~ファイル35 スーパー女子高生3人の決意~
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「じゃあ、華蓮。お母さん、出前行ってきちゃうから! ばあちゃんと、お店、頼むね」
「うん! いってらっしゃい! 気をつけてね!」
「はいよ! 初めてのお客さんからの注文だけど、頑張って行ってくるからね!」
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「お待たせしましたー。『華々楼』です。チャーシュー麺のご注文でしたね?」
「おいおいおい。ババァか! 遅えよ! んだよ、これ? 伸びてんじゃねーか!」
「え? いや、そんなはずは・・・・・・」
「よく見てみろよぉっ! うらあっ! ぶっかけてやんぜ!」
「きゃっ!」
「ギャハハハ! おいおい、カワイソーだろ? ラーメンは、頭から食えねぇぞ?」
「ほどほどにしとけよ? まぁ、ブスジマさんが、揉み消してくれんだろーけど!」
「うるせーよ。もともと、こんなラーメン、食う気しねーからよ! おいっ、ババァ! 慰謝料よこせ! 俺らデスアダーにな! 気ぃ悪くさせた、天罰だ。ギャハハハ!」
「な、なんですって? この男たち、もともと、それが狙い?)」
「う、うちの出前を利用して、お金を巻き上げる気だったんですか? 警察呼びます!」
「「「「「 あ? 」」」」」
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「・・・・・・うあっ。・・・・・・や、やめなさい! これ以上は。うちが、何をしたと・・・・・・」
「うるせぇ、ババァ! 俺らをイラつかせたんだ。金よこせ! くっそ、痛ぇな!」
「横っ面、ひっぱたきやがって! んだ、このババァ! 変な踊りしやがってよぉ!」
「ギャハハハ! 鳥の真似じゃね? 飛んで逃げるつもりか? ギャハハハ!」
「(頭を打って・・・・・・力が入らない・・・・・・。棒・・・・・・。何か、棒があれば・・・・・・)」
「おい、ラーメン屋のババァよぉ。このデスアダーが、常連客になってやっからさぁ、そんなら、いいべ? ただし、金を払うのは、そっちが俺らに、だ! ギャハハ!」
「そ・・・・・・そんなこと・・・・・・。うちの店が、できるわけ・・・・・・」
「んだと、こら! おい、だめだ。このババァ、使えねーよ。どうすんべ?」
「こんなに血みどろにしちまったら、後々が面倒だべよ! バカ! とどめ刺しちまえ!」
「じゃあ、この残ったラーメン、ぶっかけとけや! どんぶり、被せちめぇ!」
「おっ、いーじゃん! ギャハハハ! ババァのラーメン漬けだ! くらえ!」
「(か・・・・・・華蓮。お母さん・・・・・・弱くて・・・・・・ごめん・・・・・・ね・・・・・・)」
「おい。そろそろ、ブスジマさんとこに金持ってく時間だぜ? 車出せよ!」
「ギャハハ! ババァの車に、金あったぜ。これも持ってくべ! 四万円もあんぜ!」
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華蓮は、眉を片方だけぴくりと上げ、一度、話を終えた。
小紅と苺の二人は、それを聞き、眉間にぎゅっと皺を寄せた。
三人の湯呑みから、湯気がゆらりと揺れ、茶の間の中央に消えてゆく。
「お、お母さんは、そのあとどうなったの? ウチ、聞いてて、つらいな・・・・・・」
「・・・・・・今のは、警察が逮捕した男の一人が話したことだけどさ・・・・・・。ふぅぅ・・・・・・」
悲しそうな顔の苺をちらっと見て、ふうっと溜め息をつく華蓮。
小紅はじっと華蓮の顔を見つめ、片肘をついて険しい表情のまま。
「それで・・・・・・。近くを通りかかった人がね、母が出前で使っていた軽自動車が、ビルの前で荒らされてるのを発見してね。・・・・・・警察と救急車を呼んでくれたみたいでさ・・・・・・」
「・・・・・・あたしの時と、なんか似てるな・・・・・・」
小紅は、目を瞑って唇をきゅうっと噛みしめた。
「近くの病院に搬送されたけど、ほとんどもう息も弱ってて、ダメだった。警察は、その出前先は、よくデスアダーという半グレ集団が集まる、古い雑居ビルって言ってた」
「それで、ウチと手合わせした時、華蓮、ああ言ってたのか・・・・・・。デスアダーめ!」
「母が病院でさ、最期に、わたくしに言ったの・・・・・・。デスアダーは、すごく怖い人たちだってさ・・・・・・。後日、警察も何人か逮捕したけど、結局、親玉はわからなかった・・・・・・」
華蓮は、一気に湯飲みのお茶を飲み干した。
「(二斗刑事も言ってたなぁ。なかなか、頭の毒島仁英には辿り着けていないって)」
小紅は、華蓮の湯飲みに、急須に残っていたお茶を全部淹れる。
最後の一滴が、ぴちょんと音を立て、お茶の表面に環を描く。
・・・・・・かちり こちり かちり こちり・・・・・・
暫し、茶の間には、古い振り子時計の針音と、お茶をすする音だけが響く。
「・・・・・・華蓮! 苺! ・・・・・・あたしら三人が集まったんだし、せっかくだから、みんなで思いっきり汗流そう! ねっ? 動こうよ!」
「「 え? 」」
沈黙を破るように、小紅が立ち上がった。
華蓮と苺も、そんな小紅を見て、顔を見合わせてから、すくっと立ち上がる。
「・・・・・・そうだね! わたくしの話で湿っぽくなっちゃったけど、陰気を吹き飛ばすために、身体動かしてストレス発散しようーっ! ねっ、苺チャンも!」
「だね! ・・・・・・小紅。それで、汗流すって、何するー?」
「あたしらが集まったってことは・・・・・・。ふふふーっ! 決まってんじゃん!」
「・・・・・・お散歩?」
「ちがうよ! 苺・・・・・・あんた、ほんと天然だよねー。道場で、手合わせや技術交換だよ! お散歩は、いいところがあるから、夕方にでも三人で行こう?」
「そういえば、わたくし・・・・・・小紅チャンと手合わせ、やったことなかったわねー」
「ウチは、華蓮の武術をもっと知りたいな! まだまだ、物足りなかったしーっ!」
「よーし! いいじゃん! デスアダーを討つためにも、技術レベルを上げよう!」
「賛成! やりましょう!」
「「「 絶対に、デスアダーを倒すんだ! 」」」
早乙女小紅、朝霧苺、三島華蓮。
まさに「悪行清掃人」のスーパー女子高生たちが、ついに一堂に会して決意を共有したのだった。




