、今だべ」

「早乙女師範は、私が見ているから。・・・・・・なぁに、腕の一本くらい、いざとなりゃ気にならない! 稲葉! 篠原! チャンスは今だ!」


 源五郎とみかんが、水穂と澪の背中をぽんと叩く。


「・・・・・・よぉし、今度こそ! やろう、ミオ!」

「失敗はもう許されない。絶対に優太サンを助けだそう!」

「・・・・・・出動ーっ!」


 二人は一気に、優太のもとへ駆け出した。飛び交う火の粉をものともせずに。


   だだだだだだだっ!  タタタタタタタタッ!


「ゆ、優太センパイ! 優太センパイっ! ひぃええぇ! 痛そうー」

「・・・・・・み、水穂ちゃん・・・・・・かぁ。・・・・・・ははは。やられちゃったぁ」

「いま、わたしと水穂で、あっちへ運びますから。立てますか?」


 優太は、ロープで縛られたまま水穂と澪に抱き起こされ、よろよろと立ち上がる。

 その様子を、みかんと源五郎も離れて見ている。みかんは、水穂と澪へ小さくガッツポーズを見せた。


「このロープ、ほどけないのかなぁ? ・・・・・・うーんっ・・・・・・。かたいー」

「いいよ、水穂! このまま、あっちへ・・・・・・」

「・・・・・・ーぃ。 おーいっ! 稲葉! 篠原! ・・・・・・ろぉ! 後ろぉ!」


 炎の音にかき消されながら、みかんの声が二人の耳に届く。


   ・・・・・・ドガアッ!   どしゃあっ


「うわぁ!」

「え! ミオっ! え? な、なによーっ・・・・・・」


 水穂が振り向いた途端、澪は吹っ飛んでいた。いきなりのことに困惑する、水穂と優太。


「・・・・・・こ、小賢しい、小娘どもが・・・・・・。はぁ、はぁ・・・・・・」

「いぃーっ! ろ、ロン毛男ぉ! なんでまたいるのぉ!」


 そこには、呼吸を荒くして立つ針実伝が両手でステッキを持ち、般若のような形相で立っていた。



     * * * * *



「も、もう、ここは危険すぎる。毒島様を連れ、私は、去る。ここで貴様らは・・・・・・灰になれ。・・・・・・ふふふ。ふぅははははぁ・・・・・・。人柱になるがいい!」

「な、何言ってんのこいつー! お、おかしくなってるぅ! ひいぃー」


 水穂と優太の前で、針実はステッキを振りかざした。


「ひぃえー。た、樽かぶってくればよかった! えい! このやろーっ!」


   ビュンッ  バチイイィィッ!


「・・・・・・む、むぅっ!」

「いったぁい! ・・・・・・ひゃー。腕が痛いー・・・・・・」


 水穂は優太をかばいながら、針実が振り降ろしたステッキを上段受けで下からがっしりと受け止めた。

 しかし、ステッキの打撃もなかなかの威力。水穂は腕をぷるぷると振って痛みを和らげる。


「い・・・・・・った。・・・・・・ちょ、長髪の男だったのか!」


 澪も起き上がり、水穂の横へ戻る。


「ぬぬぅぅ・・・・・・。ぶ、毒島様を連れ、また、国内征服計画を立て直すのだぁ! この国を力で支配し、絶対的な力を持つ者が君臨する国に・・・・・・。ふははははははははぁっ!」


   ビュンッ   バチイイッ!


 澪に向かってステッキを横から打ちつける針実。

 澪はそれを冷静に見切り、中段横受けでがっしりと受け止めた。そして、ぐっとステッキを掴んで握り、針実の動きを固めた。


「いくよ、水穂! 一気に倒そう!」

「このロン毛、本当に私、無理なんだってばーっ!」


   ・・・・・・ドガガガガッ!  バチバチバチンッ バチバチインッ! ズガァッ!


 針実の顔面、首、胸元、みぞおちに、澪と水穂による正拳の連打が叩き込まれた。

 打たれた針実は、ぐったりとそのまま後ろ向きに倒れた。

 しかし、息を切らせながら地面を這うようにして、車へと戻ってゆく。

 がちゃりと、車の運転席のドアを開け、エンジンをかける針実。


「し、しぶといなぁ、ロン毛・・・・・・。こうなりゃ、もう、やぶれかぶれでっ・・・・・・」

「車でもし突っ込んでこられたら、まずい! 完全に意識を無くさせた方がいいね!」


 水穂と澪が針実を追いかけようとすると、上を見上げながらみかんがさっと割って入った。


「み、みかんさんー? あいつ、車に・・・・・・」

「どうしたんですか? 上の方を見上げて。・・・・・・岩山が、何か?」

「・・・・・・やはり! 稲葉も篠原も、常盤くんを連れて早くそっちへ戻ろう! 危ない!」


   ・・・・・・ゴゴゴゴゴ  ゴアアァン! ガラガラガラアアァッ!


「・・・・・・な、なんだとぉ・・・・・・。ぶっ、毒島様ぁぁーーーーーっ・・・・・・」

「「「「 あっ! 」」」」


 みかん、水穂、優太、澪の目の前で、岩面が大きく崩落。

 大きな岩塊や小さな岩塊が無数に崩れ落ち、それは、針実が乗っている車の真上に次々と重なり落ちていった。


   ・・・・・・ズズズズズゥン ゴンガラガラシャアァ ドゴシャアゴッシャアッ!

   ・・・・・・ボウッ チュドオォォンッ! ボガアァンッ!


 完全に潰れた車のガソリンに引火し、爆発が起こった。

 その勢いで、小石や岩塊が四方八方に飛び散る。まるで火山の小噴火のよう。


「うあああぁっ! ゆ、優太センパイ、だいじーっ? はやく、こっちへ!」

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。ぼくは・・・・・・だ、だいじだよ・・・・・・」

「ゆ、優太くんっ! な、なんということじゃ! これは、ひどい・・・・・・」


 源五郎のもとへ、優太が合流。靴やズボンが焦げてはいるが、奇跡的にも優太は火傷をほとんどしていない。

 水穂、澪、みかんの三人は、優太の顔をハンカチやティッシュで拭う。


「・・・・・・ええぃあぁっ!」


   ・・・・・・ブンッ  バツンッ!


 優太を縛っていたロープを、源五郎が、渾身の気合いを入れて手刀で切った。

 はらりと解ける、太いロープ。優太は、両腕をふるふると震わせて、横に伸ばした。


「よかったね、常盤くん! ずっと縛られていたなんて、辛かったよね・・・・・・」


 みかんが、添え木を縛った片腕を支えながら、優太に近寄り、微笑んだ。

 優太も「ありがとう」と、か細い声を絞り出し、四人にぺこりとゆっくり頭を下げる。

 針実の乗っていた車の残骸は、黒く焼け焦げている。

 その下にある岩塊の隙間からは、三匹のカエルがよたよたと這い出し、近くの細い用水路へぴょこりと飛び込んでいった。


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