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水辺の国・リヴァージュ

【ミキト 水辺の国・リヴァージュ】


 あれから、3日,4日経っただろうか……。

 さすがに、レイセルの大陸から東の大陸に行くというだけであって、そこまでの大海原を渡り切るには、相当な時間がかかると、定期船の航海士さんから聞いていた。

 でも、そんなに(つら)かった訳でもなく、船から見える、めったに見れる機会がない、満遍(まんべん)の夜空を毎晩欠かさず、甲板まで見に行ったものだ……。



【回想・定期船の甲板】


  ――こんなに綺麗な星空はめったに見られない……、今のうちに目に焼き付けておかなきゃ……! ――


 ボクは、そう思いながら毎晩欠かさず見に行っていた。

 ちょっとの建物の灯りだったり、道を照らす街灯があるだけでも、星の見える範囲は、どんどん狭まっていく……。

 ()してや、病気がちだったボクには、外に出ることはあまり許される事ではないので、窓から背伸びするのが、やっとだった……。


 ――そう思えば、ここにいること自体、幸せだといえる。

 その反面、自分のことは自分で守らないと、命がないのが、この世界にとって、玉に(きず)だけどね。

「おや、ミキト?

 毎晩甲板(ここ)に来ているけど、眠れないのかい?」

 ドゥルゲは、僕が見慣れない行動をしていたせいか、心配そうに声をかけてきた。

 でもボクは、『そんなことないよ』という笑顔をみせて、(かぶり)を振った。


「ううん、そうじゃないんだ。

 船の上から見える、この星空をみていたのさ」

 ドゥルゲに星空を見上げさせるように、視線を誘導すると、ドゥルゲはボクの隣に来て、いっしょに星空(そら)見上げた。

「ああ、星空か……。

 そういや、俺の里も、こんなふうには見えないな」

「ボクの元にいた世界も、こんなに見えるのは()()()んだ」

「ん?

  『少ない』って、どういうことだ……?」

 ドゥルゲは、どうやらボクが意味深長な発言に、反応したようだ。


「ボクの世界ってさ――――、

 街のほとんどは、エイヴリーテ(ここ)より、もっともっと栄えていて、夜でも普通に街を歩けるぐらい、明るすぎるんだ……。

 便利な反面、街やその辺りの道を照らす光のせいで、もともと輝いている星空は負けてしまい、一番栄えている街は、ごく僅かな星しか、見えないんだ。

 逆に、田舎の町は、乗り物とかは不便だけど、そこまで道を照らす光は無いから、星は明るく見えるんだよ。


 ドゥルゲも知ってるでしょ、ボクがほとんど病気と闘っていたことを……?

 そのころはね、みんなよりも楽しみが少なくてさ……。

 『せめての楽しみを』、と思って、星空を見ようとしても、病床(びょうしょう)の窓からだと、星空はとてもじゃないけど、見えなくてね。

 せっかく流星群の話題になっても、生で体験することはできなかった……」


  なんだろう……?

 ドゥルゲだから、込み入った話を、知らずのうちに話してしまった……。


「なんだい?

 重い話をしたかと思えば、急に落ち込んで……?」

「だって――――、

 なぜかわかんないけど、ドゥルゲだと『わかっている』という感じがして、昔のことをペラペラ喋っちゃうからさ……」


  照れているわけでもない……。

 でもなぜか顔を、海面のほうに逸らすボク……。


「それだけ俺を信頼してるんだろ?

 いいじゃねぇか」

「あ、あのさ。

 べ、別に()()()の方の、やつでも――――」

「フッ、わかってるよ、バ~カ!

 やっぱおめぇ、おもしれーわ」

  アラベルに来た時のように、ボクはドゥルゲに、笑い飛ばされてしまった。


 なんだか変に考えてたのが、急にバカらしくなって、ボクもつられて笑う……。


「それにしても、綺麗(キレイ)だな……。

  俺の里はな、周りが火山だらけなんだ……。

 良族と悪族を隔てるように、高い山々に囲まれてる」

  今度はドゥルゲが、込み入った話をしてきた。


「――――でも、その中に大きい神殿が、あるんでしょ?

 どうやって、建てたんだろう……?」

「なんか、昔は火山がそんなに活動しない山で、そのときにリシャス様が人間を何人か使役して建てたらしい……。

 でも、俺が生まれる前の話みたいだから、確証は無いけどさ」


  そういや、ボクはずっと気になっていた。

 ドラゴンの里は、人間よりもずっと歳を取って、やっと1人前の大人なのに、この街や世界は、ボクの世界よりも、文明は進歩していないはず……。


 なのにどうやって、歳を取るのかな……?

  それに、ドゥルゲの鎧の隙間から、左だけ、月明かりでちらちら照らされる、まるでアーティファクトのようなものは……?


「あ、あの……。

 ドゥルゲの左胸に着けている、その……、アーティファクトのようなものは……?」

「ああ、『()()()』だよ。

 人間に転生するときに、リシャス様から貰ったものさ。

  別にお前が気にすることは無いさ。

 特にドラゴンの世界は、ややこしいからな」


  そう言われると、余計気になってしまうじゃないか……。

 でもキミが『気にしなくていい』と言うなら、ボクはそれまでにしとくよ……。

  もしかしたら、いずれ否応なしに、ドゥルゲのふるさとのついて、話すことになるかもしれないから……。




【ミキト リヴァージュ・芸術街】


  リヴァージュは国も地域的にも、情熱にあふれている街で、今まで来た国とは違い、まるで一瞬で南国に来たような、活気盛んな街だ。

  船から降りるや否や、ひとつの劇団が、歓迎のしるしやら踊りやらなどなど、超熱烈歓迎(ねつれつかんげい)だった。

「ここは、芸術街(げいじゅつがい)と呼ばれててな、いろんな劇団たちがこぞって、芸を披露したり、はたまたは、各々の劇団員たちが同じ釜の飯を食ったりと、そういう由来(ゆらい)で、来てるんだ」

 と、ドゥルゲが説明してくれた。

「先生、しつもーん!」

「はい、なんでしょう、イオ君?」

 いきなり学園コント|(?)し始めた、イオとドゥルゲの2人|(正式には3人)。


「〈『同じ釜の飯を食う』とは、どういう意味でしょうか?

 ()()だから、わかりませーん!〉と、妹が言ってますが……?」

「このチビ……!!」

『勉強してた身だから、わかるだろうが……!』という含みを持たせつつ、ドゥルゲは右手に拳を作り、カチンと来ていた。


 ――これ以上喋らせると、変にケンカになるし、周りの雰囲気も台無しになるので、ボクが代わりに答えてあげた。

「『同じ釜の飯を食う』とはね、家族じゃない人が、一緒に生活して、お仕事をすることだよ。

  ほら……、イオも学生寮で、友達と生活して、勉強もしてたでしょ?

 それと一緒だよ」

「あー、なるほど。

 〈納得〉」

  双子が揃って、わかってくれたようで、よかった。

 そしてボクは、ドゥルゲに『まぁまぁ、抑えて』という含みを持たせるように、ボクの手を、彼の肩に置いた。


 ――ボクよりずっと背が高い、ドゥルゲの肩には、ギリギリ届く程度だったけど……。 ――


 ~~~♪♪


 そんなこんなで芸術街を歩いていると、南国のカーニバルのような音楽が聞こえてきて、その中に一際(ひときわ)目立つ、芸人さんがいた……。

「さぁ、うちの看板スター、ロミシェラの電撃技を、ご覧に入れましょう!」

 座長さん|(?)が、紹介すると、その女の人|(ロミシェラって、いうのかな?)が、他の劇団員|(なのかな?)が投げた、ボールのような的を、「えいっ!」と一撃で撃ち落とした……!


「「「おぉぉぉーーーーっっ!!」」」

  周りのギャラリーたちからは、歓声と拍手の波が押し寄せていた。

「うわー、すげーーーーっ!!」

 イオも、生で見る電撃に感動したようだ……。

「オレ以外にも、あんなふうに放てるヤツが、いたなんて……!?」

 えっ、そっち……!?

 そういや、言われてみれば、イオ以外に、使ったことある人って、ボクの知る限り、あまりいないかも……。

「もしかして、あの娘も、魔法使いなのかな……?」

「いや……、どうだろう……?

 オレは、見たことないけど?」


  イオでも、知らないとは……。

 となると、()()はいったい、誰なんだろう……?

 ギャラリーの集まりからすると、かなりの人気者だと思えるし、まるでこの地域の、芸能人(スター)のようだ……。

「どうやって、放っているんだろうね?」

「さぁな。

<でも、あの娘……、全然詠唱せず、即座に放ってるね>って、妹がもう分析しているし!?」


 そうなんだ……。

 レダは、そんなふうに()えているんだ……。


ボクが脳内で、『電撃の謎』を解決しようとすると、結局疑問ばかりの、堂々巡りなだけで、何ひとつ、分からない。

 ふと、ボクが顔を見上げると、こちらに視線が合った……。


「ねぇねぇ、そこのとんがり帽子の、ぼく?

 あたしと一緒に、電撃を撃ってみない?」

  さっきの電撃を放った人|(もはや省略している)が、イオに参加のお誘いを、言ってきた。

 すると、ギャラリーのみんなが一斉に、こちらに振り向く。

 

  ――――()()()()、怖いんだけど……。 ――――


「あ……、でも、

 オレ……、雷の魔法が、そんなに自信ないけど……」

  イオも、みんなが見ている中で、緊張気味で言う。


 ――ボクからしたら、半分嘘っぽく、聞こえるような……。 ――


「ちょっとみんな、ゴメンね。

 そこの子のところまで、通らせて……、ね?」

  彼女がそう言うと、ギャラリーたちが、ボクらのところまで、道を開けてくれた。

 そして彼女は、何気なくハミングをしながら、もはやサンダルに近いブーツを、コツン、コツン、と鳴らし、イオの目の前まで近づいてきた。

 近づいてくるや否や、イオの目線にあわせ、ボクに聞こえるか聞こえないかのようなささやきで、彼女はこう言った……。

「大丈夫、あたしといっしょに、練習すればいいよ」

  イオは緊張こそは解けないものの、少々戸惑っていた。

「え、でも……――。

 あんま、大勢の前では、ちょっと……。」

「大丈夫大丈夫。

見た目からして、『フィリダ』の魔法使いさんでしょ?

なら、『雷の魔法』は、知ってるはずだよね?」

  ボクやドゥルゲ、アルトには、2人の相談話が一応、聞こえているけど、さすがにギャラリーたちには、そこまでには聞こえないので、なかなか始まらない雰囲気に対して、少しずつざわざわし始める……。

「ならば……、レダ、行けそうかい?

 〈うん、なんとか行けると思う……!〉」

  イオとレダが参加する決心をすると、彼女は笑顔ですっと、立ち上がる。

「決まりだね!

  みんな~、お待たせ!

 あたし、いいこと思いついちゃったから、すぐ舞台(そっち)に戻るね~!」

『あたしについてきて!』という表情で(うなが)し、イオを連れて、最初通った道へ戻っていった。

  舞台としている場所へ戻ると、今度はこれから行う(もよお)しについて、簡単に説明する。

「じゃあ、説明するね。

 あたしが連れてきた魔法使いさんといっしょに……、()()()()()しちゃいま~す!

 ふたりで、電撃を放ちあって、いろんなことを、やっちゃいま~す!」

「「「「おおおおおおおおおお~~~~~っ!!」」」」


「え、えええっ!?」

  ギャラリーたちは、歓声に満ちているが、ボクらよりもいちばん驚いているのが、イオのほうだった。

「あ~~~、どうしようどうしよう……!?

 〈もう、ちょっと、落ち着いて……!〉」


  イオ自身、演目は何にも聞かされていないせいか、双子の慌てている会話が、目に見えて聞こえてしまう……。


「――――あ、でも……!

 この子は、魔法使いさんだけど、人前は慣れてないかもしれないから……、もし失敗しても、温かい目で応援してあげてねっ!」

  彼女が両手を合わせながら、愛想よく顔と共に右に反らすと、ギャラリーたちが口々に、イオへの応援が飛び交っていく……。

「えっと、じゃあ……、双子のキミたち、名前はなんていうの……?」

「オレはイオ。

 で、妹の……、〈レダです!〉」

  イオたちが名乗ると、ギャラリーたちが『そういえば、なんか知ってるぞ…』とかなんとかと……、口々にざわめきだす……。


 当然、そのリアクションで、イオの顔が徐々に引きつっていくのが、もうわかってしまう……。


「――――はいはいっ!

 みんなが、そんな勝手におしゃべりしたら、もっと緊張しちゃうじゃないの!?

  だ・か・ら、『しーっ!』ねっ?」

  彼女がくちびるに人差し指を当てる仕草で、ギャラリーたちを黙らせた。

  どうやらみんなは、彼女のファンのようで、ちゃんと言うことは聞くようだ……。


「じゃあ、イオくん、この電撃をよ~く見て、イメージしてね」

  イオと彼女は、向かい合わせになり、彼女が両手を合わせながら、ゆっくり引き離すと、電撃がビリビリ、バチバチと、まるで電撃自体を、あやとりのヒモのように操り、イオに見せる。

「うわっ……、すっげ~っ!」

 最初、たじろぐイオだが、次第に目つきが妹のレダのように見え始め、彼女(ロミ)が放つ電撃をまじまじとみつめた。

 それと同時に、ロッドを持つ左手ともう片方の手が、より一層、握り方が強くなり、必死でこの電撃を頭に焼き付け、自在に操ろうとしているのが、印象的で、非常に微笑ましいさまであった。

「よ~し、いけるぞ!」

 イオがやる気になったところで、ショーは再開|(?)となる。


「じゃあ、いっしょにやってみよう!」

  彼女は再び、あやとりのように、電撃を発動させ、イオもまた、雷魔法を詠唱し始めた。

電撃スパーク!!」

 イオは、彼女に合わせるように、電撃と電撃をくっつけさせ、それが綺麗なアーチを描いていた。

「「「「お~~~~~~っ」」」」

 歓声が、さらに熱を帯び、2人のテンションも、どんどんヒートアップしていく……。


 すると、電撃を使った芸がどんどん応用と進化していき、

 あたかもイオが、劇団にいたのではないかと、思わせるほどの上達ぶりとなった。

 はてまたは、ボクらだけでなく、ギャラリーのみんなが、劇団員の音楽に合わせて、いつの間にか手拍子までする始末に……!!

 みんながみんな、一丸となった瞬間であった……。




 劇団の公演が終わり、オーディエンス達が各々帰っていくと、ボクらは、彼女の元へ近づいた。

「イオ、お疲れさま。

 劇団の公演を参加してみて、どうだった?」

 ボクが、ねぎらいの言葉を言いつつ、感想のコメントを振ってみた。

「いや~、最初はホンッットに、緊張したけど、楽しかったよ!

 芸をするのって、こんなにテンション上がるもんなんだな……!?」


 ――イオのテンションが、覚めやまない状態で喋るのは、珍しい……。 ――


 と、思えてしまった瞬間であった。

 でも彼女……、もとい、ロミシェラが劇団の厳しさを、語りはじめる。

「でもね、イオ君。

 今はとっても人気なんだけど、最初は電撃が珍しい半分で寄り付く人と、怖がって、逃げる人がけっこういて、大変だったの……。

 天気が悪いと、『感電してしまうのではないか……?』って、お客さんが誰も来ない時だって、あったのよ……」

「ロミシェラさんも、大変だったですね……」

 ボクが、思わず共感すると、自分の名前について、訂正しだす。

「ありがとう。

 でも、これからあたしのことを呼ぶなら、『ロミ』って、呼んでね!」

 ウインクしつつ、笑顔でそう言うロミ。

「うん、わかったよ。

 ロミ」

「うんうん!

 それでよし」

 ボクがまるで、どこかの先生に訂正させられたような、気分になってしまった。

 別に傷ついた訳ではないが、なんかこう、優しい気持ちっていうか、言葉ではなんとも言えない、感覚になってしまったのだ。


 ――あの時……、そういう感覚は、うっすらしか……、味わえていないような……? ――


 どうしてだろう……?

 なぜか、昔とどうも比較してしまう……。


『それはね、病気のせいで、独りぼっちだったからだよ……』


「――ハッ、誰?」

 振り向いて、確かめようとしたら、現実に引き戻させられていた。

「大丈夫……?」

 ロミが話しかけ、心配そうに見つめる……。

 おまけに、みんなも……。

「おい、またなんか考え事してたのか?」

 ドゥルゲもわかってるかのような素振りで話すので、ボクはそれに合わせようと笑ってごまかす。

「あ……、うん。

 ちょっとね」

 すると、みんなも『な~んだ』と言わんばかりに、爆笑される。

「まったく、変な心配はダメですよ」

 と、アルトからツッコまれた。


 でも……、さっきボクと同じ声がしたけど……。

 いったい誰だっただろうか…?


 ――その疑問が解決する日は、いつか来るのだろうか……。 ――


「お~い、ロミ!

 まだそこにいたのか」

 女の人にしては、少し低めの声、小麦色に焼けた|(もしくはそういう地肌なのか?)の人が、こちらへやって来る。

「あ、副団長~!」

 ロミが、お互い手を振りながら、そう呼ぶ。

「お、みんなもいたのか。

 そこの不思議な双子ちゃんも、なかなかよかったよ!

 これでまた、電撃魔法も上達したんじゃないかな」

 副団長が褒めると、『双子とちゃんと認識してくれた』のが、嬉しいのか、涙目で感謝する。

「オ、オレ()()を双子といってくれた~!

 ありがとう~!!

 〈レダも嬉しい~!!〉って、妹も感謝してるぜ!」

 もう、イオなのか、レダなのか、2人の感情がグチャグチャで、こっちが()()()()()()()()しそうなのに、副団長はまったく物怖じせずに、頭をなでなでする。

「いいえ、どういたしまして。

 おお、そうそう。」

 副団長は改めてこちらを振り向いて、こう言う。

「まだ自己紹介してなかったな。

 アタイは、『アッサム・ロベルタ』。

 この大道芸一座、『ベルメル』の団長の娘にして、副団長さ」

 右手で、腰を手に当て、南国リゾートっぽい水着のような、派手な服装と、

 ボクにとっては、馴染みのある、っていうよりか、ちょっとインド人|(?)っぽいような黒髪(ややポニーテール)と顔つき、言葉遣いからして、アネゴ肌気質が見られる。

「改めて、よろしくな」

 アッサムが言うと、ロミもつられて、改めて自己紹介する。

「さっきは、いきなり巻き込んじゃって、ゴメンね。

 あたしは『ロミシェラ・ジュエル』。

 さっきも言ったけど、長ったらしく呼ぶのは、面倒だと思うから、気軽に『ロミ』って、呼んでね!」

 2人が自己紹介がすると、ボクらもこぞって自己紹介する。


「ほ~う、リシャス様とご縁があるとは、羨ましいな〜!

 ま、アタイらを見守ってくださるのも、もちろんだけど。

 これも、リシャス様の縁だ、君たちにちょっとお願いしたい」


 ――会ってすぐなのに、急にお願いされるとは……!?

 いったい、何だろう……? ――


「3日後に、劇団や一座の人らと、芸で競い合う祭り、『リヴァージュ・カーニバル』がある。

 リシャス様に、日頃の感謝を込めて芸で競い合う祭りで、もちろんウチも参加するつもりだ。

 毎度毎度、ロミばっかり出させると、必ず飽きてくる奴もでてくると思うから、今回は……――。

 イオ、それと……、アルト!

 アタイに免じて、『歌』を披露してほしい!!」

「「え……っ!?」」

 当の本人達が驚き――、

「「「「「えぇぇええええ~~~~~~~!!??」」」」」

 ボクを含む、みんな|(アッサムを除く)も驚いた……!!



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